S M 自我像
わくら葉の妖精たちよ



考えてみると、俺は日本という国が開闢以来、最も変化に富み充実して、生きることが面白い

時代に生まれ合わせた幸運な男だったのかも知れない。

戦後の復興からバブル期にかけて、およそ50年にわたる風俗の歴史はそのまま俺自身の女性史に

つながる。

だが 俺は決して絶倫の精力家でもなければ、キザで金持ちの女たらしでもない。ただひたすら女を愛し、

その肉体が持っている淫靡と快楽の味を求め続けてきただけだ。


俺が体験したかなりの部分は作品化して小説館に載せたが、書ききれなかったぶん、小説にならずに

埋もれていたぶん、枯葉のように思い出の世界に朽ち果てさせてしまうのは何故か可哀相な気がする。

そこで改めて、忘れ残りの記を書き残しておこうと思い立ったわけだが、これは華麗な性の花園に名もなく

ひっそりと咲いて散っていった女たちに送るレクイエムである。




1・処女だった踊り子 02・03・14 1・魅入られて 02・06・08

2・行かないで、お願い 02・03・20 2・キャッツ・アイ 02・06・11

3・九州よいとこ 02・03・28 3・地 鳴 り 02・06・15

4・世に出た処女作 02・04・04 4・過去の崩壊 02・06・18

5・人生いろいろ 02・04・10 5・留   園 02・06・21

6・青山機関の威力 02・04・16 6・湯川いづみの誕生 02・06・24

7・楕円のまじわり 02・04・22 7・TELSEXの由来 02・06・26

8・浅草六区を語る 02・04・28 8・淫声ギャルの素顔 02・06・30

9・俺には才能がない 02・05・04 9・三十二年目の再会 02・07・02

10・ビバ! サイン友の会 02・05・10 10・合縁奇縁 02・07・04

11・信用金庫の応接室 02・05・16 11・マゾ牝共同飼育計画 02・07・06

12・西伊豆海岸の約束 02・05・20 12・伝説のソープ嬢 02・07・10

13・羽田発台北行き 02・05・24 13・ダイヤルQ2の功罪 02・07・12

14・凶    報 02・05・30 14・Patioと銀の鈴 02・07・14

15・二つに割れた西瓜 02・06・03 15・「SM小説館」起つ 02・07・16





続・わくら葉の妖精たちよ
1931年生まれ、79歳山岸康二の10年ぶりの世迷いごと、
15年前に別れた元愛人との再会の記録。物好きな人は
どうぞご遠慮なく笑ってください。
�@  �A  �B  �C





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