妊婦小百合の報酬
一、犯され妻の未練
新幹線が開通して、東京と大阪との往復がようやく楽になった。
そのころ、私の手元に一通の招待状が届いた。
この機会に大阪にきてぜひ家内を抱いて頂きたいという。
差出人は44才の工場主、女房は38才である。その男からは、
これまでにも自分の妻が他人とやり狂うところを見たいという
手紙が何回もきていた。
それも良かろう…。
私は、その頃まだ珍らしかった新幹線のひかり号に乗った。
新大阪の駅に迎えにきていたのは、如何にも実直そうな
中年男。彼の車で、どこをどう走ったのかわからないが、
着いた家は西成区の汚れた町の一角である。
「家内ですねん」
女は精一杯の化粧をしていた。東京から、わざわざ自分を
抱きにきた男を迎えて、少し不安そうに頭を下げた。
部屋に入ると、もう食事の用意がしてあって、手作りの料理が
並んでいる。これも期待と歓迎の心尽くしなのであろう。
「先生にきて頂けて、やっと思いが叶いましたわ」
男はさっそくビールの栓を抜きながら言った。先生と呼ばれても
面映ゆい感じで、三人の中では私が一番若い。
暫く雑談したあと、男がさりげなく言った。
「先生、こんな女で気にいってもらえましたやろか?」
「良いじゃないですか。まだ若いし…」
女は低い声で笑った。若いと言われて、やはり嬉しかったのだろう。
「とにかく、奥さんの身体を見せてもらいたいな」
「あっ、はいはい…。おい脱がんかい。先生にお見せするんや、
早うせんか」
男はしきりと気を使って、女房を急き立てる。羞かしがるのを
無理に裸にすると、子供を産んでいない艶のある肌で、
毛はそれほど多いほうではなかった。
「ほら、もっと先生のそばに寄らんかい」
肩を抱くとピクリと震える。腕の中に獲物を捕らえた感触は
悪くなかった。
「じゃ、そろそろやってみますか…?」
「はっ」
料理はまだ残っていたが、男は慌てて立ち上がって
隣室の襖を開けた。朝から準備を整えていたらしく、
真新しい敷布をかけた布団が敷いてあった。
「ええか。先生の気に入って頂けるようにせなあかんで…」
尻込みする女房を部屋に押し込んで、男は襖を閉めた。
亭主が消えると、少しは気が楽になったのか、女は案外すなおに
寄り添ってきた。
「べつの男とするのは初めてか?」
「ええ」
隣室では、亭主が息を殺して様子をうかがっている筈であった。
乳房に手を伸ばすと、女の息づかいが急に荒くなった。
「やってやるから、上に乗ってみな!」
「あっ、はい…」
白い太腿がオズオズと腹を跨ぐ。ちょうど割れ目が帆柱と
重なったところで、いきなり突き上げてやった。
「ひぇッ」
女は悲鳴を上げたが、すぐ、腰を動かしはじめた。もう多量の
淫汁を出している。粘膜には十分な弾力があって、やはり男に馴れた
人妻の肉体であった。
髪を掴んで思い切りのけぞらせ、下から抉ると女はあたり構わぬ
嬌声をあげた。それから四ツ這いにして後ろから犯す。
体位を変えるたびに、とめどなく淫汁を出して新らしい敷布を汚した。
20分くらいたったとき、襖が開いて男が入ってきた。
ちょうど、仰向けにひっくり返して真ん中にハメているところだった。
「ええんか、そんなにええんか?」
股をいっぱいに広げたまま、女は虚ろな眼で亭主を見あげた。
それでも無意識に腰を動かし続ける。すべての感覚が麻痺して、
身体がいうことをきかないのである。
「アいい、アいいッ…!」
「先生、もっとしてやっとくなはれ。こいつがこんなに喜んだのは
初めてや」
「ひィィィ…」
男に足首を持たせ、二ツ折りにした身体に馬乗りになる。
叩きつけるように根元まで入れると、女は身を震わせて叫んだ。
「かまへん。なかに、なかに出してェッ」
そのとき、穴のまわりが急に盛り上がってきて、筋肉が
ヒクヒクと痙攣した。
「あああ、死ぬゥ…ッ」
こうして夜の明けるまで三回。流石にクタクタになった。
翌日、昼すぎに起きておそい朝めし。帰りは新幹線のホームまで
夫婦で見送りにきた。
少し離れたところに立って、女は眼を伏せている。亭主が
振りかえって言った。
「こいつ、先生に惚れてますんや。もう一度抱いてやって
もらえまへんやろか…」
ベルが鳴る、女は泣いていた。
二、みだらまんだら
大阪からは、その後も連絡が何回もきた。だが私は二度と
行く気持はなかった。泣こうと惚れようと、人妻はもとの巣箱に
返してやるのが良い。そのほうが、きっと好い想い出になるだろう。
そのころ私のところには、時折知らない女から手紙が舞い込んできた。
たいていはマゾ志願か、セックスに飢えてアップアップしている
女たちある。内容は切実で深刻なものが多かった。
岡本みさお、42才からの手紙。稚拙な文章の中に、中年女の焦りと
寂しさが籠められていた。
『あたしは40才すぎの独身の女性で、主人とは別れて中2の
女の子がいます。最近、頭の中からセックスのことが離れなくて、
自分でもどうして良いか困っているんです。現在、恋人も、
セックスフレンドもいないんですけど、とにかく虚しくてセックスしたい。
それがもう一日中、たまらなくなって誰か男の人見つけて
セックスしたいと思うようになりました。だけどちょっと最後の
一線まで踏み切るには、なかなか勇気が出ないんです。
割り切ってやれば良いと思うんですけど、年令的なものもありますけど、
自信がないのでどうしても先生よろしくお願い致します』
吉沢加津、52才の告白。昭和43年3月3日の消印である。
『私、52才になる戦争未亡人でございます。主人以外の男性をしらず、
今日まで生きてまいりました。こういうことは私には縁がない
ものと思って諦めておりました。でも最後に一度だけ、男の方に
触れて見たいのでございます。ただ抱いていただくだけで
よろしいのです。それ以上は何も望みません。恥をしのんで
お願いいたします。眼をつぶって私の思いを叶えてくださる方を
ご紹介いただけたら嬉しいのです。お礼は必ず致します。
若さを失っておりますが、それでも良いと言われれば、
身体を自由にされることも厭いません。どうかお願いいたします』
遠藤千鶴子、37才の場合。マゾ志願で子供が二人いるという。
下腹にタップリと脂のついた肥満熟女で、巨乳を搾ると、
いつまでもジクジクと乳汁が滲み出してきた。
亭主は何をやっているのかわからない。あるいは離婚していた
のかもしれない。子供が学校に行くので、月に一・二度、
日曜日だけマニヤの常連客を取らせた。
本人も牝豚だということを十分に自覚しているので、
何をされても喘ぎながら耐える。
これだけ脂肪があると、鞭で打っても痛さはそれほど感じなかった
ようだ。縛ると肉に縄が喰い込んで幾重にも山型の波ができた。
太腿の間に、濃くて毛の粗い恥丘が盛り上がっていたが、
常連でハメる客はほとんどなかった。口に射精したり、いろいろな
ものを入れて遊ぶのである。こうなるとマゾというより、一種の
玩弄物であった。
辛いとも言わずに六ケ月くらい通ってきたが、ある日突然、
子供が交通事故に遭ったという連絡がきたきり、ぱったりと
現れなくなった。運のない女である。
大塚まり子、33才の場合。 新宿の歌舞伎町、喫茶店のなかで
偶然拾った女である。うわべはごく普通の体型だが、ゆうに人の
三倍はありそうなクリトリスを持っていた。
割れ目をひらくと、真ん中にまるで芋虫が貼りついたように
とぐろを巻いている。摘むとコリコリした感触があって、表皮を
剥き上げると、幼児の亀頭ほどもある珊瑚色の珠がヌルリと
顔を出した。興奮するとパンティに擦れて歩けなくなるという。
穴の感度は良いのだが、それだけではイクことができなかった。
クリトリスを強烈に刺激してやらないと駄目なのである。
オナニーさせてみると、指を三本使って、クリトリスを掻き毟るように
激しく揉んだ。
オモチャではすぐに壊れてしまうので、私は市販のマッサージ用の
バイブレーターを強レベルにして使うことを教えた。
良人は公務員で、強くはないがセックスはノーマル。ときどき
衝動的に他の男が欲しくなるのだと言う。
よろめきという言葉が流行っていて、人妻の浮気はいつの時代にもあった。
三、妊婦小百合の報酬
その年の暮れ、数年前に仕込んだことがある女が、ひょっこり訪ねてきた。
奥田小百合という名前で、当時27才だったから、もうとっくに30才は
超えている。妊娠していて、ひと眼みただけで臨月に近いことがわかった。
用件は、借金の申し込みである。口ごもりながら、出産費用がないので
五万円ほど貸してもらえないだろうかという。五万円はまだ大金だった。
「産んだら一生懸命働いて、必ずお返ししますから、前借り
できないでしようか…」
思い悩んだ末に、もう一度マゾ女として勤めようと決心したらしい。
「でも、子持ちじゃ無理だぜ」
「駄目でしようか?」
「おまんこが元のとうりになるまで、一ケ月くらいはかかるだろう。
おっぱいも出てくるし、まあ、当分は働けねえな」
妊娠やつれした顔に、小百合はありありと困惑の色を浮かべた。
「ほかに道がないもんですから、何とか助けていただけないかしら…」
「お前、マゾやめて、普通の女になりたくて結婚したんじゃなかったのか」
「そんな、私いまでも…」
さんざん弄んだあとの女である。途方に暮れている様子を見ると、
その頃のことを思い出して哀れでもあり、もう一度犯ってみたくもあった。
「お前、本当にオモチャになる気があるんなら、今日からでもやってみるか」
「えっ、でもこんな身体じゃ使ってもらえないでしよう?」
「かまわねえよ。そのかわり一晩で三万、俺が腹の子と一緒に
仕込んでやる。金をつくるにはそれしかねえだろう」
一瞬、女は引きつった顔になった。必要な額には足りなかったが、
その頃としては法外な報酬である。しばらく俯いていたが、やがて
かすれた声で言った。
「お、お願いします…」
歩くのも重たそうな身体を裸にすると、張り出した腹の真ん中に
臍が半分とび出している。膨らんだ割れ目を開くと、クリトリスが
紫色になって、内部にはヌルヌルした半透明の液体が溜まっていた。
「見ろ。変態の癖に人並みに結婚なんかするから、こんなぶざまな
恰好になるんだ」
「は、はい…」
「わかったら口を開けろ…」
感情を失ったように、小百合は跪いて顔を上に向けた。これは以前から
仕込まれている習慣である。
半立ちになったのを唇にのせて、そのままジョボジョボと口の中に洩らす。
「ぐふっ、ゲェッ…!」
泡立った液体をいっぺんに飲み下そうとして、女はあたりに
汚水を噴きあげた。
「馬鹿野郎、ちゃんと飲めねえのか!」
「すいません、ごめんなさい…」
慌ててまた口をひらく。溢れた雫が髪の毛を伝って、乳房や
腹のまわりにボトボトと落ちた。
残った小便を頭からかけてやると、小百合は両手で濡れた髪を
掻きあげ、ベトベトになった顔を涙と一緒に拭いた。
それから風呂に入れて、小便と割れ目のヌメリを落とす。
部屋に戻してタタミに転がすと、グッタリと横になった。
「亭主とは、ずっとやっていないのか?」
顔を伏せたまま、かすかにうなずく。
「そうか、じゃ、今夜は気のすむまでイカしてやろう」
ビクッと小百合は全身を固くした。 淫裂をさぐるとまた新しい粘液が
滲み出している。容赦なく乗りかかると、女は本能的に腹をかばった。
腰を突くたびにハッハッと荒い息を吐く。だが穴は軟らかくて、あまり
手応えはなかった。孕み女を犯すには、やはり後ろからヤルしかない
ようであった。
「ケツを上げろ!」
腹を抱えた女を這わせて、犬のようにハメる。やがて肉がヒクヒクと
痙攣をはじめた。
「許してッ、アッ助けてください…ッ」
絶頂に達しそうになると、小百合は必死に快感から逃れようとしてもがいた。
「ああもうッ、こ、子供が…」
「怖がることはねえ。そんなに気持ちいいんなら腹の子と一緒にイッてみろ!」
「クウッ、クッ、クッ…」
それでも一晩かかって、嫌応なしに四・五回はイッた。
次の日の午後、一万円札を三枚、まだ精液が残っている穴の中に
押し込んで、そのままパンティを穿かせた。
「いいか、産むなら女にしろ。お前の娘ならきっと良いマゾになるぜ」
小百合は哀しく微笑して頭を下げた。
足りなかったぶん、どこでどう工面したのか、年が明けてから簡単な
葉書がきた。
『やはり女の子でした。きっといい子に育てます。主人とは、近いうちに
別れるつもりです。本当に有り難うございました』
育っていればもう25才。小百合が仕込まれていたころと同じ年令である。