乱交マージャン





一、マージャン仲間


「ツモ、また満貫だな」

 三色ドラドラのリーチ、あっけなく最後の勝負がついた。

 外はまだ暗い。時計を見ると明け方の4時過ぎであった。

「よし、今日は雑魚寝だ」

 私は牌を崩しながら言った。どっちみち、トップは不動である。

「布団を敷けよ。二・三時間グッスリと寝れば元気が出るぜ」

 夕方からジャン卓を囲んでいたのは、このマンションの住人の早苗、その友人の

恭子、私と私が連れてきたマゾ女の昌代である。 それぞれ早苗が経営している

バー『翡翠』の常連だが、マージャンは今日が初顔合せだった。

「いや、困る…」

 早苗が、ちょっとテレたような笑いを浮かべながら言った。

「うち、お布団が2組しかないのよ。どうしよう」

「誰か、俺と一緒に寝れば良いじゃないか、俺は構わんよ」

「そりゃ先生は構わないでしょうけど…」

 男一人に女三人、お互いにいまさら恥ずかしがって騒ぐような

年令ではないが、やはり気になるのだろう。 早苗は半分冗談のように言った。

「だけど一緒に寝る人は災難よねぇ」

 なるほど、組合わせによっては面白いことになりそうである。

「そうか、それじゃいちばん負けた奴が俺と寝ろ」

「えッ」

 恭子が顔を赤くして首を振った。

「私は駄目よ、やっぱり昌代さんと…」

「いえ、そんな…」

 女たちの前で調教されるようなことにでもなったら大変だと思った

のだろう。点棒をプラスにしていた昌代があわてて尻込みする。

「そうねぇ、恭子はハコテンだもんね。仕方がないよ」

 結局早苗の判定で、罰ゲームのようなかたちで恭子が私の横に

寝る羽目になった。36才で、アパレル関係のデザイナーである。

 女たちが一斉に着ているものを脱ぐ。

 狭い部屋の中にヨーグルトの甘く酸えた匂いが溢れだした。

下着は付けているが、熟しきった肉体が発散する女の性臭である。

「先生は馴れているから、こんなおばさんの裸を見たって感じないでしょ?」

 早苗がスナックのママらしく、冗談めかして言った。

「そうでもないぞ。こうやって女盛りのフェロモンに囲まれるとムラムラくるな」

「あらいやだ、浮気するとお相手さまが妬きますよ」

 要するに、昌代が可哀そうだから恭子には手をつけるなと言っているのだ。

 表向きは会社勤めということにしてあったが、私が昌代に手をつけて

いることは早苗も承知していた。

「わかったよ。今夜は疲れた」

 先に横になって、見ると恭子が後ろを向いて髪の毛を梳いていた。

タップリと男を意識したポーズである。


「早くしてよ。寝る時間がなくなるわよ」

 素顔を見せたくないのか、化粧落しもそこそこに早苗は部屋の

明かりを消した。

「おやすみ…」

 誰も返事をするものはなかった。

 なるべく身体が触らないように、恭子が隣りに滑り込んできた。

 すぐ横の布団に早苗、いちばん離れて息を殺しているのが昌代である。

恭子は背中を向けて、そのままじっと動かなくなった。

 ほんの2・3分、奇妙な沈黙が続いた。

 体温のぬくもりと一緒に、背中からかすかな息使いが伝わってくる。

こんなとき、何もしないで眠ってしまうテはなかった。

 さりげなく寝返りを打って、肩越しに手を延ばすと、恭子は身体を

固くして、腕で胸の膨らみを庇おうとする。かまわず肘を押しのけて、

私は無造作に乳房を握った。

 小柄だが、盛り上がった乳房はそれほど崩れていない。指先で

乳首を摘むとブルッと身体が震えた。

 だがお互いに大人である。恭子も悪騒ぎをする様子はなかった。

しばらく乳首を弄んでいると、じっとりと胸が汗ばんで、ときどき身体が

ヒクヒクと反応する。感度は悪い方ではなさそうである。

 たまりかねたように、恭子がキュッと手の甲を抓った。

 やってみるか…。

 隣りの柿をもぎ取るような気持ちで、私は腕をウエストのくびれにまわした。    



二、熟女の淫汁


 脂肪ののった下腹部にパンティがぴったりと貼りついている。

 こちらに背中を向けているので、後ろから腰を抱いて内股に手を

差し込むと、恭子が手首を掴んで、何とかパンティの中に入れさせまいとする。

 仕様がねぇな…、

 パンティの上から、指で陰毛の形や土手の感触をさぐってみると、

じっとりと湿り気が滲み出しているのがわかった。十分に発情しているので、

ここで引き下がってしまったのでは元も子もあるまい。

 だが恭子にしてみれば、他の女たちの手前もあってこれ以上は

犯されたくない。セックスに熟れた女と、それをいただこうとする男の淫らな

無言劇である。

 握られた手首を強引にパンティの中に突っ込む。ジャリッと、わりと濃い感じの

陰毛が掌に触れた。

 深く切れ込んだ陰裂をえぐると、なかはもう驚くほど濡れていた。

あわてて腕を抜こうとするのを、穴の入口に指を引っかけてクリトリスを

捏ねる。

「あふぅ…ン」

 恭子は、微かに鼻を鳴らした。

 指を動かすたびに、クリトリスがヒクヒクと痙攣する。勃起した男根が

跳ねるのと同じ理屈である。だが片手しか使えないので、それ以上の

刺激は無理であった。

 そのとき、早苗が無言で寝返りを打った。 やはりまだ寝付いていない。

モゾモゾとこちらの布団が動くので、気になって眠れないのだ。

 ちょうど良い…。

 右手でクリトリスを弄びながら、空いている左手を延ばして早苗の

布団をさぐる。

「ん…?」

 指が二の腕に触れると、思いがけなく、早苗はためらいもせず握り返してきた。

 いつから欲情していたのか、こいつは拾いものである。

 だが、これではいかにも距離が遠い。

 ふたつの布団の間には、幅30センチほどの隙間があった。つまりそこだけ

タタミなのだが、こうなったら、もうどちらに気兼ねする必要もなかった。

 こっちへ来い…!

 恭子の中に指を突っ込んだまま、早苗の腕を引っ張る。

「ク、ゥゥ…」

 恭子がピクピクと腰を跳ねた。

 いつの間にか握っていた手首を放して、股が半開きになっている。

 コリコリした肉の粒を掻きあげてやると、みるみるうちに下半身が硬直して、

半分いきかけたところで、私は未練もなくパンティから腕を抜いた。

「アァウッ」

 身体の向きを変えて早苗を引き寄せると、多少の抵抗はしたが、

逆らいきれずに寝間着のままタタミの上にズリ出してしまった。

 窓がカーテンなので、そろそろ外が明るくなって、半分露出している

乳房が妙に艶っぽく見えた。腰をひねって股の間に足を入れると、

太腿でギュッと締めつけてきたのはさすがに水商売の女である。

「い、いやよ」

 言葉とは反対に、両手を私の首に巻きつけると、耳もとに顔を寄せて

息だけで囁く。

「恭子を犯ったんでしょ」

「ヤルわけねぇだろ。よく眠ってるよ」

「うそ、悪い人…」

 そのとき、恭子が思いきり脇腹を抓った。

「アッ、痛」

 このやろう…、

 窓明りに透かしてみると、恭子が眼をパッチリと開けて、恨めしそうに

こちらを睨みつけていた。心と身体がアンバランスになった女のナマナマしい

嫉妬である。

「どうしたの?」

「いいから脱げよ。ぐっすりと眠れるようにしてやる」

 早苗は少し腰を浮かして、自分でパンティを取った。

「知らないわよ。こんなこと私初めて…」

 構わず早苗の上に乗って男根を当てると、中はもうドロドロになっていた。

「いいか、入れるぜ」

「アッ、アッ、あひィッ」

 この場の雰囲気に酔っているのか、前後の見境もなくしがみついてくる。

早苗は、とうとう露骨な声を上げた。

 腰を使いながら、片手を恭子のパンティに入れる。もう手首を抑えて

遮ろうとする様子もなかった。

 指がクリトリスに触れると、恭子はヒィッと息を引いて顔を歪めた。

 布団の端の方で、昌代が相変わらずジッと息をひそめている。    



三、 理性の仮面


正体を見せてしまうと、30女の性欲は凄まじかった。

 徹夜マージャンの後で、どこにこんな欲望が溜まっていたのか、

ブルブルと身体を震わせて先にイキはじめたのは恭子である。

「いやァ…ッ」

 恭子が指でイカされているのがわかると、早苗は狂ったように下から

クリトリスを擦りつけながら呻き声をあげた。

「も、もっとヤッて…」

「それじゃ穴を締めてみろ」

「あぁぁ、快いッ」

 それでも神経が昂ぶっているせいか、早苗はなかなかイカなかった。

こちらも疲れているので容易に射精まで達しようとしない。

嫌がっていた筈の恭子だけが止めどもなく快感を吐きだしていた。

「イッ、イク、はぁッ、いく…」

「待ってろ、こいつ凄いぜ」

 女を乗り換えようとすると、早苗があわてて抜かれた男根を握った。

「駄目ェ、もう一度ハメてッ」

「もういいだろ、さっきからサービスしてるじゃねぇか」

「い、意地悪…」

 早苗を捨てて、恭子の脚を抱えると思いきり広げる。根もとまで濡れている

肉塊を突きつけて、そのまま腰を落とした。

「うぇぇぇッ」

 乳房が弾むほどのけ反って、恭子は両手で肩を押し退けようとする。

「ア、悪魔ッ」

「おいおい、こんな気持ち良い思いをさせてもらって、悪魔はないだろう」

「アァッ、いッくぅ…」

「恭子ッ、やめて」

 ようやく起き上がった早苗が、繋がっている二人の股間に腕を入れた。

「いやよゥ、こ、こんなことしてッ」

 夢中で埋まっている男根を穴からはずそうとする。女でなければ

考えもつかない異常な行動である。

「昌代、ちょっと来い」

 私は、先刻から布団をかぶったまま身動きもしない昌代を呼んだ。

「バカ、いつまで寝たフリしているんだ」

 モゾモゾと布団から身を起こして、昌代がこちらを向いた。

「こっちに来て、ママの代わりに舐めろ」

「えッ…」 寝乱れた髪がバラバラになっている。

「早くしろっ」

「はは、はい」




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