牝像の変態




一、 歪んだ眼


草野志郎は、若いころから自分が奇妙な変態であることを自覚していた。

小学校に入る前から、女の子のスカートの下を覗きたいという欲望は

強烈だったし、覗くだけでなく、触ってみたい衝動に駆られて学校の

トイレに同級生を連れこんで、ワレメに指を突っ込んで泣かしてしまった

こともあった。

幸い、先生にバレることはなかったのだが、子供たちの間では結構評判に

なったものだ。

その後も何人かのマセたタイプの子供に手をつけたが、高学年になると、

大部分が悲鳴を上げて逃げ回る中で、稀には黙って触らせてくれる女の子も

現れるようになった。

理由はわからないが、女の子のほうにも自然にそれなりの素質や興味の

あるなしが発現してくるのかもしれない。

だが、小学校の五年や六年で、まだ満足に毛も生えていない未熟な性器では、

ふざけ半分に撫ぜたり触ったりする程度で、学校でそれ以上のことが

出来るはずもなかった。

その頃から両親のセックスを覗き見るようになって、具体的なやり方も

おぼろ気ながら理解するようになる。部屋は別だったが、襖仕切りで

隣り合わせなので、気配を察して覗くことは何の雑作もなかった。

俺もヤツてみてえ。女を押し倒してちんぼを入れたらどんな気持がするんだろ…

オナニーを覚えたのもその頃だが、母親が歯を食いしばって、声を耐えながら

股を広げている様子を覗き見しながら自分のものをしごいても、感触は全然違う。

父親はさぞかし気持が良いんだろうと想像して、一日に何回オナニーしても

志郎の旺盛な性欲を満たすことは出来なかった。

早く、毛の生えたおまんこをヤリてぇ…

母親の股間に黒々と生えた陰毛があることは、子供心に眼に灼き付いていた。

だが覗くことは出来ても、直接手に触れることは不可能である。

その代わり、と言うわけではないが、最初に志郎の関心が向いたのは、

となりのクラスの女教師だった。五・六年は各三組あって、一と三が男の先生、

二組が女の先生の受け持ちになっている。

志郎は一組だったが、六年二組の担任が女で山本早苗と言った。

低学年と違って高学年の教師はベテランで、山本先生も五十がらみの

貫禄のあるオバさんである。

志郎にとって、山本先生は初恋の人というより、もっと具体的なセックスの

相手としてのオナニーの対象であった。

あの先生のおまんこ、いっぱい毛が生えているに違いない…

連想は、いつもそこから始まる。

毛深い性器こそ大人の女だというのが志郎の感覚であった。

休み時間になると、職員用のトイレの入口を窺っては、山本先生が

女便所に入るのを見て胸をときめかせる。

真っ黒な性器が赤い口をあけて、そこからシャーシャーとおしっこの噴流が

迸っているさまを想像すると、たちまち男根が硬直した。

まだ十三才の少年だったが、男根の付け根にポヤポヤと細い陰毛が

伸び始めていた。

やがて中学生になったが、本当に女を知ったのは中学二年生のときだ。

相手は違う中学の三年生で、処女ではなかったようだが、実際のセックスは

怖がって逃げ回るばかりで少しも面白くなかった。

初めて挿入した感覚もすぐに外れてしまったし、焦っていたので射精も早かった。

何だ.こんなものかと言うのが実感である。それから堰を切ったように、

志郎の女漁りが始まった。

と言ってもまだ学生だし、相手にするのは同じ学校の女生徒か、街で拾った

コギャルを強姦まがいに犯すのである。裸にしてみると、確かに毛は生えて

いるのだが、身体全体の筋肉はまだまだ固い。両親のセックスを覗いた

ときのように、粘りつくようなネトネトした感じがしないのである。

何だか人形を抱いているような気がして、娘たちは志郎にはほとんど

魅力がなかった。

もっと大人の女が良い、山本先生みたいな大人の女…

いつのまにか、心の中にはそんなイメージが定着していた。俺は変態だと

いう確信を持ったのもその頃である。

普通ならピチピチした若い娘を好むのだろうが、ピンと張った乳房は面白くない。

おっぱいは垂れ下がって歩くたびにユサユサと揺れるのでなければ興味が

なかった。陰毛が太腿の付け根まで生え広がって、モシャモシャとした剛毛が

伸びている。穴の形が崩れてクリトリスの皮が剥け、色が紫色に変わって

いるような女だったら最高だ、と志郎は思った。



二、めぐり会い


「あら、草野くん…?」突然肩を叩かれて、振り返って志郎はハッと眼を見張った。

「君、まだ未成年だろ。学生のうちはそんな本読んじゃ駄目だよ」

眼がニコニコ笑っている。小声だが明るい感じでそれだけ言うと、スッと

離れていったのは間違いなく山本先生であった。

駅前の書店で、何気なくエロ雑誌を開いて見ていたのを見つかったのだが、

こんな場所で先生に会ったのは初めてである。一瞬ドキッとしたが、

卒業して五年も経つのに、先生が自分の名前を覚えていてくれたことが

嬉しかった。

受持ちでもないのに何故俺のことを…、

と思うと胸がときめく。

横目で見ると、先生は社会の参考書の棚の前に立って、それとなく

店内を見まわしていた。

あの尻の丸さがたまらねぇんだ…

途端にムクムクと男根が反応を始める。同年代の若い娘に比べて、

山本先生の厚い腰まわりはふるいつきたいような魅力だった。

どんなおまんこしているんだろう…?

きっと毛深いだろうな、匂いも強いんじゃねぇのか…

たまらねぇ、ヤリたい。ヤラしてくれ山本先生…

いや早苗だ、これからは早苗と呼ぼう…

クルクルと頭の中で、女への性欲が高揚する。

変態と自認するだけあって、こうなるともう止まらなかった。店内をひと通り

見渡して他に生徒がいないことを確かめると、先生はレヂに挨拶して外に出る。

志郎は迷わずその後を追った。

もう夕方である。学校に戻る必要はないのだろう。先生は駅前のスーパーに

寄って夕食の材料を整えるとそのまま家路についた。

こんなところで買い物をしている様子は、誰が見ても平凡なただのオバさんである。

出会いは偶然だったが、これが草野志郎が山本早苗のマンションを知ることが

出来た事情だった。

それ以来、寝ても覚めても先生のことが頭のどこかにコビリついて離れなくなった。

早苗先生と、どうしてもヤッてみたい。

小学生のときから五年経っているから、先生は間もなく定年に近い筈だ。

やがて六十才になる女の肉体がどんな感触を持っているのか、想像するだけで、

草野志郎は目の前がクラクラするほど発情した。

男も十八才のワルになれば、クスリ以外の悪いことは大抵やっていたし、

尻の軽い最近のギャルを犯すことなど日常の茶飯事であった。

それなのに、興奮すればするほど六十のバーさんに手を出す勇気が

出ないのである。

一種のマザコンとでも言うのか、少年時代からの先生という意識が

抜けないのだった。

こうなったらもう正攻法で行くしかあるまい、結局それが結論であった。

それから三日後、早苗のマンションを訪ねる決心をした志郎は、

家を出る前に二回続けざまにオナニーして精液を抜いた。

先生の前でみっともない射精だけはしたくない。十分に持続力があって、

のた打ち回るほどの快感を早苗に与えてやりたかった。

尻軽ギャルのハメ方には慣れているが、それと同じ方法で早苗がどんな

反応を示すかは未知数である。

あるいは事件になってしまうかも知れないが、兎に角やってみるしか

あるまいと考えるのはやはり若さであろう。

早苗のマンションは、志郎の家からだとバスに乗っておよそ二十分、

住宅街のさほど広くない道に面した5階建てである。

主人とは離婚したのか死別なのかわからないが、志郎が子供のころから

独身だった。この間尾行してきた階段を上がって行くと、3階の奥のドアに

山本と苗字だけワープロで打った紙が表札代わりに張り付けてある。

ここだ…!

草野志郎はためらいなく玄関のブザーを押した。

「どなた…?」

「俺です。この前駅前の本屋でお会いした草野です」

間もなく内側から鍵が開く音がして、顔を出したのは普段着の山本早苗である。

「あらどうしたの?草野君」

「ちょっと聞きたいことがあって、それに相談したいことも」

言いながら、志郎は身体半分を押し込むように玄関のドアの中に入れた。

「せ、先生」

「えッ、どうしたの?何なの…」

直接の教え子ではないが、顔見知りの生徒を警戒して追い出すわけにも

行かず、早苗は上半身を仰け反るように支えながら言った。

「どうしたのよ、そんな、急に…」

「俺の言うこと聞いてください。俺、先生が好きで好きで、ずっと前から…」



三、老女強姦


「ちょっとあなた何言ってるの。や、止めなさいッ」

必死に教師の威厳を保とうとするのだが、志郎が後ろ手に玄関の内鍵を下ろすと、

早苗の眼に驚きと言うより脅えが走った。

「お金が要るのだったら、ご両親に訳を話せば良いでしょう。ここにはありませんよ」

「ゼニなんかじゃねぇよ。だから相談を聞いてくれと言ったじゃありませんか」

「な、な、何を…」

「先生、セックスはどうやって始末しているんですか。俺はもう、

毎晩寝られなくて…」

「え、えッ、セッ…クス…?」

さすがに年の功で、早苗はすぐに落ち着きを取り戻した様であった。

「ごめんなさい。草野君、落ち着いて、ゆっくりと話してごらん」

十八才といえば、男が一生のうちで性欲が一番旺盛になる時期だ。

血気盛んな若者が思い余って相談に来たとしても不思議ではあるまい。

「恋愛のことは、先生にもよく判らないけど…。好きな人でも出来たの?」

「そんなんじゃねぇ、俺が好きなのは先生なんだよ」

「先生って、わたし…?」

「若い女なんかにゃ興味はねぇ。先生、いや早苗さん、俺の女になってくれ」

一瞬、言われたことの意味が理解できなくて、早苗は呆然として

若者の顔を見つめた。

「あ、あなた、少し可笑しいんじゃないの? どうして私なんかを…」

「始めから可笑しいんだよ。俺、変態なんだ。嘘なんか言っちゃいねぇよ」

三分ほど白髪の混じった早苗の髪を掴むと、志郎はグイと力任せに

手前に引いた。

「うァッ、ギャッ」

思わず出た癖だが、街で拾った女を有無を言わせず犯すときの常套手段である。

「何をするのッ、ら、乱暴は…」

「うるせぇな、騒ぐんじゃねぇ。俺はただ先生のオッパイが見たいだけなんだよ」

掴んでいた髪の毛を放してドンと後ろに突くと、早苗は一たまりもなく

フローリングの床にひっくり返って尻餅をついた。

あわてて起き上がろうとするのにのしかかってブラウスの胸元を開く。

ブチブチと音がしてボタンが飛んだ。

「止めなさいッ、止めてェッ」

「うるせぇ、静かにしろっ」

志郎にとっては、欲情に任せて若い娘に襲いかかる男と同じ感覚である。

手加減はしたつもりだが、激しい平手打ちがパシィンと右の頬に鳴った。

それがショックだったのか、早苗はヒイッと息を引いてグタリと動かなくなった。

そしてその後は教師の体面も女のプライドも失ったように、志郎に言われて

着ているものを自分から脱いだのである。

「先生、快いよ、たまんねぇよ」

来る前にオナニーしてきたばかりの男根が張り裂けんばかりに硬直して、

亀頭の先端を垂れ下がった乳首にこすりつける。

身体を自由にさせていればそれ以上の危害を加えられることはないと

察したのか、早苗は眼をつぶってされるがままになっていた。

普通なら耐えられないほどの屈辱だろうが、何十年ぶりかで嗅ぐ若い男の

体臭と圧倒的な暴力の前で、何故か宙に浮いたような恍惚感のようなものさえ

感じるのである。

「毛のほうはまだ白髪じゃねぇんだな。真っ白ならもっと良いんだけど」

頭髪はかなり白いが、陰毛は何故か黒々としている。陰毛と言うのは、

八十を過ぎても黒さを残しているものであるらしい。

「先生、中のほうも見て良いか」

志郎がちょっと遠慮がちに言った。やはり気後れするのであろう。

だがここまでくれば何をされても同じである。

無言で、早苗は脂肪の張りを失った太腿を僅かに開いた。

「う、うぅっ」

呻くような声を上げて、志郎が老女の股間に身を伏せる。

萎れた肉の感触をいとおしむように頬ずりしながら、感動のあまり

泣き出しそうな声で言った。

「先生、有難う…。あぁ良い匂いだ」

無意識に、志郎の手が勃起した男根をしごいていた。先端が向いているのは、

茶色に変色して潰れたようなクリトリスである。

「馬鹿ね、この子ったら…」

そのとき、まるでうわ言のように、早苗が意外なことを言った。

「そんなことをしていないで、早く入れなさいよ。本当に勇気が無いんだから…」

「だっ駄目だもう」

次の瞬間、思ったより大量の精液がクリトリスから縦の割れ目に沿って、

貼りつくようにベッタリと乳白色の糸を引いた。





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