ダブルマゾ母娘関係
一、皇子の青春
稲垣皇子が、変態クラブ『芸苑社』で働くようになってから、早くも
六ケ月が過ぎた。
誕生日がくれば、まもなく16才である。
中学三年のとき、母親の借金を返すためにこの世界に入って、
当時15才の変態少女として評判になった。おかげで借金も返済して、
いまでは芸苑社のペットのような生活を送っている。
そろそろ母親のところに帰してやっても良いのだが、ロリータ好みの
客からの申し込みが絶えないのと、本人が帰りたいそぶりを見せないのとで、
ズルズルとそのままになっていた。
だがこれには、人に言えない淫靡ないきさつがあった。
母親の久代から、娘を働かせて貰えないだろうかという相談の手紙が
舞い込んできたのは、その少し前…。
電話は申し込んでから三ケ月もかかる時代で、連絡はすべて手紙か
直接の面談である。
アパートを訪ねてみると、出てきたのは顔立ちは悪くないが、痩せて今にも
折れそうな感じの女だった。
「すみません、こんな汚いところに…」
貧乏を見られるのが辛いのか、久代は伏し眼がちに頭を下げた。
事情を聞くと、どうしても返さなければならない借金があるので、
何とかまとまった金を作りたいのだという。
「うちは変態クラブだぜ。お母さん、それでも良いのかよ」
よほどそし迫った事情があったのだろう。スカートの裾をつかんだ指先が、
小刻みに震えていた。
少年法や児童福祉法はあっても、そんなものには構っていられない。
敗戦直後の大都会の裏で生きるには、こうしたケースは決して珍しくなかった
のである。
ヨレたブラウスの下に、厚みのない乳房が透けていた。見ていると、
こちらのほうがよほどマゾっぽい感じだ。
「お母さん、あんたは幾つなんだい?」
見兼ねて、私は助け舟を出した。
「35才です」
「だったら自分でやってみたらどうだ。あんたなら、男にもまだ通用すると
思うんだけどね」
「いえ、私、身体に傷があって…」
「ちょっと見せてみな」
「アッ許して…、くださいッ」
逃れようとするのをかまわず布団に押さえつけて、胸をひらく。
「やめてェッ」
ズロースを下げると、ちょうど臍の下から毛の生え際にかけて、ムカデが
這ったような帝王切開の傷痕が残っていた。
「なるほど、ちょっとひどいな」
これさえなかったら、とっくに客を取ってもっと楽な暮しをしていたのかもしれない。
「もったいねえ。良い身体なのによ」
陰裂に指を突っ込むと、湿り気の少ない肉のヒダが幾重にも重なっている。
身をもがきながら、久代は咽喉で押し殺したような悲鳴を上げた。
「騒ぐな。恥ずかしいことになるぜ」
たしかに、このアパートは音が隣の部屋に筒抜けなのである。
「子供に稼がせるんじゃねえか、お母さん、これくらいのことは辛抱しろよな」
傷痕に怒張した奴を突きつけると、久代は世にも惨めな顔でわずかに
脚を拡げた。
「うぐっ、ううむ…」
ふってわいたような凌辱だが、このスリルはたまらなかった。
「も、もう…、カンニンしてください」
久代は哀願したが、実際には射精するまで5分とはかからなかった筈だ。
皇子が学校から帰ってきたのはその直後である。
異様な雰囲気を察して、少女は手にカバンを提げたまま呆然としている。
現場を見られなかったことが、せめてもの救いだった。
「お前、皇子か…?」
「………」
立ちすくんだまま無言でうなずく。
「いいから入ってこい。大切な話だ」
15才というので、まだ子供かと思っていたが、久代にくらべるとずっと
健康そうな丸い身体をしていた。はじめ部屋に知らない男がいるので
驚いた様子だったが、仕事のことだとわかって少し安心したようであった。
「母ちゃんは働かせたいというんだが、それでも良いのかい」
「ウン…」
「セックスするのは、嫌じゃねえんだな?」
チラチラと母親のほうを盗み見ながら、皇子はかすかに首を縦に振った。
話をしてみると案外使えそうなところのある娘である。
「いい子じゃねえか…」
振り向くと、久代は声も出ない。
あとでわかったことだが、そのとき皇子はもう処女を失っていた。近所の大学生に
犯られたとかで、早熟だが、まだイクことも知らない小娘だったのである。
結局、20万円の前借金を渡して引き取ることにしたのだったが、いまの金額に
すれば、およそ3百万くらいか…。
事務所に連れ戻って、私はその夜から徹底的にイクことを教えた。
「今日から変態になるんだ。教えてやるから嫌がるんじゃねえぞ」
「ハイ」
組み敷いて、容赦なく腰を抱える。
「あうゥッ」
「どうだ、痛くねえだろう」
「へ、平気…」
あのとき母親が犯されたことは、おぼろげながら察しているのだが、皇子は、
不思議に抵抗しなかった。
思いがけなく、それから10分もしないうちに、少女は突然歯を食いしばって
全身に力を入れた。
「あ、あ、何だかヘン…」
「穴を締めろ! もうイキかけてるんだ」
「くうッ、くッ…」
爪先がブルブルと震えている。
「よし、いいマゾになるぜ」
お前はマゾだ、変態だと言われ続けているうちに、いつのまにか自然に
その気にさせられてしまう。一種のマインドコントロールである。
ためしに、翌日から門田奈子、志摩喬子といったベテランと組ませてみると、
初めての男を相手にしてズボズボとハメる。これが評判にならない筈がなかった。
みるみるうちに、皇子は小娘と思えないほど性欲の強い女に変貌していった。
短い間に借金を返済して、今ではいくらかの貯金もできるようになっている。
「お前、母ちゃんのところに帰りたくねえのか?」
その日、珍しく二人きりになったとき、さりげなく声をかけると、皇子は
びっくりしたように顔を上げた。
「えっ、ううん」
あわてて首を振って、以前よりひとまわり大きくなった乳房をすり寄せてくる。
「こっちの方がいい。ホントです」
「お前、一生マゾで暮らしたいのかよ」
「だって、先生がいるもん」
皇子は、はにかんだように笑った。
「アパートに帰ったらもう来られないし、わたし遊ぶの好きだから…」
「てめえ、ここに遊びにきてるつもりか」
乳首をねじ上げると、皇子はウッと息を詰めて、あえぐような仕草をみせた。
「違うったら、ウウムッ」
「いちど帰ってこい。変態になったところを見せてやれば母ちゃんもよろこぶぞ」
「イヤッ、恥ずかしい」
「べつに恥ずかしがることはねえさ。おまんこは母ちゃんのよりずっと良いぜ」
「それだったら良いけど…」
股を広げたまま、皇子はつぶやくように言った。
「でも、先生わたしをステないでくれる?」
いつの間にか、しっかりと変態の芽が育ちはじめている。
苦笑して、私は乳首を放した。
私が皇子を連れて、あの粗末なアパートを訪ねたのは、それからまた
幾日かたってからのことだ。
二、母娘どんぶり
「お母ちゃん」
ベニヤのドアを開けて呼ぶと、奥から甲高い久代の声が聞こえた。
「皇子ッ、帰ってきたの?」
夢中で娘に抱きつこうとしたが、後ろに私が立っているのを見て、
久代はギョッとして顔色を変えた。驚きというより本能的な恐怖の
表情である。
「あっ、あの、すみません。散らかってますから…」
あわててちゃぶ台の上をかたづけて、皇子を私の横に座らせると、自分は
反対側にかしこまって両手をついた。
「いろいろとお世話になりました」
普通なら高校一年生だが、見違えるように女っぽく、化粧までしているのが
まぶしいのか、久代は子供の顔をまともに見られない様子だった。
「どうだ、いい娘になったろう」
「は、はい、お陰さまで…」
残りのギャラを渡してやると、おし戴いて深々と頭を下げた。
金額にして6万円、OLの初任給が1万円に満たなかったころの話である。
「ところで、これは相談だが…」
ワンピースの上から皇子の太腿をさすりながら、私は本題にはいった。
「本人は、これからもずっと変態クラブで働きたいと言うんだがね」
「ええッ」
「あんただって、こいつが目一杯稼いでくれたほうが助かるんだろ?」
「いえでも、この子には、もう二度とこんなことはさせたくないと思って…」
借金さえ返せばあとは何とかなりますから…、というのが久代の言いぶんである。
「そうかい、それじゃ仕様がねえな」
だが、15才の変態少女といえば客は無条件でとびついてくる。こちらとしては、
今さら皇子を手放すつもりはなかった。
「おい、どうする?」
私は、わざと気軽な調子で言った。
「お前みたいな変態は、男のオモチャになっているほうが嬉しいんじゃねえか」
「うん…」
「皇子…ッ」
「叱るんじゃねえ。あんた、娘に稼がせた金で借金を返したんじゃなかったのか」
凍りついたように、久代は口を閉じた。
現実に、娘が稼いだ金を受け取った直後である。
「あ、そうだ。母ちゃんにもお前の身体を見せてやれ」
「はい」
頬を赤くして、皇子は自分でワンピースを脱いだ。乳房の横に、赤紫色の
キスマークがべったりと張りついている。内股から臍のまわりにかけて
点々と痣が出来て、パンティを下ろすと、幼い陰丘から内側の肉ベラが
半分はみ出していた。
「ゆうべ、こいつを買った客にやられたんだぜ。こんなのはまだ軽いほうだ」
久代は腰が抜けたように、呆然と娘の無残な裸形を見つめていた。
「子供にこんなことさせて、このまま帰してもらえるとでも思ってるのかよ」
「どッ、どうしたら良いんですか…」
笑いながら久代の肩に手をかけると、女は激しく首を振って後ずさりした。
「いいのかい、逃げると皇子を犯るぜ」
「アアァッ、許して…」
丸くなって縮んだところを、ムシリ取るようにブラウスを剥ぐ。
「たッ、助けてくださいッ」
もがくのを押し倒して、ズロースを踵から引き抜くと、あの鉈で断ち割ったような
傷痕が晒しものになった。
「ヒィッ」
「見ろよ、母ちゃんのおまんこだぜ」
毛深くて、脚は娘より細い。小便をさせるような恰好で少女の前に無理やり
拡げて見せると、皇子はいたたまれないように眉をひそめた。
「もういい、早くやってッ」
「母ちゃんにハメても良いのかい?」
「ハ、早くッ。可哀相だから…」
皇子の感覚では、抵抗するより犯されてしまったほうが自然なのである。
マゾ娘の奇妙な倒錯であった。
かぼそい身体を羽交い締めにして入れようとしたが、必死に暴れるので
突き刺すことができない。仕方なく腕をねじり上げてちゃぶ台に乗せると、
片足をかついで強引に横からハメた。
「ぐぇぇ…ッ」
久代はのけ反ったが、肉塊が侵入すると、とたんにぐったりと力を抜いた。
「おい、入ったぜ」
息を飲んで、皇子は瞬きもしない。
「わ、わたしのより、いい?」
「いいさ。お前の母ちゃんとは思えねえよ」
「うそ…ッ」
オズオズと近寄ってきた少女を足もとに転がして、久代と重なったまま、
腰を使いながら乳房を踏みつけると、足の裏に乳首の微妙な感触が伝わってきた。
仰向けになった皇子の眼の上30センチのところに、縮れ毛にまみれた肉の
結合がうごめいている。乳房を踏まれるたびに少女はハッハッと荒い息を吐いた。
「快いッ、もっとして…ェ」
足先でコリコリした肉壁の真ん中をえぐると、たしかな手応えがあって、
親指が根もとまでグスッと埋まった。
「あひィッ」
たちまち、皇子の肉体が反応をはじめる。
仕込まれたあげくの果てとは言え、やはり若さの特権である。
「あッ、お母ちゃんッ。快い…ッ」
「おい、皇子は気持ち良いってよ」
久代は、絶望的な呻き声を上げた。
「明日から変態クラブで働かせても良いんだな?」
激しく突きまわすと、失神したようにぐらぐらと身体が揺れる。
こうなったら、母親はもう不要である。
「良かったな、母ァちゃんは承知したぜ」
皇子を引き起こして、その前に仁王立ちになった。
「くわえろ!」
後頭部を抱えて下腹にこすりつけると、久代の淫汁を吸って膨脹した肉塊を
咽喉の奥に詰まらせて、少女は、顔を真っ赤にして卑猥な唸り声をあげた。
どうせ変態に育てるのだったら、徹底的にやったほうが良い…。
このあと、久代の横で二度、三度とイカしたのだが、久代はちゃぶ台に身を
伏せたまま身動きひとつしなかった。
「明日迎えにくるから、じっくりと考えておけ。そのほうがお前たちのためだぜ」
私は最後まで射精することはなかった。
約束どうりひと晩泊まらせて、翌日迎えに行くと、皇子は化粧も落として
サッパリしたセーラー服に着替えていた。
「可愛いな。このままでも商売になるぜ」
「よろしくお願いします。くれぐれも…」
娘を高校に進学させることが夢だったのであろう。それが、この女にできる
唯一の意思表示だった。
昨夜の衝撃に耐えて、久代は電車の駅まで二人を送ってきた。
後日談だが、こうまでして確保した金の卵も、実は、それから僅かに
一年足らずしかもたなかった。ふとしたことで客の中国人に見初められ、
母親と一緒に引き取られることになったのである。
久代はもう十数年も前に亡くなったというが、皇子には子供が二人できて、
いま香港で幸せに暮らしている。