懐かしき奇譚クラブ
風俗草紙
風俗草紙は1953年に突如登場した奇譚クラブの強力なライバルでした。
1970年代になって規制緩和とともにSM誌が叢生した時と違い、1950年代という時期に
早くもライバルが登場したというのは驚きです。
奇譚クラブがSM専門誌として登場したのが1952年6月号でしたから、一年ほどでこのように
強力なライバルが登場したという原因はどこにあったのでしょうか。 奇譚クラブがそれほど
儲かる本だとも思えませんが。
奇譚クラブがどちらかといえば学究肌の生まじめさを持っていたのに対し、風俗草紙はスケベ
としてのSMを臆面もなく扱うえげつない雑誌でした。
とはいえ、喜多玲子を中心とした挿絵の充実振りは目を見張るばかり、本家奇譚クラブも負けては
いられぬと派手な誌面展開となり、奇譚クラブの歴史の中で最も豪華な時期となりました。
その後両誌とも規制の矢に倒れ、風俗草紙は再起することなく消え果て、奇譚クラブは白表紙で
かろうじて復活したのはご承知のとおりです。
風俗草紙の寿命はほんの一年の短い一生でしたが、発行された誌面の実態はよくわからない
ところがあり、この点について esme さんの詳細な検証がありますので、引用させていただきます。
昭和28年
■7−12月号=第1巻 第4号−9号《通巻表記なし》
■『秘蔵版』(臨時増刊)=第2巻 第1号《通巻第11号》
昭和29年
■1月号=第2巻 第1号《通巻第10号》
■2月号=第2巻 第2号《通巻第12号》
■4月号=第2巻 第3号《通巻第13号》
(奥付の表記は、第2巻 第4号)
■臨時増刊「現代讀本」=第2巻 第7号《通巻第15号》
(奥付の表記は「現代讀本第1巻 第1号」)
■8月号=第2巻 第8号《通巻表記なし》
■9月号=第2巻 第7号《通巻第16号》
■10月号=第2巻 第8号《通巻第17号》
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2010/5/1