小説・<女優青柳由美の出産>
外は雪が舞っていた。 一人きりだったが、幸せな時間が過ぎていった。“妊娠と出産”妊婦向けの手引書を読み、 ゆったりと過ごす。時折動く腹部をさすりながら、“早く出ておいで”と呼びかける。 “はぁ〜” 急に腰の辺りを強く締め付けられるような感覚に悲鳴をあげる。 由美は腹部をさする。気のせいか随分張っているようだ。いよいよだ。由美は不安と興奮を抑え、 “はぁっ、あああっ!” 鋭い痛みが下腹部に走る。立ち上がりかけたソファの肘掛につかまりうずくまる。しばらく陣痛が “はっ、はっ、はっ、あ、はぁっ” “ひっ、ひっ、ふ、ふあっ、はぁっ” マニュアルの通り、陣痛を逃すための呼吸をしようとするが、うまくいかない。 急に痛みが引いた。腹を抱えながら、寝室へと向かう。分娩台の隣のベッドに横になる。 再び子宮の収縮が始まった。 “ううっ、ううっ、ああ〜〜〜。あああぁぁぁぁぁぁぁ。” 陣痛が続く。 “い、いたいーーー。あはぁぁぁぁぁあああああ。” シーツをつかみ、必死に耐える。 陣痛と陣痛の合間はうそのように痛みがなくなったが、由美の陣痛は始まってからいきなり5分おきに “いーーー、あああ、あああはぁーー、いた〜あああああああ〜” 両足を開こうとするが、マタニティが邪魔で開けない。苦痛にもがきながらもマタニティを脱ぎ捨てた。 “はぁっ、はぁっ、ああああああぁぁぁぁぁぁぁっ、ふあああああーーーー。ぎゃあああああ 陣痛はますます激しくなり、下半身を砕くような激痛となって由美を襲う。 身をよじり、絶叫する。外は吹雪に変わっていた。 マタニティ雑誌に書いてある陣痛の経過とは程遠いものだった。陣痛が始まってから半日が “く、くる、く…..ううぅししぃいいいいあああああああっ。ふあああああああ 無残に膨れ上がった腹部を抱え、目を剥いてのけぞる。 ブラジャーの留め金が外れ、肩までずり上がる。のけぞるたび、剥き出しになった乳房から “は、はやくっ、でっ、でてきっ……ってっ……っっっっっ 激痛にのけぞる。開いた口からは漏れ出るはずの絶叫も壮絶な陣痛に飲み込まれる。 “あぎゃああああぁっぁぁぁぁああああああああ、 肉が引きちぎられる。汗みどろになり、かかとをふんばる。必死に股間に手をやり、子宮の拡大を “はっ、はぁっ、はぁっ” 震える体で四つん這いになり、再びパンティの隙間から局部に手を挿入する。股間に大きな “ふぅっ、ふぅっ” “ふあああああっ、おああああああーーーーーー、あああっ、あぎゃあ 子宮の収縮とともに壮絶な痛みが貫く。ベッドの背もたれにしがみつき、全身をつっぱり “あああああああーーーーーーー、ああああああーーーーーぐふうう 臀部を突き出し、下腹部を抱えて前のめりに枕にうつぶす。収縮が続く。子宮口が拡大していく。 “ああっ、あぎゃああああああーーーーーー。あううううううう ストッキングとパンティを膝までずり下ろしたまま、開いた両足を抱え、のけぞり咆哮をあげる。 “うおおおおおお、おううううううううっ” 止むことのない激痛にのたうちまわる。 “うげえええーーーーーーーーーーーーー” ベッドの端から頭をのけぞらせ、絶叫する。バランスを崩し、由美はベッドから腹を抱えたまま “うぎゃああああああーーーーー、ぎゃああああーーーーー、 パンッ、ブシャッ、ジャバジャバアー ベッドから落ちた衝撃で破水し、血液の混じった羊水が流れ落ちる。由美は止むことのない “うううっ、うううっ、おうっ、おおおおっ、おおおおっ、 以前ドラマで出産シーンを演じるため見た出産ビデオの産婦のいきみを真似し、必死に “ううっっ、むぐううーーーええええええーーーっっっ”
“おうああああああーーーーーーっ” 唸りは咆哮に変わる。下腹部がさらに膨らみを増した。股間からネバネバした血液の混じった “うぎゃあああああーーーーー、あああぐううおおおーーーーー” 下腹部から股間が盛り上がり、ゴツゴツした何かで肉を無理矢理ねじ開けられるような激痛が “ふううんっ、んむうううぐううあああああっ、おおっ、おああああっ、 ボタボタ、ネバネバした血液が局部から垂れる。股間はさらに盛り上がり、赤い肉が生々しく 硬い塊が由美の肉壁を引きちぎる。 “うんぐあああああああーーーーー、ぎゃあっ、ぎゃあっ、あぎゃあ “うううっ、ううっ、ううっ、ぐぶうっ” 硬く張った腹部を抱えあげ、いきみの呻き声をあげる。 胎児は容赦なく肉壁をこじ開ける。 “ぐぶっ、うあああああああああーーーーーっ” 胎児の頭部が股間に見えては隠れを繰り返す。メリメリと軟骨をねじり潰されるような激痛が “ああああああーーー、あぎゃあああああああああーーーーー” 全身が痙攣する。頭部が会陰を押し開く。肉が引きちぎられる。股間が大きく盛り上がる。
“ぎゃああああああああああっっーーーーーっ”
で、でてきた……..。 タオルをはずし、肩で大きく息をしながら、最後のいきみのため息を整える。股間の激痛は、
“あああーーぎゃあああああーーーーー” 由美の断末魔の咆哮が上がった。血飛沫とともに胎児の胴体がヌルリと娩出され、股間に “あ、あかちゃ……ん” 胎児が股間にぶら下がったまま、ブラブラとゆれている様子が鏡に映っている。 そのまま、由美は分娩台から立ち上がろうとし、転がり落ちた。 四つん這いになり、ぶら下がる胎児を掻き揚げるが、産声をあげることのない胎児は 由美が胎児をギュッと抱きしめると、下腹部に鈍痛が起こった。 “うぐっ、くっ、ううっ” と胎盤が排出された。バシャシャッ、続いておびただしい出血が起こる。 “ううっ” 由美は這うようにベッドに進んだ。動くたびに股間から出血がおこる。由美の這った後には 片腕に冷たくなりかけた胎児を抱いたまま、ベッドに倒れこむ。股間からの大量の出血のため、
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