責めとプレイの間隙




    輪ゴムで遊べる責め玩具

 SMの拘束具も年々豪華になって、なかには十数万円もするような

舶来のボンデージ衣装や、エルメスの鞭なんていうブランドものが

出回っていたりする。

 豪華なことは良いことだが、そちらは別の機会に譲ることとして、

もっと手軽で実用的なゴム責めをご紹介しよう。

 もともとラバーフェチの原点は、あの感触と肌ざわり、それに独特の

匂いである。だがもう一つ、弾力というゴムの特性を忘れてはなるまい。

これは、私自身が責めの前戯に使って効果があった実験談である。

 はじめにゴム紐を利用した開脚縛りだが、ロープの場合、縛っただけで

女の股を開かせるのはかなり難しい。観賞用ならともかく、実際に

女をひっぱたくとき、縛るのにそんな手間ヒマをかけてはいられない。

 これが、ゴム紐を使えば一発で決まる。

 材料は、市販の8ミリ巾の平打ち紐で十分である。長さは1メートルくらい、

4本から6本ほどの束を二つ用意する。

 女をウンコしゃがみにして、一本は両端を膝に結んで首にかける。

もう一本を膝から背中にまわすと、ゴムの収縮力で嫌おうなしに

股間が全開になる。亀の子のように首を伸ばして、前かがみに陰裂を

さらけ出した格好は何とも卑猥で挑発的なものだ。

 そこで一本の輪ゴムでもあれば、さっそく楽しめるのがゴム撃ちである。

 乳首を狙ってピシッと放すと、それだけで女は胸をよじって悲鳴を上げる。

その瞬間の刺すような痛みは相当なものだ。

 当然、乳首だけでは物足りない。本命はクリトリスへの直撃である。

 引き絞って、粘膜の真ん中をめがけて指を放すと、濡れた雑巾を

叩くような音がして、そのたびに太腿がピリピリと震える。

「ヒッ、ヒィッ…」

 2・3本束にしてピチパチと弾くと、懸命に脚を閉じようとするのだが、

ゴムに引き戻されて自然にまた開いてしまう。

「イ、痛いッ、モウ止めて…ッ」

 転がして肛門を狙い打ちにすると、いそぎんちゃくが触手を締めるように

括約筋が収縮する。前後の穴がそれぞれ別の生き物のような動きを

見せるのが面白い。

 暫くすると、肉ベラが腫れあがって3倍くらいに膨らんでくる。腫れは

二日程度で治まるから心配することはないが、タラコを潰したように

垂れ下がって陰裂からハミ出してきたら、ゴム撃ちは一応限界である。

 もうひとつ、ゴム紐を使ったテクニックに女体の太鼓撃ちというのがある。

 先刻のゴム縄を解いてワキの下から太腿にかけてぐるぐる巻きにすると、

手当たり次第に巻いたゴムを引っ張ってバチーンと放す。

「わ、わ、わッ、止めてようッ」

 夢中でゴムの衝撃から逃れようとするのだが、下腹や背中や、

ところ構わずゴムの束が跳ね返って小気味良い音を立てる。

「ギャッ、ギャァァ…ッ」

 白い肌に美事なミミズ腫れの線条が刻まれてゆく。鞭と違って、

責めるというより弄ぶといった感じの残酷な醍醐味である。

 そして最後にご紹介するのが、輪ゴムをつないで作った小さなT字帯である。

「こ、これ、どうするの…?」

 女は裸のまま、不安そうに手の中のゴムの塊りを見つめた。

「パンティの下にはめろ」

「えッ、これをつけるんですか?」

「お前、ウエストが細いからちょうど良いだろう」

 直径は10センチくらいしかないのだが、伸ばすとけっこう広がって、

くびれた腰を締めつける。

「あ、いやヘンな気持ち…」

 真ん中に渡したゴムがワレメに食い込んで見えなくなっている。

陰毛に埋まっているのをつまみ出すと、目的を察して、女はあわてて

腰を引こうとした。

「やッ、やめてェ…ッ」

 バチッ…、と鋭い音を立ててゴムがワレメに戻る。

「ヒェェェ…」

 身体をくの字に折って、女はクリトリスを抑さえた。今度は後ろから、

少し膨らんだ尻の穴にビシャッと直角に打ちこむ。

「ギャッ」

 そのまま服を着せて表に連れ出すと、ゴムの緊縛に容赦なくクリトリスを

締めつけられて、女はときどき屁っぴり腰になった。ジワジワと続く

苦痛と快感の交錯である。

「ど、どうしよう」

 とうとう立ち止まって、女がうわずった声を上げた。

「わ、私、イッちゃうかも知れない…」



     酔っぱらい美女はトロの味


 戦前の花柳界での遊びに、ワカメ酒というのがあった。

 芸者の着物の裾を捲って、ピッタリと合わせた太腿の間に酒を注ぐ。

陰毛がユラユラと揺れるのを海中のワカメに見立てて、股間の酒をすすって

興じるという悠長な旦那遊びである。

 今どきこんな阿呆面をさらす男もいないと思うが、性器を見せることを

極端に恥じた戦前の女たちの精一杯のサービスであった。

 こんなのは遊びの範囲なのだが、アルコールを使った責めとなると、

思いのほか相手に強烈なダメージを与える。

 たまたま実験材料になったのは、中島華枝というちょっとイカれた

短大生である。19才と言っていたが、こんなのがよく引っかかったと

思うほど見栄えのする女だった。

 当時ディスコの全盛期で、赤坂あたりには芸能人や外タレが出入りする

店がいくつもあった。集まってくるのは、それなりに選ばれた女たちである。

『無限』などという有名なディスコが幅を利かせていたが、そんなところで

遊んでいるということは、本人にも相当な自信があった証拠であろう。

 裸にしてみると、華枝は素晴らしいプロポーションをしていた。

日本の女がようやく短足胴長の体型から脱して、外人なみのスタイルを

持つようになった時代である。

 その代わり、セックスはあんまり上手いほうではなかった。

 いい女に限ってセックスはつまらないのが多いものだが、男にチヤホヤ

されるのをあたり前だと思っている。いくら腰を揺すってもただアフアフと

喘ぐばかりで、これでは折角のプロポーションが泣くというものだ。

 てめえ何様だと思っているんだ…、と少々腹が立った。

「仕様がねえな。もっと飲んでみろ」

 口うつしにブランデーを飲ませてやると、少し噎せながらコクンと

咽喉を鳴らす。いいかげん酩酊したところで、ブランデーをクリトリスの

周辺になすりつけた。

「いやッ、スースーする…ゥ」

「もっと穴を締めろ。そんなんじゃ男はイカねえぞ」

「ウウン…ッ、アハッ」

 脚を抱えて手荒く抜き刺ししたが、酔いがまわると反対に快感が

上がってこない。

「も、もうやめて…ッ、痛いのよゥ」

 ちぇっ、下手くそ…!

 男根を抜くと、グタリと仰向きに脚を投げ出したままである。見ると

クリトリスの左右の肉ベラが真っ赤に変色していた。

「待ってろ。それじゃ舐めてやる」

 両手で陰裂をひらく。生鮭の腹を割ったような粘膜に唇を圧しつけると、

口いっぱいに含んだブランデーをプウッと穴の中に吹き込んでやった。

「ギャッ、ギャアッ…」

 とたんに、華枝がエビのように跳ねた。

「熱いッ、灼けちゃうッ」

 恥も外聞もなく、華枝は肉ベラを掻きむしりながら反転した。

「熱いよゥッ、ヒィィ…」

「このやろう、暴れるんじゃねえっ」

 容赦なくのしかかってもう一度ハメると、熱いというより、

亀頭にヒリヒリとハッカを塗ったような快い刺激があった。

「ワァッ、タッ助けて…ェッ」

「うるせえな。ガキのくせに、おまんこブカブカじゃねえか!」

 穴に杭を打ち込んだまま、思い切り乳房をひっぱたく。

「ヒィィ…ッ」

「よし、もっと締めろっ」

 乳首を引っ張って左右に振ると、その度に括約筋がヒクヒクと収縮した。

 胃袋を経由しないで直接体内に吸収されたアルコールの効き目は

抜群である。10分もしないうちに、華枝は全身が蛸のようにグニャグニャに

なった。完全に抵抗力を失って、あとは何をやっても思いのままである。

「顔をこっちに向けろ」

 酒で感度が鈍くなった男根をくわえさせて腰を突き出す。もういくら激しく

動かしても平気だった。

「グッ、グッ、ウゲェ…ッ」

 女の身体は、臍のまわりから太腿にかけて美事なピンク色に

染まっていた。おそらく、子宮まで酔っぱらっているのであろう。

 ザマ見ろ、恰好つけるからだ…。

 アイドルの自信もプライドも粉微塵になって、上下の唇から精液の泡を

吹いてひっくり返るまで、2時間近く弄んで私は素っ裸の華枝を

置き去りにしてホテルを出た。

 射精したあと未練を持つな…、これもまた女を犯すときの鉄則である。



    過激SMバトルロイヤル


 SMは遊戯ではない、真剣勝負だというのが私の持論である。

ちょっと油断すると、とんでもない失敗をすることがある。

 少し前のことだが、痴漢半分に電車の中で引っかけた女を縛って

吊り責めにしたことがあった。嫌がるのを無理やり後ろ手にくくって

天井の桟に固定する。両手を高く上げて背伸びする程度の高さである。

「嫌よゥッ、止めてェ」

「うるせえな、静かにしろッ」

 足を蹴上げて抵抗するのを構わず、一本づつロープを巻きつけると

反対側の桟に掛けて力任せにぐいっと引いた。

「ヒェェ、腕が抜けちゃうッ」

 背面逆海老吊り…、胸が反り返って乳房がピンと張った。

「助けてッ、クッ苦しい…」

 女が全身で二三度跳ねた。そのとたん、どういうわけか突然手首の

縄が解けた。

「ウワァッ」

 吊り上げた足を支点にして、身体が振り子のように大きなカーブを描くと、

顔と乳房が同時にガツンと堅い壁にぶつかる。

「ギャン…ッ」

 家中が揺れるほどの衝撃があった。

 それきり、女は片足でぶら下がったまま動かなくなってしまった。

もう一方の足が宙に浮いて、性器がぶざまに露出していた。

 結び目を確認しなかったことが失敗の原因である。結局ロープを解いて

強引に犯したのだが、女にはとんだ災難であった。

 久保川安奈(19才)の場合、ラブホテルのベッドで後ろ手の亀甲縛りにして、

目一杯縄を掛けた。乳房を8の字に巻いて首筋にまわす。

ウエストを締め上げると、脚を曲げて太腿をギチギチと俵締めにした。

「ウウム…」

 三ツ折りになった身体を引き起こすと、全身が達磨のように丸くなって、

ほとんど呼吸することができない。それでも安奈はけなげに耐えようと

していた。

「よし、もうちょっとだ」

 背中のロープを二重にして、尻の割れ目からクリトリスに噛ませる。

先端を乳房の8の字に繋ぐと、いわゆる股縄である。

「イ、痛い…」

「辛抱しろ。動くと余計締まるぜ」

「ウゥゥ、ハイ…」

 柔らかいベッドの上で、安奈は危うくバランスを保っていた。

 一息入れようとして、タバコを取りに立ち上がったときであった。

突然、後ろで悲鳴のような声が上がった。

「アアァ…ッ」

 振り向いて身体を支えてやるヒマもなかった。不安定なポーズが崩れて、

縄ダルマが頭からベッドの下に転落する。ゴツンと床を打つ音が聞こえて、

安奈が白眼を剥いた。

 落ちた拍子にロープがふかぶかとワレメに食い込んで見えなくなっている。

 あわててロープを解いたが、見る見るうちに肉ベラが腫れ上がって、

赤ムケになったクリトリスから血が滲み出してきた。

「バカ、てめえがしっかりしねえからだ」

「ヒィィ…」

 痛がるのを構わずそのままハメたが、内部は身が締まって感触は

悪くなかった。

 安奈には、もうひとつこんな失敗がある。

 浴室のタイルにコーラの瓶を立てて、上からしゃがみ込んで穴に入れる

という芸当をやらせていたときのことだ。

 膝を踏ん張って先端を入口に当てようとするのだが、なかなか上手く

ゆかない。ともすればタイルに滑って瓶が倒れてしまう。

「下手くそ、角度が違うんだよ。もう一度やってみろ!」

「ハ、ハイ…」

 太腿の筋肉がブルブルと震える。

 中腰のまま爪先立ちになって、安奈は何回も挑戦した。そして、

ようやく穴の入口がコーラの瓶をくわえた。

「見ろ、やれば出来るじゃねえか」

 私は不用意にポンと腰を蹴った。軽くやったつもりだったが、我慢していた

足が滑って安奈はグシャッと瓶の上に尻餅をついた。

「ギャアァァッ」

 コーラの瓶が肩の太い部分を越えて、沼地にミサイルが突き刺さったように

胴体のくびれまで埋まっていた。良くあれで底を突き破らなかったものだと思う。

 可哀相に、安奈は股を広げたまま痙攣していた。ようやく抜いた跡は

ポッカリと穴が開いて、しばらくは閉じようとしなかった。

 あまり知られたくない失敗談だが、こうしたケースは、こちらがふと

油断したときに起こる。

 SMは、やはり真剣勝負なのである。




<完>