(3)



      

 インターホンを押すと、内側からドアが開いて、宗彦がズボンから

半立ちになった男根を露出して立っていた。

「舐めろ」

 いきなりドアの前に膝をついて、身体を表に晒したままカチカチになるまで

しゃぶった。靴脱ぎのところで服を脱がされて素っ裸になると、腕を上げて

腋の下の疎らな毛を調べながら、宗彦がさりげなく聞いた。

「さっき電話に出たのは誰だ」

「あ、妹です」

「幾つだい?」

「16才です。来年大学を受けるんで、一緒に住んでるものですから…」

「それじゃ、今度は二人でヤレるな」

 そのときは、意味が良く分からなかった。

 宗彦の脚の間にうずくまって舐めはじめたのは、それからである。

 聖子を犯らせろと言われたとき、美帆はとても無理だと思った。潔癖で

受験勉強に熱中している聖子が承知する筈もなかった。

 それきり妹の話は出なかったが、何となく胸に引っかかる気持で部屋に

戻ると、聖子はまだ勉強していた。

 来年は大学受験の高校二年生、化粧はしていないが、美帆よりも

派手なアイドル系の顔立ちで、性格もはっきりしている。

 なるべく視線を合わせないようにして、美帆はすぐにシャワーを浴びた。

べっとりと汚れたパンティはその場でモミ洗いした。

 親が借りてくれたマンションは2DKで、部屋は妹と一つづつ、身体についた

鞭の痕を見られないですむのが何よりの救いである。結局、聖子には

何も言い出せないまま時間だけが過ぎていった。

 それから、美帆はもう一ヶ月近く宗彦に逢っていない。

 電話は何回も掛けてみたのだったが、いつも仕事だといって断られて

しまった。その度に不安がつのり、美帆は身体の芯がうずくような気がした。

 会社での仕事も手につかなかった。日出子の態度も妙によそよそしい。

お互いに宗彦の話をするのはタブーなのである。

 その日はちょうど水曜日で、聖子は学校から直接学習塾にまわるので

帰りが遅い。とにかく逢いたい一心で美帆は思い切って会社からまた

電話をかけた。

「モシモシ」

 いつもなら部屋にはいない時間だったが、思いがけなく電話口に

宗彦の声が聞こえた。

「あっ、私です…」

「何の用だ?」

 美帆とわかって、宗彦はぶっきらぼうに言った。

 素早くあたりを見まわす。日出子は生理休暇とかで朝から会社を休んで

いたし、近くに聞いているものもなかった。

「あの私、今からそちらに行っちゃいけないかしら」

「ちぇっ、俺はせっかくの休みなんだぜ」

 宗彦は露骨に不機嫌そうな声を出した。

「お願い、もうひと月も逢ってないから…」

 しばらく黙っていたが、宗彦は、ふと気持を変えたようだ。

「てめえ、そんなにヤリてえのか」

「えッ、はい…」

「オモチャにされても文句はねえんだな」

「は、はい…」

「よし、ジャスト8時に来い」

 美帆は、眼の前にパッと虹の橋がかかったような気がした。

 会社が終わると、すぐ部屋に戻ってあわただしくシャワーを浴び、

下着を替えた。

 鏡に写すと、鞭の痕はもうすっかり消えている。二の腕の肌が、

白い蛇のようになめらかだった。乳房も胸の筋肉からはっきりと

区別できるほど固く盛り上がっている。

 このあたり一面にまた青黒い噛み跡や鞭のミミズ腫れが残るのかと

思うと、美帆は自分の身体が愛しくて、一種のナルシズムに似た

ウットリとした気持になった。

 クリトリスが、もう僅かなヌメリを吐いて膨らみはじめている。

 美帆は、大急ぎでテーブルに一人分の食事を用意すると部屋を出た。

聖子と顔を合わせて、また皮肉を言われないだけ助かった。

 約束の時間より早く宗彦のマンションに着いて、チャイムを押すと

中から全く予期していなかった別の女の声が聞こえた。

「どなた…?」

「あ、あの…」

 ギョッとして立ちすくんでいると、ドアが開いて、顔を出したのは

ニューハーフのケン坊である。



    五、淫楽パーティ


「アーラ、いらっしゃい」

 上り口に、女の靴が何足も脱ぎ散らされていた。尻込みするのを

嫌おうなしに、ケン坊に手首を握られてなかに入る。

「お見えになったわョ」

 背中を押されて、美帆は部屋の入り口でまた棒立ちになった。

 ベッドの上で、生理休暇だった筈の日出子が、バツが悪そうに

両手で顔を覆っている。素っ裸で拡げた股の間から、宗彦がゆっくりと

身体を起こした。

「来たか、それじゃ交代だ」

「いやもっとやって…」

「うるせえ!」

 日出子を押しのけると、宗彦はベッドの端に腰掛けて美帆を呼んだ。

「こっちに来て、しゃぶれ」

 催眠術にかかったように、美帆は二・三歩ベッドのほうに寄った。

「ケン坊、洋服を脱がしてやれ」

「あっごめんなさい、気がつかなくて…」

 ケン坊が、後ろから着替えてきたばかりのスーツを脱がせにかかる。

「いいお乳してるのね、うらやましいワ」

 たちまち、小型だが色の濃い陰毛がムキ出しになった。

「まァ、可愛いワレメちゃん…」

 ケン坊につき添われて、美帆はフラフラと宗彦の前に膝をついた。

 日出子の穴の中でタップリと淫汁を吸って膨らんだ肉塊が斜めに上を

向いている。顔を寄せると、プンと女の性臭が鼻をついた。

 淫汁にまみれた男根を握って、虚ろな眼であたりを見まわす。だが逃げ道は

どこにもなかった。とたんにクリトリスがズキンと脈を打った。勃起して

むくむくと割れ目の肉を押し上げてくるのがわかる。

「ああぅ…」

 美帆は、夢中で肉塊を口の中に入れた。

 日出子の快楽の残り汁を舐めさせられるのは苦痛だったが、屈辱の中に、

痺れるような蕩酔があった。

「ちんぼを離すんじゃねえぞ」

 宗彦が念を押すように言った。

 もう誰に見られるのも同じだった。淫汁が溜まった亀頭の溝を、舌で汚れを

拭い取るようにしごく。

「おい、あいつを連れてこい」

 しばらく舐めさせておいて、宗彦が思い出したように言った。

「えッ、いいの…?」

 日出子がちょっと心配そうな顔をみせる。

「いいから、はやく呼んでやれ」

「はい」

 美帆を横眼で見て、日出子がそそくさとバスルームに消えた。

そこに何があるのか、美帆は想像することも出来なかった。

「いらっしゃいよ。何でもないわよ」

 日出子の猫撫で声が聞こえる。

「ほら見てごらんなさい。ビデオのとうりでしょ?」

 誰かいる…、美帆はうずくまったまま、不自由な視線を上げた。

「ウググゥ…ッ」

 さほど広くない部屋の隅に、全裸の少女が瞬きもせず

美帆を見つめて立っていた。

「セッ聖子…ッ」

 跳ね起きようとするのを、ケン坊があわてて抑さえつける。

 美帆は、顔を真っ赤にしてもがいた。

 以前ビデオを見ているので、ケン坊と日出子がこの部屋にいたことは

それほど驚かなかった。だが、学習塾に行っている筈の聖子が

どうしてここにいるのか…。

「塾に通うばっかりが勉強じゃねえんだぜ」

 宗彦が笑いながら言った。

「女としての勉強は、こういうところでするもんだ」

 手引きをしたとすれば、やはり日出子である。

「抱いてもらいなさいよ、気持快いわよ」

 うながされて、聖子は少しよろけるような足どりでベッドの横に来た。

「お姉ちゃん、そんなに気持良い?」

 無残な姉の姿を見下ろしながら、聖子が冷えきった調子で言った。

「聖子ッ、な、何してたの…ッ」

「騒ぐんじゃねえ!」

 立ち上がろうとしたところを、ケン坊がドスの利いた男言葉で後ろから

羽掻い締めにする。美帆は大股びらきで尻餅をついた恰好になった。

ニューハーフといってもやはり男の力である。

「離してェ…、ヒィッ」

「そんなに心配することはねえよ」

 聖子の腕を掴んでたぐり寄せながら、宗彦はこともなげに言った。

「こいつは、とっくにバージンじゃなかったんだぜ。なあ、そうだろう?」

 聖子が能面のような顔でうなずく。

「男も知ってるし、毎晩オナニーもしていたんだってよ。姉妹のくせに、

そのくらいのこと気がつかなかったのか」

 美帆は尻餅をついたまま、呆然と妹の裸体を見上げた。

「嘘だと思ったらハメて見せてやろうか?」

「ワ、ワ、私を犯って…」

「お前はあとまわしだ」

 冷たく言って、横抱きにした聖子を膝の上に乗せる。

「見ろよ、良いお道具だぜ」

 脚を拡げると、真ん中にクッキリと縦の線が刻まれて、フワッとした

陰毛の奥に淡紅色の肉ビラがわずかに口を開けていた。

「嫌ッ、お姉ちゃんに見せたくない」

「よしよし」

 少女をベッドに寝かすと、宗彦はおり重なって片手でテレビの

リモコンを押した。

「続きを見せてやろう。姉ちゃんがイクところだったからな」

 画面がパッと明るくなって、浮かび上がったのは、ベッドに立ち上がって

膝を曲げ手首を股に突っ込んでいる美帆自身である。

「あ、あっ、あっ…」

 美帆は信じられない叫び声を上げた。

 どこで写されていたのか…?

 それは間違いなく、あの日オナニーさせられて狂いまわった姿の

再現であった。

「カメラは、いつもあそこにセットしてあるんだ。いいところが写ってるぜ」

 見ると壁の隅にカーテンでカモフラージュされたレンズの眼が

じッとこちらを凝視している。これが動かない映像の秘密だった。

「と、とめてェ…ッ」

「あわてるな、これからがクライマックスじゃねえか」

 少女の脚を拡げながら、宗彦が言った。

「お姉ちゃんみたいにされるのは嫌ッ」

 聖子が甲高い声で言った。

「もっと、気持ち良くやってェ」

「わかってるよ」

 蟹のように拡げた脚の真ん中に男根を当てると、宗彦はさっきから

もう一台のカメラで姉妹を撮影していた日出子をふり返つた。

「おい、クローズアップを撮れ」

 日出子があわてて聖子の前に寄る。

 少女の腰を抱えて、宗彦がゆっくりと身体を沈めると、両側の肉唇が

何かを頬張ったように膨らんで、まだ幼い陰裂が苦もなく赤黒い筋肉の

塊りを呑みこんでいった。

「いいわね、素敵よォ」

 ケン坊が感動してタメ息をついた。

 聖子は僅かに眉をひそめて、それでも黙ってビデオの画面を見つめている。

「痛えか…?」

「ウウン、大丈夫…」

 少女が、下から小さな尻ををゆすった。

 たまりかねたように、ケン坊が日出子を抱えて毛深いはざまに顔を埋める。

「いやァッ、この人何すんのよゥ」 カメラを放り出して、日出子が

ケン坊の親指ほどのクリちゃんにしゃぶりついた。

「立たないくせにィ、エッチィ…」

 画面では、美帆が歯を喰いしばって快感とたたかっていた。鞭の音と

悲鳴が交錯して、乳房が喘ぎ腰がグラグラと前後に揺れる。

「ああ、快いッ」

 聖子が、小さな叫び声を上げた。まだあまり馴れた動きではないが、

ハッハッと息を弾ませている。

「よし、姉ちゃんにウンと気持ちが良くなるところを見せてやれ」

 少女の身体を二ツ折りにすると、宗彦が丸い尻を美帆の正面に向けた。

「見ろよ。ちゃんと入ってるだろ?」

 薄い栗色の裂け目に、濡れ光った太いやつがまともに根もとまで

突き刺さっている。

「やめてえッ」

 美帆が二人の腰にすがって、つながっている男根を引き抜こうとした。

「わ、私の中に出してッ」

「いやァ、姉ちゃんをどかしてよゥッ」

 聖子が男の背中にしがみついて、泣き声を上げた。

「邪魔だ、そっちでオナニーでもしてろ!」

 突き飛ばされて、よろめいた拍子にガツンとテレビにぶつかる。

 そのとたん…

「ギャァッ、い、いくゥ」

 激しい鞭の音がして、もうひとりの美帆が崩れるように画面から消えた。

 聖子が脚を男の身体に巻きつけて、エビのように跳ねる。

「ハッ、ハァァァ…ッ」

 その様子を、美帆は痴呆のように眺めていた。

「お、お願いよゥ、私にもやって…ェ」

 もうクリトリスがはじけそう。

 美帆は、またヨロヨロとベッドに近づいていった。




<もどる>