25・ 犬 飯
紫織の態度や気持ちが変わったのは、エリカとの夜があったその後のことである。
絹枝が、キネ子に犯されたことを娘に言わない分、紫織の妄想は、膨らむだけ膨らん
でくる。
絹枝を紹介したのは、自分がご主人様への生贄になって、
いわゆる母娘どんぶりを体験させられた見返りといえないわけでもないが
絹枝が受けた被害を思うと、このままではおさまりがつかないような気がする。
何か新しい方法で、母親の神経をもとに戻してやりたい。
それが、紫織のそのときの偽りのない気持ちだった。
その頃、絹枝がご主人様のマンションを出されることになった。
ぼんやりとした顔で戻ってきた母親が
「ご主人様のお嬢様が外国から戻ってきてあのマンションに
お入りになるのですって」
言い訳をするように紫織に言った。
それを聞いたとき、紫織が
あっ ご主人様に捨てられたな
と直感する。
まだ、高校生になったばかりだが、紫織はそんなことを理解できるような
女になっていた。
あらためて母親と二人の生活が始まるのだろうか。
紫織には、自信はなかったが、戻ってきた母親を拒む理由も見当たらなかった。
「ねぇ、あんた。あんた犬なんだろう?ここの主人はあたしなのよね」
「ええ」
あいまいに笑いながら絹枝が頷く。
母親としての権威は、どこにもなかった。
その晩、紫織は携帯で久しぶりに健に呼び出しをかけた。
「なんだよ、今頃」
「うん、ちょっとねぇ。うちへおいでよ」
「なんだ、またやろうっていうの?」
「ううん、あたしは不自由していないもん。健ちゃんが飢えてると思ってね」
「え、女がいるのか?」
「うふふっ」
紫織は、それだけしか言わなかったが、健には通じたようだ。
男が女とやれるならどこへでも飛んでいく、健はそんな年齢である。
マンションに訪ねてきた健が、母親の絹枝を見て えっ?という顔になったのは
無理もなかった。
「健ちゃんなら、この人とでもやれると思ってさ。」
買ったばかりのセミダブルのベッドに横になったまま、紫織が言った。
「やってもいいよ。やれるんだろう?年とっちゃってるけどさぁ」
絹枝は無言だった。紫織がさせようとしていることが、そのまま理解できる。
娘の前で犯されることが、犬としてこの部屋に住むことの条件なのであろう。
しばらく考えていたが、まぁいいや、と納得した感じで健が言った。
「脱がせてもいいのか?」
「いいよ、ご自由に」
健の腕が 絹枝の襟がみを掴む。わずかに仰け反りながら絹代は、
グフッっと咽喉を鳴らした。
母親の太ももが剥き出しになる、その白さを紫織は凝視していた。
「この子、案外、いい道具持っているのよ。あんたも悦ぶかもね」
ベッドの横に押し倒された絹枝は、ぼんやりとした顔で娘を見上げた。
「入れるぜ、いいか」
「ご主人様に捨てられたんだもんね。誰とやったっていいじゃん」
紫織は、自分より年下の女に向かって言うようにいった。
「でも、道具はそんなに壊れてなんかいないと思うけどね」
母親としてこれ以上の屈辱はなかった。
娘にセックスの道具扱いで呼ばれて何の反抗も出来ない。いや、
反抗する意思そのものを失っていた。そこにあるのは人間ではなく、
母親という名の生殖器を持った一個の肉の塊である。
だが、次の瞬間、おまんこにグサッと肉の感触が突き刺されたとき
そこから白い玉のような感覚が身体を突き抜けて、脳天で爆発したのを
絹枝は感じた。
「うぇぇぇぇ」
健が両手で絹枝の腰を抱えて、ぐいと引き寄せる。それほど大きくはない健の肉棒が
根元まで見えなくなった。
「やって、もっと、思いっきりイカせてっ」
ベッドの上で紫織が気合を入れた。
「グッ・・・グッ・・・」
声のないリズムで健が腰を入れる。いつのまにか、半開きになった唇からその度に空 気が洩れた。
リズムがだんだん速くなる。ベッドの紫織が半身を乗り出して、その有様を観察して いた。
「だめだぁ、俺、いっちゃう」
「えぇ、何故よ?早いじゃん。」
「お前のおっかぁだと思うと、たまんねぇんだ。気分乗っちゃって」
「ハハハッ」
紫織は乾いた声で笑った。
痴呆のように身体を広げた母親の姿が嬉しかった。
「この人、本当に犬になっている・・・」
それは、常人には想像できない光景であった。
だが、紫織には当然のあるべき姿に思えるのである。
健に母親を提供したことで、これでサッパリと別れることができると思った。
「おいっ、なんとかしろ」
健が切羽詰った顔で紫織を見上げた。
「イってもいいんだよ。それとも、口の中へ出す?」
「うん、孕まれるとやばいからな」
「じゃぁ、飲ませて。嫌とは言わないから」
もう限界まで達していたのであろう。
健は引き抜きざま絹枝の髪の毛を掴んで自分の股間に当てた。
ゲフッ たちまち大量の精液が漏れ出したようであった。
仰向けになったまま、首だけ曲げて絹枝は噎せるのに耐えた。
「ウワッ 全部飲んじゃったぁ、 さっすがー」
そんな絹枝の行為が、紫織には妬ましくさえ思えた。
「ついでに全部舐めな、お世話になったんだから」
精液を放出した後の弛緩した気持ちで健はうすら笑いを浮かべながら舐めさせている。
「なんだか、犬に餌をやっているような気分になるな」
呟くように健が言った。
26・ 淫肉の絆
伝次郎が久しぶりに家に戻ってきたのは、それから一週間も経ってからであった。
その間、紫織と絹枝は娘と母というより、飼い主と犬といった立場で過ごした。
食事は絹枝が作るがそれは紫織の分だけ。
自分の食料は、コンビニから買ってきたカップラーメンやおにぎりである。
何故そうなったのか。
話し合ったわけではないが、これも自然の成り行きであろう。
ベッドはセミダブルが一つ。絹枝はその下に毛布を敷いて寝ることになる。
伝次郎が戻ってきたとき、二人の暮らしぶりをみて目を丸くしながら言った。
「なんだ、こいつは。また男に捨てられたのか」
ズバリ確芯をついた言葉に紫織は目を丸くして言った。
「えっ、お父さん、どうしてわかっちゃうの?」
「決まっていらぁ。この女が戻って来るなんて、それしかねえだろうが」
「そうだねぇ、お父さんスゴイ」
溶けるような目で伝次郎を見る紫織にとって、恋人以上の存在なのである。
絹枝は自分の立場がどの位置にあるのか、理解していないわけではなかったが
どちらにせよ、反抗する気持ちは毛ほどもなかった。
娘と夫との関係を認めるというより、それがこの家の実態なのである。
その夜、紫織は当然のように丸裸で伝次郎の横に添って肌を密着させていた。
母親の存在は全く意識の中に入っていない。
これから始める伝次郎との営みだけが紫織の全てであり、肉体はもうすでに
情欲の塊になっている。
「お父ちゃん・・・」
身体をずらして、腰を伝次郎のやわらかい腹の上に乗せ、足を胸で絡んで
当然のように父親の性器にしゃぶりつく。
両手を頭の後ろで組んで天井を見上げたまま、伝次郎も絹枝の姿は眼中になかったようだ。
「ねぇ、ちょっと。タオル持ってきてよう」
伝次郎を舐め上げ舐めおろしながら、紫織が部屋の隅に向かって言った。
「あたしのおまんこ拭いて、汚いの、恥ずかしいから」
奉仕というよりやらなければならない女の勤め、絹枝がそっと足元へ来て、
タオルで娘の割れ目を拭こうとすると
「アッ、感じちゃうじゃん、そんなにしたら」
反射的に足で絹枝の肩を蹴りながら紫織が言った。
「裸になんなさいよ、あんたも。洋服なんか着て失礼じゃない」
陰毛から下腹、臍のまわり、乳首と舐め上げながら、紫織は伝次郎の首筋に顔を埋め た。
「おおい、重くなったなぁ。」
伝次郎が笑いながら紫織を逞しい筋肉の上に乗せる。紫織は子犬のように
父親を股いだ形になった。
「ど、どこなの?お父ちゃんのちんちん」
穴に入れようとするのだが男根が上を向いて突っ立っているので滑って
入らないのである。
「ちょっと、あんたぁ。手伝って、入れてよ」
反射的に絹枝が天井を向いた肉棒に指を添えて娘の陰口に押し当てようとする。
「ううん、下手!ちゃんと入れてっ」
絹枝はそれが自分に課せられた唯一の勤めであるかのように、真剣だった。
ようやく入り口が亀頭を噛む。紫織が腰を落とすと、ヌメリをぬぐった後の肉片が
内側へ捲くれ込んでブチッ音を立てた。
「うわぁ、快いっ」
伝次郎の上で紫織の肉体が弾むように痙攣する。
父親の男根を挿入されただけで、全身が痺れ絶頂に達したままの快美な感覚が
絶え間なく続くのである。
それに反応して、手足の筋肉がビリビリと震えた。
おまんこが男の肉塊を咥えて蠕動するのが伝次郎にも伝わって
そのまま身体を動かそうとせず快感を味わっているようであった。
「ねえ、あんたっ。見てよ、見てよ、私のおまんこ」
無意識に紫織は叫び声を上げた。
娘の狂態を見て、何を感じているのか絹枝は
痙攣する紫織の太腿を愛撫するように擦っている。
その度に、多少弛みを帯びた乳房が微かに揺れた。
「おいっ、お前、おまんこを持ってこいやぁ」
何を思ったのか伝次郎が絹枝に声をかけた。
それに応じて、位置を変えた絹枝に伝次郎の指が伸びる。
「あっあっ、うんっ」
中腰のまま股間に指を差し込まれて絹枝が悲鳴を上げた。
「ひぃー」
腰を浮かせてガクガクと尻餅をつきそうになるのを必死で耐えながら
絹枝は娘の背中に思わず片手をついた。
伝次郎にしてみれば、紫織のように同性ではないから
自然に男と女の感覚が生まれるのであろう。
痙攣する娘の感覚を楽しみながら、もう1人の女の性器を弄ぶのが
当然といえば当然であった。
「おいっ、二人のおまんこ、並べて見せろや」
紫織を腹の上から下ろして、半身起こしながら伝次郎が言った。
「お前もここへ来て、おまんこ並べろ」
「いいよ、見て、見てぇ」
狭いセミダブルのベッドの上で二人の女を向き合わせるためには
伝次郎が立ち上がらなければならない。
娘と女房と新旧の女の性器を並べて見下ろしながら、
「 ウハハッ ウハハッ」
伝次郎は満足の笑みを浮かべた。
「さてと、どっちのがいいか、試してみよう」
女たちの脚を交互に組み合わせて肩にかけると、伝次郎は絹枝の股間に
身体を入れた。
二人とも性器は毛を剃ってつるつるである。
そこに毛深い男の赤黒い肉塊がもろに突き刺さる。
2・3回腰を動かすと、容赦なく引き抜いて娘の側に回った。
二人の女たちの快感は、どちらに入れても共通して高まるようだ。
抜かれても、母親がもがき狂っている様子を感じれば、紫織の快感は
否応なしに高潮した。
「ねぇねぇ教えてよぅ。どっちが良いの、あたい気が狂いそうっ」
絹枝も同じだった。娘への嫉妬、倫理観、タブーから解放され
肉欲の極限に達した女だけが感じる恍惚と陶酔。
この感覚が、一生続くわけではないが、極めることができた悦びは
これ以上のものではなかった。
全身が爆発しそうになるほど燃える。母と娘の性器が連動して、お互いの
快感を高めるのだった。
「幸せだよぅ、紫織紫織っ」
絹枝が、我を忘れて叫んだ。
「うははぁ、かぁちゃんっ、いく、いくよぅっ」
「いっていってっ、わ、わたしも、くくくぅぅっ」
並んだ性器が激しく痙攣する。男根が交互に抜き差しされるたびに
女の肉体が硬直した。
伝次郎の持っている性欲の全てが、娘と女房の性器に注入され、
全身の血管を巡って、神経の隅から隅まで行き渡る。
そこには、人間の理性はあとかたもなかった。
だが、畜生とは違う。
人間の女だけが味わうことのできる至福の境地である。
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