高 校 生 妊婦
一、少女の生理
好子が妊娠したことがわかったのは、彼女が高校一年の秋であった。
昭和23年…。
当時、私はまだ高校三年生、演劇部のキャプテンだった。
好子は最初のマゾの女と言って良い。中三のとき処女をやぶって、
それ以来私の性欲のハケ口になってきた女である。
女を犯せば妊娠はつきものだが、そんなことにはお構いなしに
無防備な射精を繰り返していたから、いわば当然の結末であった。
「ねえ、ちょっと変なんだけど…」
夕暮れの校舎の片隅で、何か恐ろしいことを打ち明けるように、
好子は眼を伏せたまま言った。
「わたし、今月もメンスがないの」
「なんだと?」
さすがに、こちらもギョッとなった。
「いつから止まったんだ」「わかんない…」
そういえば、このところメンスになったところをヤッたことがない。
「バカ野郎、どうしてもっと早く言わねえんだよ!」
「ごめんなさい」
うなだれて、好子はすがるように言った。
「ねえわたし、オロさなきゃ駄目…?」
「知るか、金なんかねえぞ」
ブン殴りたいような気持ちだったが、こればかりはどうしようもなかった。
「てめえがボンヤリしてるからだ。産みたかったら勝手に産めよ!」
好子は、みるみる泣きそうな顔になった。
「ちょっと、身体を見せろ」
さすがに気がとがめて、カバンを持ったまま校舎の裏に引きずって
行くと、壁に寄りかからせてセーラー服のスカートを捲った。
ズロースを下ろすと、肉ベラのまわりにヌルリとした粘液が
滲み出している。下腹部を撫ぜまわしてみたがべつに膨らんでいる
様子もなくて、私は何となく安心した気分になった。
「大丈夫だ、そのうちに考えといてやる」
「やっぱり、できているの?」
「まだわかんねえよ、出来たんならオロせば良いだろ」
陰毛の生えぎわを圧すと、好子はウッと息を詰めて身体をくの字に折った。
「や、やめてッ今日は…」
「うるせえ、メンスがなけりゃちょうど良いじゃねえか」
私は衝動的に好子の太腿を拡げた。
「早くしろっ、先公が来たらどうするんだ」
薄暗くなった校舎の陰で、わずか二・三分で射精したが、
溢れ出た精液がスカートの内側をべっとりと汚した。
妊娠中絶の知識もあやふやだった。
乱暴にやれば、もしかしたら自然におりるかも知れないと思ったのだが、
一週間経っても、まったくそんな気配はなかった。
中絶の費用ができる筈もなく、時間だけが無意味に過ぎていった。
相変わらず生理は来ない。ひと月もすると下腹が膨らんできたような
気がして、さすがに焦った。
近ごろのように、友達がカンパしてくれるなどという時代ではない。
思い余って、エロ本を借りるので親しくなった貸本屋の親父に
相談すると、舌舐めずりをせんばかりに話に乗ってきた。
「いいよ、すぐに連れてきな。金はつくってやる」
今でいうブルセラである。「いやどうしよう…」
売春させられるとわかると、好子は世にも不安そうな顔になった。
「わたし、あなたに捨てられるの?」
「そうじゃねえ。お前が可哀相だから、我慢してあいつにまかせるんだ」
「こ、こわい…」
「仕様がねえだろう、ぐずぐずしてると親にバレるぞ」
結局、好子は嫌おうなしに10人を越える男を体験させられることになった。
自分がタダで犯ったぶんも含めて、親父もかなり儲けたと思う。
まもなく貸本屋の親父の世話で、好子は電車で30分も離れた
隣り町の病院にひとりで手術を受けに行った。
「もうすぐ5ケ月目に入るところで、堕胎すのは難しかったんですって…」
無理をしてその日のうちに戻ってくると、好子は少し青ざめた顔で言った。
「一週間安静にしていなければ駄目だって、でもわたし、学校は
ちゃんと行くから…」
「ちぇっ、二度と孕むんじゃねえぞ」
「ご、ごめんなさい…」
幼いが、いま思えばいじらしいほど無知で純情なマゾ少女だった。
二、第三の穴
孕むなとは言ったが、責任がこちらにあることはいくら何でもわかっている。
私はそれ以来、イクときは必ず口の中に出すようになった。
フェラチオさせるのは好きで、以前から常習的にやらせていたが、
快感が爆発する寸前に引き抜いて、わざわざ顔の上まで移動するのは
決して快いものではなかった。間に合わなくなって腹や胸に精液が
飛び散ったりすると、無性に腹が立った。
それに、10人もの知らない男たちに抱かれてきた好子の肉体が、
いらいらと気にかかるのである。
「てめえ、その男にどうやってイカされたんだ。詳しく言ってみろ!」
誰もいなくなった演劇部の部室で、私はよく好子を責めた。
「言えねえのか、そんなに気持快かったのかよ」
上半身はセーラー服、下半身を裸にして、床に転がして犯していると、
ここで処女を奪ったときの情景が眼に浮かんで、また新しい嫉妬が
燃え上がってくる。
「汚ったねえ、もう俺の女じゃねえな」
身体を放して立ち上がると、薄い陰毛の奥に、えみ割れた肉の色が
ナマナマしい毒花のように見えた。
「ど、どうすれば良いの?」
言い訳けすれば殴られる。好子は股を広げたまま途方に暮れた
声を出した。
「わたし、ちっとも気持ち良くなんかならなかったのよ。ほ、ほんとに…」
「そんなこと言ったって、おまんこはもう台無しだよ!」
いきなり卵型に生えた陰毛を指に搦めて、残酷に毟り取った。
「ギェッ」
乱暴にワレメを開くと、なかは蜂蜜を塗ったように濡れていた。
真ん中が少し充血して、ポッカリと凹んでいる。その下は両側から
土手の膨らみが重なって、Vの字に閉じていた。
「お願い捨てないで…。わ、わたし何でもするから…」
「ようし、そんならケツを出してみろ!」
われながら、それは思いがけないアイデアであった。Vの字の奥に、
もうひとつ琥珀色の穴があったのである。
「ナ、何をするの…?」
「決まってるじゃねえか、おまんこの代わりにするんだよ」
「エッ…」
蛙をひっくり返したような姿勢で、好子は呆然とこちらを見上げた。
そのころの私は、肛門性交に興味を持っていたわけではない。
あれは初めからおカマがやるものだと決めていた。奇譚クラブを読んで
浣腸も知っていたが、臭いし汚いし、まったく関心はなかった。
だが好子への嫉妬をはらすには、これしか方法がなかったのである。
「もう一度俺のものにしてやる。ケツの穴は誰にもヤラれなかったろう」
「ヒェェ」
好子は真剣に恐怖の表情を浮かべて、眼を皿のようにあけた。
「てめえ、嫌なのか」
「チッ違う…」
「それじゃ、もっと股を拡げてみな」
「あッ、ウウム…」
のしかかっていきなりハメようとしたが、上手く入らなかった。
わずか2センチほどのズレで、角度も方向もまるで違うのである。
無理に突き刺そうとすると、好子は自然にズリ上がってハッハッと
荒い息を吐いた。
「ケツを立てろ、これじゃ入らねえ」
後ろから尻ぺたを鷲掴みにして左右に開くと、今日まで気がつかずに
放置していた裏門の窪みがムキ出しになった。
「もったいねえ、こんな良い穴があったのによ」
指を入れようとしたが、緊張のためか括約筋が固く締まっている。
ウエストを抱えて引き起こすと、まだ脂肪が乗りきっていない丸い尻を
跨ぐように男根の先端を当てた。
「いくぜ…」
肉塊に手を添えて、捩じ込むように少しづつ腰を沈める。
「アウゥゥッ」
好子が、無惨な呻き声を上げた。
琥珀色のつぼみが大きくメリ込んで、限度までくると、圧し潰された
ようにブチッと割れた。
「イッ痛い…ッ」
「我慢しろっ、てめえが悪いんだ」
「ハ、早くしてッ、我慢できない…」
前のめりに身体を支えながら、必死に振り返った好子の顔は、
苦痛を噛み殺して蒼白になっていた。
三、植込みの陰で
コリコリした肛門の括約筋にしごかれて、快感が一挙にたかまっていった。
腰骨を前後に揺すると、好子は歯を剥き出してゲッゲッと咽喉を鳴らした。
「もう少しだ辛抱しろ!」
やがて、ドボッと嫉妬と快感の塊りが抜けた。
突っ伏して肩で息をしている少女の尻の穴から、汚れた精液が
垂れ落ちそうになっている。まわりが少し膨らんで、赤ムケになっている
ように見えた。
「これからはこっちを使え。子ができる心配はねえよ」
「ウゥゥ…」
べっとりと額に油汗を浮かべて、好子は魂が抜けたように放心していた。
ところが、2ケ月もしないうちに、好子はそれほど痛がらなくなった。
まもなく高校二年生である。
授業が終わると、練習を口実に演劇部にきて私とひとときを過ごすのが
その頃の好子の日課だった。
誰もいなくなると、待ち兼ねたように制服のスカートを脱がせて
あわただしくハメる。それだけでもけっこうスリルがあった。
快感が上昇してくると、そのまま後ろの穴に入れる。穴が馴れてきたのか、
ハメ方が上手くなったのか、ヌメリを塗りつけてやると苦もなく根もとまで入った。
「わたし、この頃おかしいのよ」
セーラー服の胸をはだけて、まだ固い乳首を触らせながら、
好子は囁くように言った。
「後ろのほうも、何だか感じるようになったみたい…」
「良かったな、ちょっと締めて見ろ」
「こう…?」
好子は眼をつぶって、キュッキュッと肛門の括約筋を締めた。
その度に亀頭のくびれに快い緊迫感が伝わってくる。
「上手くなったじゃねえか」
「ほんと…?」
互いに絡み合っているうちに、動きが次第に激しくなっていった。
「あッ、ああ…ッ」
横抱きにして、臓物を掻きまわすように突き上げると、
突然、好子がせっぱ詰まった声を上げた。
「も、もっと、強くやってッ」
くそ…!
好子が腹筋を激しく痙攣させた。
「アいいッ、いい…ッ」
とたんに、男根が二・三度跳ねた。 大量の精液が洩れて、
しばらくの間、私は身体を動かす気になれなかった。
「動くな…!」
好子が身体を起こそうとしたので、急いで乳房を掴んだ。
少しづつ、男根の張りが失われてゆくのがわかる。それもまた
快感のひとつだった。
男根は、まだ女の体内である。そのときに不思議な現象が起こった。
それほど我慢していたわけではないが、欲情が納まってくるにつれて、
私は軽い尿意を感じた。自然に下腹の緊張を弛めると、萎えかけた
先端が重くなって、ジュゥッ…と熱い小便が流れ出した。
「あ、あ…ッ」
好子が、びっくりしたようにこちらを向いた。はじめは何が起こったのか
わからなかったようだ。
「動くんじゃねえ、じっとしてろ」
小便は何のリズムもなく膀胱から溢れ出して、腸管に滲みこんでゆく。
「くッ、ううム」
ぜんぶ排出してしまうと、錘りが取れたように下腹が軽くなった。
男根を抜いて仰向けになると、好子は両手で揉むように陰毛の
生えぎわを抑さえて身をくねらせている。
「ト、トイレに…」
「便所なんかねえよ。家まで辛抱しろ」
「えぇッ」
「そろそろ門限だぜ。早くスカートをはけ」
夕食の時間までには家に帰してやらなければならない。
好子は、危なげな足取りで立ち上がった。
「ちょっと待って、すぐ来るから…」
下半身裸のまま、よろめくように部屋の扉を開ける。
外はまだ昼間である。 後を追ってゆくと、校庭の隅にある小さな
植え込みの陰に丸い尻が見えた。
「ご、ごめんなさい」
蹲ったまま、好子が小さな声で言った。
「ぜんぶ出ちゃった…」
尻の下に崩れた糞の山ができて、褐色の液体が小川のように
植え込みの向こうに流れて行くところだった。
校庭では野球部の生徒が何人か残って、まだ練習を続けていた。