畜 生 妊 婦



小説・<女優青柳由美の出産>


 

外は雪が舞っていた。

ゆったりとしたマタニティに身を包んだ由美は、胎動を感じながらゆったりとした一時を過ごしていた。

網走の北の果て、周囲10キロ四方には何もない。


東京を離れ3ヶ月がたった。ビッシリと埋まったスケジュール帳。取り囲む男たち。休みらしい休みなど

殆どなく、由美はプロダクションの言うままドラマや
CMの仕事をこなしていった。スキャンダルとは

無縁の由美だったが、その実、数え切れないほどの男と夜を伴にした。

それも仕事の一部だった。

ホステスから女優としての今の地位を獲得するまで、血の滲むような努力を重ね、やっと手に入れた

No.1女優としての名声だった。女優として脂の乗り切った頃、由美は体調の変化に気づく。

妊娠したらしい。

ホステス時代から何度となく妊娠を繰り返した由美にはすぐわかった。8度目の中絶をしたとき、

子供はもう望めないと言われたいただけに以外だったが、これが子供を産む最後のチャンスだと

思った。

由美は妊娠の事実を誰にも告げず、出産の決意を固めた。つらいつわりを風邪や二日酔いと

ごまかし、5ヶ月を過ぎ、妊婦らしく変化してくる腹部をさらしできつく縛り、7ヶ月まで

やり過ごした。締め付けた腹部が苦しかったが、耐え続けた。無理やり休業宣言をし、

一人北の大地へと逃げるようにやってきたのだ。

一人きりだったが、幸せな時間が過ぎていった。“妊娠と出産”妊婦向けの手引書を読み、

ゆったりと過ごす。時折動く腹部をさすりながら、“早く出ておいで”と呼びかける。

“はぁ〜”

急に腰の辺りを強く締め付けられるような感覚に悲鳴をあげる。

陣痛が始まった。

由美は腹部をさする。気のせいか随分張っているようだ。いよいよだ。由美は不安と興奮を抑え、

ベッドへと向かった。

“はぁっ、あああっ!”

鋭い痛みが下腹部に走る。立ち上がりかけたソファの肘掛につかまりうずくまる。しばらく陣痛が

続いた。肩で苦しげに息をする。

“はっ、はっ、はっ、あ、はぁっ”

“ひっ、ひっ、ふ、ふあっ、はぁっ”

マニュアルの通り、陣痛を逃すための呼吸をしようとするが、うまくいかない。

急に痛みが引いた。腹を抱えながら、寝室へと向かう。分娩台の隣のベッドに横になる。

妊娠に気づいてから一度も産婦人科を訪れることのなかった由美だったが、この日のために

偽名を使い、座椅子形式の分娩台を用意しておいたのだ。

再び子宮の収縮が始まった。

ううっ、ううっ、ああ〜〜〜。あああぁぁぁぁぁぁぁ。”

陣痛が続く。

“い、いたいーーー。あはぁぁぁぁぁあああああ。”

シーツをつかみ、必死に耐える。

陣痛と陣痛の合間はうそのように痛みがなくなったが、由美の陣痛は始まってからいきなり5分おきに

襲ってきた。幾度となく中絶を繰り返してきた由美の子宮はこれ以上胎児を宿しておくことは

できないとばかりに急激な収縮を繰り返した。

“いーーー、あああ、あああはぁーー、いた〜あああああああ〜”

両足を開こうとするが、マタニティが邪魔で開けない。苦痛にもがきながらもマタニティを脱ぎ捨てた。

妊婦用のストッキングと腹帯が巻かれた下半身があらわになる。張り切った乳房が大きな

妊婦用ブラジャーからはみ出している。


“はぁっ、はぁっ、ああああああぁぁぁぁぁぁぁっふあああああーーーー。ぎゃあああああ

あああああああ、あぎゃあああああーーーーー”


陣痛はますます激しくなり、下半身を砕くような激痛となって由美を襲う。

身をよじり、絶叫する。外は吹雪に変わっていた。

マタニティ雑誌に書いてある陣痛の経過とは程遠いものだった。陣痛が始まってから半日が

過ぎようとしていた。依然として激烈な痛みが続き、張り切った乳房の先でピンと勃起した

乳首からは乳白色の粘液が分泌されている。赤黒く変色した乳輪が黒光りしていた。

く、くる、く..ううぅししぃいいいいあああああああっ。ふああああああ

あああああああっ
あああああっ、ああううううっうああ

あーーーーーっ


無残に膨れ上がった腹部を抱え、目を剥いてのけぞる。

ブラジャーの留め金が外れ、肩までずり上がる。のけぞるたび、剥き出しになった乳房から

乳汁がにじみ出る。壮絶な陣痛が続く。

は、はやくっ、でっ、でてきっ……ってっ……っっっっっ

くうあああーーーーーーー
……………………


激痛にのけぞる。開いた口からは漏れ出るはずの絶叫も壮絶な陣痛に飲み込まれる。

苦悶に顔をゆがめる。

あぎゃああああぁっぁぁぁぁああああああああ、

うおおおおおおーーーーああぎゃあーーーーー


肉が引きちぎられる。汗みどろになり、かかとをふんばる。必死に股間に手をやり、子宮の拡大を

確かめようとするが、巨大な腹部が邪魔で手が届かない。


“はっ、はぁっ、はぁっ”

震える体で四つん這いになり、再びパンティの隙間から局部に手を挿入する。股間に大きな

亀裂が出来ている。子宮口が拡大しているのがわかった。

“ふぅっ、ふぅっ”

ふあああああっ、おああああああーーーーーー、あああっ、あぎゃあ

ああっ、ああっ。


子宮の収縮とともに壮絶な痛みが貫く。ベッドの背もたれにしがみつき、全身をつっぱり

咆哮をあげる。下腹部が盛り上がる。大分胎児が下がってきたようだ。


あああああああーーーーーーー、ああああああーーーーーぐふうう

うおおおおーーーー


臀部を突き出し、下腹部を抱えて前のめりに枕にうつぶす。収縮が続く。子宮口が拡大していく。

ベッドに仰向けに転がり、ストッキングとパンティを震える手でずりおろす。再び収縮が始まる。

ああっ、あぎゃああああああーーーーーー。あううううううう

ああああああっ

ストッキングとパンティを膝までずり下ろしたまま、開いた両足を抱え、のけぞり咆哮をあげる。

うおおおおおお、おううううううううっ

止むことのない激痛にのたうちまわる。

うげえええーーーーーーーーーーーーー

ベッドの端から頭をのけぞらせ、絶叫する。バランスを崩し、由美はベッドから腹を抱えたまま

床にずり落ちた。巨大にせりでた腹を打ち付け、胎内で内臓がかき回されるような

壮絶な激痛に襲われた。

うぎゃああああああーーーーー、ぎゃああああーーーーー、

あぎいいいいいいぎゃああああーーー


パンッ、ブシャッ、ジャバジャバアー

ベッドから落ちた衝撃で破水し、血液の混じった羊水が流れ落ちる。由美は止むことのない

激痛と戦いながら、分娩台ににじり登る。両足を足置きの上に置こうとするが、膝で

ひっかっかているストッキングとパンティが邪魔をして拡大できない。何とか、足を乗せるが、

足の付け根から太ももはストッキングのせいで中途半端に閉じられている。

分娩台についている取っ手をつかみ、身をよじり、悶絶する。台の前に置かれた鏡に

由美の無残な姿が映し出された。全身汗まみれになり、腹をゆすり、のけぞる。由美は

口の中にタオルを詰め込み、苦悶に顔をゆがめる。局部から赤褐色の粘液が滲み出る。

うううっ、うううっ、おうっ、おおおおっ、おおおおっ、

むおおおーーーー


以前ドラマで出産シーンを演じるため見た出産ビデオの産婦のいきみを真似し、必死に

いきもうとするが、下半身の激痛のため、うまくいかない。


ううっっ、むぐううーーーええええええーーーっっっ


はぁ、はぁっ、はっ


呻き、肩で息をする。ブシュッ。いきんだ勢いで母乳が噴出した。


うぅぅ、ううう〜


全身を痙攣させ、目を剥く。唸り声がタオルから漏れ出る。


おううっ、むぐうっ、ぐおおおおううおうおぐううーーー


巨大な腹を押し、必死に胎児を押し出そうとして唸り声を上げる。かっと目が見開かれ、

一点を見つめ、痙攣する。

おうああああああーーーーーーっ

唸りは咆哮に変わる。下腹部がさらに膨らみを増した。股間からネバネバした血液の混じった

粘液が分泌されている。


うぎゃあああああーーーーー、あああぐううおおおーーーーー

下腹部から股間が盛り上がり、ゴツゴツした何かで肉を無理矢理ねじ開けられるような激痛が

股間を貫く。ビリビリッ。ストッキングとパンティが破れ、大また開きになった由美の局部が

鏡に大きく映し出された。赤黒く醜く盛り上がり、腫れあがった局部からタラタラと粘液が

垂れ落ちている。

ふううんっ、んむうううぐううあああああっ、おおっ、おああああっ、

あぎゃああああーーーーーーー


ボタボタ、ネバネバした血液が局部から垂れる。股間はさらに盛り上がり、赤い肉が生々しく

割れ目から剥き出さられる。その奥に赤黒い塊が見え隠れする。

硬い塊が由美の肉壁を引きちぎる。

うんぐあああああああーーーーー、ぎゃあっ、ぎゃあっ、あぎゃあ

あああああーーーー


うううっ、ううっ、ううっ、ぐぶうっ

硬く張った腹部を抱えあげ、いきみの呻き声をあげる。

胎児は容赦なく肉壁をこじ開ける。

ぐぶっうあああああああああーーーーーっ

胎児の頭部が股間に見えては隠れを繰り返す。メリメリと軟骨をねじり潰されるような激痛が

股間に焼きついているようだ。

ああああああーーー、あぎゃあああああああああーーーーー

全身が痙攣する。頭部が会陰を押し開く。肉が引きちぎられる。股間が大きく盛り上がる。


ぎえええーーーーーーーーーーーっ、うぎゃあああああああーーーーー


再び股間が盛り上がり、そのまま胎児の頭部が局部に留まった。骨盤が砕けそうだ。


うんぐううううううううーーーー、むおああああああーーーっ


頭部が半分ほど出てきたかと思うと、また引っ込む。由美は退治をひり出そうと、焼け付くような

下腹部に力を入れていきむ。

ぎゃああああああああああっっーーーーーっ


ヌプリと胎児の頭が娩出され、局部に垂れ下がった。由美は朦朧としながらも、鏡に映し出された

股間の胎児を見た。


で、でてきた……..


タオルをはずし、肩で大きく息をしながら、最後のいきみのため息を整える。股間の激痛は、

頭部を排出したあとも止むことはない。


むぐうううーーーーーっ


最後の力を振り絞って必死にいきむ。だが、なかなか胴体は出てこない。


うぐうああっ、あぎゃあああああああ、ぎゃああ、

ぐおおおおおおお


股間から血飛沫があがり、ぶら下がった胎児の頭を赤く染める。会陰が裂けるのがわかった。

激痛が股間を席捲する。腹がブルブルが震え、さらに大きく股間が盛り上がり、局部の赤黒い

内壁が捲れあがった。

あああーーぎゃあああああーーーーー

由美の断末魔の咆哮が上がった。血飛沫とともに胎児の胴体がヌルリと娩出され、股間に

ぶら下がった。


“あ、あかちゃ……ん”

胎児が股間にぶら下がったまま、ブラブラとゆれている様子が鏡に映っている。

そのまま、由美は分娩台から立ち上がろうとし、転がり落ちた。

四つん這いになり、ぶら下がる胎児を掻き揚げるが、産声をあげることのない胎児は

ただの赤黒い肉塊と化していた。


由美が胎児をギュッと抱きしめると、下腹部に鈍痛が起こった。

“うぐっ、くっ、ううっ”

と胎盤が排出された。バシャシャッ、続いておびただしい出血が起こる。

“ううっ”

由美は這うようにベッドに進んだ。動くたびに股間から出血がおこる。由美の這った後には

真っ赤な血の跡が続いた。

片腕に冷たくなりかけた胎児を抱いたまま、ベッドに倒れこむ。股間からの大量の出血のため、

意識が遠のく。


その後、冷たくなった2人の遺体が発見され、女性誌はこぞって由美の出産を取り上げた。


“青柳由美、出産逃避行。最北での壮絶分娩”


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