読者投稿小説
by・Slave master






 淫畜市場 Lot #101・友美−(4)

 
「あーどうもどうも、いらっしゃい。すみませんね〜待ち合わせ場所までお出迎え

出来なくて…。ちょっとどうしても抜けられない打ち合わせがあってねぇ。」



 ここは木村の別荘。某山中の湖畔にあるログハウス風の建物である。



 「社長さん、今日はお忙しいところわざわざお招きいただいてありがとうございます。」



 友美はこんな謝辞を述べながら、静かな笑みを湛える美人秘書・清美に促され、

応接間に歩を進めた。



 (この秘書さん…とっても無口なんだなぁ…ちょっと、付き合いづらい人かも…)



 待ち合わせ場所のホテルからここまで、ほとんど挨拶程度しか会話を交わそうとしない

清美に対して、友美は少しばかりの警戒感と不安感を覚えていた。



 「ほんとに済まないね。こんな田舎まで来てもらっちゃって。」

 「いえいえ、こんな素敵な別荘にご招待いただくなんて…。あぁー、それにしても

きれいな湖ですね〜。」

 「そうそう、ここにはね、何にもないけど、この景色だけは最高なんだよ。

…まあ、立っててもなんだから、どうそ、そちらに掛けて。」



 木村は和室の座椅子を友美に勧め、自らも友美の真正面にドッカリと胡座をかいた。



 「どう?…正直、うちの会社、気に入ってもらえたかな?」

 「ええ、とっても。会社の中も活気がありますし、それに…」

 「…それに?」

 「…社長さんがとっても気さくな方なので、とってもホッとしました。」

 「あっはっは。それはよかった!気に入ってもらえて。…じゃあ、私の秘書として

入社してもらえるって考えていいのかな?」



 「入社してもらえる」などと言われるとは夢にも思わなかった。しかも、社長さんから…。

これまでの就職活動を思えば、本当に夢のようである。「はい!」と言いかけようとした時、

清美が静々と緑茶を運んできた。

 「ありがとうございます。」

と頭を下げ、清美の白く柔らかな横顔を見たとき、フッと例の「条件」について思い出した。



 「は、はい。…ところで、先日お話しの「条件」とは、一体…。」



 この「条件」という言葉に反応し、一瞬、木村は眼を伏せると、息を大きく一つ吐いた。



 「その「条件」をお話しするには、まず、我が社の秘書業務について説明しなければ

なりません。」



 先ほどまでの気さくな口調から一変、事務的な話し方に態度を変えた。



 「清美。こっちへ。」


 濃紺のビジネススーツを着た清美が、慎ましやかに現われた。そのスカートからのぞく

官能的な脚線を友美の網膜にちらつかせながら、木村の横に召使いの如く丁寧に座った。

 友美は、秘書をファーストネームで呼びつけることに驚きと違和感を覚えた。



 「いいかい?…先日もちょっと言ったけど、秘書っていうのは只の事務員とは訳が違うんだ。

上司が常にいい状態で仕事や生活が出来るように��あらゆる″サービスを提供しなければ

いけない。それが第一だ。」



 「は、はい。」



 ��あらゆる″という言葉に抵抗を感じながら、木村の次の言葉を待ちうけた。



 「例えば…おい、清美、茶を飲ませてくれ。」

 「はい、��ご主人様″」



 (ご、ご主人様ぁ?…何それ?)



 友美は眉をひそめ、清美の次の行動を覗った。

 清美は、木村の茶碗を茶道のお手本のように丁寧に持つと、自分の唇に一口の緑茶を

流し込んだ。

 (あれぇ?この人、社長のお茶飲んじゃった!)

 全く理解に苦しんだ友美は、更なる衝撃を受ける。

 清美は、木村の脂ぎった顔面に軽く両手を添え、清美の顔に誘導すると自らの唇を

木村のものに合わせた。



 「えっ!」



 友美は驚嘆の声を上げ、二人の戯れを凝視した。

 清美は口唇を巧みに動揺させ、木村の口腔に緑茶を流し込む。清美の唇の動きと

木村の喉仏の上下運動が同期し、清美の唇が僅かに開いた瞬間、その動きは止まった。

 清美は楚々と後方へにじりながら下がり…



 「ごちそうさまでございました。」



 …とご奉仕をさせていただいたご主人様へのお礼を述べ、丁寧に畳に伏した。



 「…と、こんなこともある。」



 木村は日本茶の香りと清美の粘膜の味に満悦しながら、再び友美に視線を

やりながら言った。



 「そ、そんな…」

 「そんなことは秘書の仕事じゃない!…って言いたいかな?」

 「…は、はい。」

 「それじゃ、まるで奴隷みたいだって…そう、言いたいのかな?」

 「…ど、奴隷!…」



 友美は、もはや冷静な判断力を失っていた。あの光景を見せ付けられた途端、

この空間がまるで牢獄のように思えてきた。



 「…こ、これが「条件」なんですか?!」

 「こういうことも、我が社の秘書の仕事ってことだよ。」

 「秘書の仕事って…何か、悪い悪戯ですよね?」



 友美は必死にあの全ての行為を否定しようと、木村の表情に視線をやった。しかし、

木村の表情は、今までの気の良い初老のオジさんのものから、ひどく冷酷な商売人の

ものに変わってしまっていることに気がついた。



 「ねっ、今の冗談ですよね?!」



 友美は同性の清美に救いの手を求めるも、ただただ、静かな笑みを浮かべ、木村の傍に

たたずむ清美の姿にやはり「奴隷」という言葉が自ずとこみ上げてきた。

 (もう、この話はなしだわ!結局、ここもスケベ親父の面接だったんだ!)

 友美の胸には、この巧妙に仕組まれた罠と、その罠にはまった自分の愚かしさへの怒りと

悔しさがこみ上げてきた。



 「もう、帰らせてもらいますっ!」



 友美はハンドバッグをしっかと握ると、すべての悪夢を振り払おうとするかのように

咄嗟に立ちあがった。



 「まだ、話は終わってないぞ!」

 「いえ、もう結構です。帰ります!」

 「親御さんも来てるぞ!」



 「親御さん」…その言葉にビクッと反応し、視線を木村に下した。



 「うちの母ですか?」

 「いや、ご両親だ。」

 「ど、どうして…」



 高校卒業後、K女子大への進学が決まった友美は、閉塞した家庭からの解放を求め、

一人暮らしをした。ただし、ギャンブル好きの母の夫が、妻の連れ子にまともな学資や

生活費を出してくれる筈が無い。

 友美は目敏く、70歳の老人をパトロンとして見つけ出し、学資や生活費の大半を

出資させていた。基本的には「愛人稼業」なのだが、すでに性的には不能の老人への

サービスといえば、むしろヴァチャルな「孫」を演じることなので、「愛人」とか「妾」といった

後ろめたさはなかった。

 そんな経済的な後ろ盾があったため、大学入学後は一度も実家には戻って

いなかったのである。

…その両親が、何故?。



 「清美、親御さんをお呼びして。」

 「はい。」



 清美は立ちあがり、隣の和室に続く襖の手前に着座すると、ゆるゆると

襖を開けていった。



 「…と、友ちゃん。」



 母が瞼を腫らせ、膝立ち姿のままで友美ににじり寄ってくる。



 「お、お母さん…どうして、ここに…」



 その後から、母の夫が友美から眼を逸らし、よろよろと木村の方に歩いてきた。



 「まあ、どうぞ、お掛け下さい。…友美君、君も座りなさい。」



 木村が全員の着席を促した。

 母の夫は木村に擦り寄るように近づき、下品に胡座をかきながら、モジモジとしている。

 母は、友美にやさしさとも憐れみとも取れぬ視線をずっと送りながら、夫の脇に座した。



 「ご主人。例の書類はお持ちいただけたのでしょうな。」

 「は、はい。…ど、どうぞ。」



 母の夫はジャンパーの内ポケットから、少し湿った茶封筒を取り出すと

木村の前に差し出した。 木村は、その茶封筒の中身を取り出すと机の上に広げ、

指で内容をなぞりながら確認すると、その書類を清美に渡し、目くばせをした。

 清美は床の間にある古民具調の引き出しから紫の袱紗を取り出して、机の下から木村の

足元に差し出した。木村は、その袱紗を取り上げると机の上で広げ、その中身を夫の前に

差し出し、言った。



 「契約書、確かにいただきました。これはお約束の物です。…」



 木村の差し出したもの…札束である。夫は木村の眼を気にしながら、その札束を手に取り、

一束ごと確認し、最期の一束を確認すると黒革製の手提げバッグに押し込みながら、

興奮した口調で言った。



 「確かに…い、一千万…。」

 「では、取引成立ですな。」



 (こ、この人達…何やってんの?)

 訳のわからぬといった様子で呆けたような表情を浮かべる友美。憐れみと屈辱に

塗れた歪んだ顔で友美を見詰める母。黒革のバッグを両手で押さえながら、

興奮した表情で落ち付かぬ態度の夫。何ら変わらぬ表情でたたずむ清美。

そして、満悦の表情を浮かべて友美一家を睥睨する木村。



 「な、なん何ですか?…これは。」



 友美は眼を見開いて、木村に尋ねた。



 「何…か。そうだな、お前にはまだ分からんだろうな。…おい、清美、契約書を

読み上げてやれ。」

 「はい。」



 清美は自分の足元に置いてある「契約書」を膝の上に持ち、視線を送った。



 「婦女売買契約書…」

 清美の透明感のある声が、その無味乾燥の文字達をスラスラと読み上げていく。



 「婦女…売買?!」


 「買取人(甲)ハ、売却人(乙)ヨリ婦女物件(丙)ヲ買取スルコトニツキ、本契約ヲ

締結スルモノナリ…」

 「婦女…物件…買取…」

 「…甲、木村靖。乙、本多康隆。丙、本多康隆長女、友美。」

 「…ちょっと、あんた達、どういうつもりなのっ!…こ、これは!…」

 「ウッ、ウアアアァァァァ…!」



 友美の悲鳴にも似た追求の声に耐えきれず、堰を切ったように感情を爆発させ、

突っ伏して泣き始めた母。



 「分からんか。お前は借金に困った親父に売り飛ばされたんだよ。一千万で。

…なあ、旦那さんよぉ。」

 「え、ええ。その通りで…」

 「こ、この…クソジジイー!…テメエ!」



 友美は母の夫に飛びつき、襟首をつかみかかった。母の泣き声が益々大きくなった。

…友美の怒号を打ち消そうとするかのように…。



 「うるせえっ!この淫売がっ!」



 その時、夫は、友美の頬を一発張り倒し、吐き捨てるように言った。



 「テメエはもう社長さんのもんなんだ!ガタガタ言うんじゃねえ。」



 友美はヘナヘナとその場にしゃがみ込み、母の泣き叫ぶ姿を見た。



 「お、おかあさん…ど、どうして…」

 「エグッ…エグッ…アアウッアアアァァァ…」

 「アアア…おかあさん…た、たすけてよぅ…おかあさん…」



 友美が母に送る哀願の声は、見る見るうちに涙声に紛れていった。二人の女は

それぞれの運命にお互いどうしようもないことを感じながら、ただただ泣きじゃくる

ことしかできなかった。…己が無力さを恨みながら…。



 「おいっ。もう行くぞ。」



 母の父がこの場からの退出を促した。さすがの鬼畜にも、この修羅場は

絶えられなかったようである。



 「旦那さん。今帰られては困るんですよ。」

 「えっ?」



 木村がこの退出を遮ったことに、夫は意外な驚きと戸惑いを表情に浮かべた。



 「売った商品には最期まで責任を持たなきゃ…。これから品質検査をやりますからな。

女衒役としては、しっかり立ち会ってもらいますよ。」

 「ひ、品質検査…」



 夫はそれが意味するものを、男として大まかに予測できた。



 「…ヒッ!」



 友美は「品質検査」という無機質な言葉に恐怖心を覚えた。

 友美の哀れな泣き声が途絶えたとき、すでに木村がその背後に構えていた。



 「さあ、友美。これからお前と過ごす最初のパーティーだ。こっちに来いっ。」

 「いっ、嫌あっ!…エグッ…や、やめてっ…いたっ、痛い!」



 木村の図太い指でムンズと捉まれたしなやかな髪。その髪を引きずられ、哀れ、

連行されてゆく友美。その後を追って、他の面子も続いた。

 別荘の二階。そこは木村が嗜好を極めた「折檻部屋」であった。

 角材で組まれた座敷牢。女体を吊り上げるチェーンロック。壁面には奴隷供を

心身共に追い詰めるために飾り並べられた数々の責め具。水責めのための

特製バスルームもある。



 友美はその座敷牢に放り投げられ、「アッヒッ!」という自虐的な悲鳴を上げて、

倒れこんだ。清美は、友美の母と、その夫を座敷牢の前に座らせた。



 「さあ、では、早速、友美のお味見をするとしようか。」

 「味見…いやっ!止めて!なんで!だめっ!」



 木村は友美のブラウスの胸元を乱暴に押し開き、柔らかなふくらみの谷間を露わにした。

 抵抗する友美を押さえこむかのように上から圧し掛かる木村。100kgを越える巨漢の

体躯に抗しきれず、ただジタバタするだけの友美。

 下半身のパンティーに穢れた手を滑り込ませ、股間の粘膜をみる木村。



 「ほお、濡れてんじゃねえか?友美ぃ。やっぱり、俺が見抜いた通りだな。」

 「そ、そんなぁ…や、やめてよぉ〜」



 悲しいかな…友美の身体は木村に肉体を受け入れる覚悟を決め、

すでに準備を始めていたのである。



 「ジタバタすんじゃねえ!」



 次の瞬間。木村の鉄拳が友美の顔面を襲った。「ウッ!」という一声で友美は意識を

半ば喪失した。



 「そうそう…始めっから、そうやって素直にすりゃあいいんだよ。テメエは!」



 木村は遠慮なく、友美の粘膜に男の肉棒を割り込ませていった。



 「ウッ!…アッ!…アウイアァ…ウゥゥ」



 うめきとも悶えとも取れぬ牝の鳴き声…。木村は友美の肉体を玩びながら、

次の妙案を考えついた。





<もどる>