15才の変態少女








   一、犯した母親

 そんなある日、ちょっと変った手紙がとどいた。

 娘をぜひ働かせてほしいという母親からの依頼で、差出人を見ると

豊島区椎名町、有名な帝銀事件のあったところだった。

 変態クラブと知ってかどうか、広告を見て娘を働かせようというのは珍しい。

とにかく会ってみようと思って、宛先の平和荘というアパートを訪ねた。

 そこは粗末なバラックアパートで、せまい通路をはさんでハモニカ式に

いくつも部屋がならんでいる。名札を見て、奥から二つ目のドアを叩くと、

顔だちは悪くないが、三十才を過ぎた痩せた女が顔を出した。

 なかに入ると、扉の横に小さな炊事場があって、その奥が六帖ひと間。

押入れに入り切れないのか、部屋の隅に垢じみた布団が積み上げてある。

「わざわざ済みません。こんな汚いところに来てもらって…」

 貧乏を見られることが恥ずかしいのか、女はうつむきがちに言った。

「気にしなくても良いですよ」

 事情を聞くと、一刻も早く返さなければならない借金があるので、何とか

お願いしたいのだという。

「あんたのお嬢さんかい?」

「はい」

「年は、幾つなのさ」

「十五才ですけど、駄目でしようか…」

 女は、不安そうに言った。

「本人は、納得しているのか」

「やっても良いとは言ってるんですけど…」

「もう男を知っているのか?」

「さあ…」

「変態の相手をするんだぜ。お母さん、それでも良いのかい」

 ギョッとして、女は一度顔を上げた。それからまた暫く考えてから、小さな

かすれた声で言った。

「それは…、よほど酷いことをされるんでしようか」

「大したことはないさ。まあ、縛られたり、おまんこ舐められたりとか…」

 わざと残酷に言うと、女はいっそううなだれてしまった。

「ま、出来るかどうかは、とにかく会ってからだな」


「お願いします。もうすぐ学校から帰ってきますから…」

 指が小刻みに震えている。そのとき、ふと別の考えが浮かんだ。

「あんたは、幾つなんだい」

「三十五才です」

「だったら、子供に稼がせるより自分でやったほうが、早いんじゃないの?」

「私、駄目なんです。身体に傷があって…」

 やるとすれば、こっちのほうがよほどマゾっぽい感じだと思ったのだが、

女は、うつむいたまま首を振った。

「それじゃ、ちょっとお母さんのおっぱいを見せてよ」

「えっ」

「傷なんか気にすることはねえ。あんたならまだ十分男にも通用すると

思うんだけどね」

「でもあの、子供が帰ってきますから…」

「大丈夫だ。見るだけだからよ」

 いきなり手を伸ばして襟元を掴むと、ブラウスのボタンがひとつ、

千切れて飛んだ。

「やめて…!」

 後ずさりする女を追って、強引に胸を開ける。あまり厚みのない

ふくらみに、乳暈の大きな濃い色の乳首がくっきりと見えた。

「どこにも傷なんかねえよ」

「違います。そんなところじゃないの」

「もっと奥か…?」

「駄目ッ」

 もがくのを布団に押しつけて、有無を言わさずスカートを剥ぎにかかる。

「文句を言うんじゃねえ。自分の子が男に抱かれるよりは良いだろう?」

 その言葉で、女は急におとなしくなった。

 立ったまま下半身をむき出しにすると、臍の真下から毛の生え際にかけて、

帝王切開の深い傷痕が残っている。これがなかったら、とっくに客を取って

もっと楽な暮らしをしていたのかもしれない。

「なるほど、ちょっとひどいな」

「ゆるして、もう…」

 女は泣き声になっている。かまわず割れ目に指を入れると、内側が

ジットリと湿っていた。

「娘で儲けるんだからよ。お母さんだって、これくらいの覚悟はしろよな。

大人なんだからよ」

 理屈にもならない理屈だったが、固くなった男根を握って腹の傷痕に

突きつけると、見るも惨めな顔で、女は少し股を拡げた。

 下手に騒ぐと、このアパートは隣近所に声が筒抜けなのである。

「もう助けて下さい、お願いだから…」

 哀願する女を下から突きあげるようにして射精するまで、ほんの五分

足らずの出来ごとであった。

 ドアが開いて、娘が学校から戻ってきたとき、女はまだ内股に垂れてくる

精液をタオルで拭いているところだった。飛び上がるようにして

布団のかげに隠れた母親を見て、娘はぼう然としている。

 これが、稲垣皇子とのはじめての出会いだった。



   二、母娘マゾの調教


 母親の名前は稲垣久代、犯されている現場を見なかったせいか、

皇子は思ったより動揺していなかった。

「働きたいんだって?」

 異様な雰囲気を察して、オズオズと部屋に入ってきた皇子を座らせて、

私はわざと怖い顔で言った。

「お前、男とやったことあるのか?」

「少しは…」

 ようやく新聞広告の話だとわかって、皇子は、チラチラと母親を盗み

見ながら頷く。

 あとで聞いたことだが、知らない大学生に犯されたり、池袋で声を

かけられたりして、穴はもうすっかり広がっていたのだった。話を聞いた時は

まだ子供かと思っていたが、これなら、十分に使えそうである。

「変態になってみたいか」

「わかんない」

「おまんこされるのは、平気なんだろ?」

「ええ…」

「じゃ、やってみるか。男の玩具になるんだぞ。いいな?」

 久代を見ると、ようやくスカートを穿きなおして、両膝を揃えて

正座していた。まだ今のショックが抜けないらしく、虚ろな眼で

娘を見つめている。

「良い子じゃないか。これなら、仕込めばものになりそうだ」

「そうでしようか…」

「稼がせてやるよ。とにかく裸にしてみろ」

「え、皇子もですか…?」

「当たり前だ。玩具になると言ったんだろ」

 久代はためらったが、促すと皇子は自分からセーターを脱いだ。

母親が痩せて病弱そうなのにくらべて、15才にしてはタップリと膨らんだ

乳房を持っている。幼いながら淫毛もしっかりと生え揃っていた。

 持ってきたカメラを出すと、久代が小さな声で言った。

「お願いですから、この子には手を出さないでくださいね」

「わかったよ」

 正直なところ、久代の眼の前で犯したらどんなに面白いだろうと

思ったのだが、射精した直後だったし、結局その日は何もしないまま

アパートを出た。

 次の土曜日、皇子は約束のとうりやってきた。まもなく新制中学を

卒業するので、それまでは土・日だけの調教である。

 ラーメンが一杯40円だったころ、ギャラは一日六百円、会員とプレイを

すれば、その分割増しがつく。この母娘にとっては、破格の収入であった。

 さっそくズロースを穿かせたまま縛って見たが、本人が一生懸命に

やっているわりには固くてサマにならない。とても客の前に出せるような

状態ではなかった。

「これじゃ駄目だ。馴らしてやるから布団を敷きな」

 手を出さないで…、と言った久代の声が耳に残っていたが、そんなことは

問題ではなかった。犯されるために自分で布団を敷いている少女を

見ているうちに、むらむらと嗜虐的な興奮がたかまってくる。

「そこに寝て脚を開け」

 若い皮下脂肪でパンパンに張った太腿を抱えて、横から腰を入れると、

ヌルリとした感触があって、簡単に根元までくわえ込んだ。

「痛いか?」

「いいえ…」

 挿入したままクリトリスを摘んで指先で捏ねると、自然にピクピクと跳ねる。

「あ、くすぐったい…」

 淫液は出ているのだが、まだ本当の快感を知らないのである。

「男とは、どのくらいやった?」

「五人…、くらいです」

「気持ち良くならなかったのか」

「よくわかんない」

 腰を動かしながら話していると、すぐに多量の淫液が滲み出してきて、

グシュグシュと卑猥な音を立てる。皇子は、時々せつなそうに息を吐いた。

「お母さんのも、良いおまんこだったよ」

「ほんと…?」

「こんど、お母さんとやってるところを見せてやろうか?」

「………」

「お前だって、これからはいろいろな男に抱かれるんだ。それくらいの

経験はしておいたほうが良い」

「はい」

「気持ちよくなるように仕込んでやるから、良いマゾになれよ」

「あゥ…」

 そのとき、皇子が急にのけぞるよう感じで全身を硬直させた。

「な、何だかヘン…」

「ほら、イキかけているんだ。ぎゅっと締めて見ろ」

 鷲掴みにした乳房を揺すりながら思い切り奥を突いてやると、皇子は

いきなり脚を宙に伸ばして、ブルブルと痙攣させた。

「く、く、くッくッ…」

「まだまだ、もっと力を入れて!」

「アウッ、グウゥ…ッ」

 5分程たって、膨らんだ肉の間から男根を抜くと、皇子は口を半分開けて

放心したようになっていた。

「よし、その顔をお客さんに見てもらうことを忘れるな」

 こうやって、ひとつひとつ身体に覚えさせていく。

 一度イカされると、催眠術にかかったように、皇子は何の抵抗もなく

股を開くようになった。お前は変態だ、男の玩具だと言われ続けているうちに、

本当にメス犬のような心理状態になってしまうのである。

 自分から割れ目をさらけ出すことが出来るようになると、今度はそれを

いろいろな方法で弄ぶことを教えた。



   三、15才の変態少女デビュー


 稲垣皇子に門田奈子、志摩喬子を加えた三人プレイを計画したのは、

それから一ケ月程経ってからのことであった。

 スポンサーはある中小企業の工場主、料金は食事代・旅館代を別にして、

赤線泊り料金の約3倍である。それでもマゾの男は大喜びで話に乗ってきた。

 場所は東横線綱島、そのころは綱島温泉という駅名で、待合風の旅館が

何軒もあった。

 初めてなので、かなり緊張していた様子だったが、淫乱な門田奈子、

変態の志摩喬子のリードで、皇子はどうやら無事にデビューを飾ることができた。

 はじめは女三人の変態ごっこ、それから男も参加しての乱痴気プレイ…。

 反響はたちまちあって、二回目はそれから一週間後の日曜日。今度は

門田奈子とのコンビで、某芸能人が相手だった。このころになると皇子も

すっかり馴れて、終わったあと、男が完全に駄目になるまで面白がって

交代でズボズボとハメた。

 ブルセラは、今でこそそれほど珍しくないが、15才の変態娘は当時では

貴重品で、申込みが殺到して、三ケ月もしないうちに投資したギャラは

何なく元を取ってしまった。

 母親の久代とも、もう一度やってみたいと思ったのだが、奈子と喬子が

私の周囲にまつわりついていて思うようにいかない。椎名町まで行く機会も

なくて、結局うやむやになってしまった。

 やがて、赤線の灯も消える…。

 皇太子と美智子妃のご成婚が発表されるのは、それからまだ二年後の

ことであった。





(完)