一週間ください・・・
(承)


by ・ LEON


その朝も、夏の日差しが夜明けからアパートをギラギラと差し込んでいた。

「今日も暑い一日になりそうだ・・・」

「もう、せみが鳴きだしているじゃないか!」

「そろそろ、目覚ましがなる時間かな?会社か今日も・・・」

 

梅雨明け後の一週間ほど、辛いものはないと私はかねがね思っていた。

とにかく、出る言葉、出る言葉、

 

「暑い、暑い、それでも暑い」

 

会社でも、客先でも、友達と会っていてもとにかくこの言葉を言わなければ、

一日が始まらないほど、皆言うのが気に入らない。

汗が引かなければ引かないほど、慣用表現というか、挨拶以上の挨拶のような気がしてならないでいた。

「暑い」と言ったところで、どうこうなるわけでもないのに、人というのは所詮

愚痴りたがる、生き物であるのだろか。

 

犬や猫は暑くても、愚痴る言葉も発せられないのであるから。

「犬や猫は、暑いときはどんな感情をもって、愚痴ったりするのか」

などと、訳のわからない、自問自答をしてしまうのもこの暑さのなせるわざか。

 

一人、ベッドで額に汗をかきながら、目覚めのモードに自分を切り替えようとしていた

とき、電話のベルが鳴る。

 

「誰だ、こんな朝から・・・、まったく」

 

トイレに行くのも、諦め受話器をつかみそして話す。

 

「はい」怪訝そうな私の声。

「もしもし、あのぉ、おはようございます、この間はどうも・・・」

一瞬言葉に詰まる。

「Y子?」

朝の突然の目覚ましに、驚きを隠せずにいた。

「はい、この間はありがとうございました。とても、楽しかったです」

「どうして、こんなに早くから電話して・・・」

「子供が起きないうちにと思いまして・・・」

「そうか・・・、ご主人は?」

「今日も出張でおりません」

「そうか。今日まさか電話をくれるとは思わなかったから、うれしいぞ、Y子」

「ありがとうございます。私も、電話をしたかったのですが、いろいろ・・・家庭もありますので」

 

「明日はどうする?来られるのか?夜」

唐突に、本音が出てしまっていた。

 

「はい、お伺いするつもりです。只、事情で行けないときは申し訳ないと思いまして、今、電話してしまいました」

「気にしなくても、いい。私は基本的に、来るものは拒まず、去るものは追わずが

心情だから・・・」

しかし、内心では絶対来て欲しいと願っていたのであった。

 

くすっと、笑った後に

「あ、ありがとうございます」

「なんだ、Y子から初めて、笑いがでたじゃないか」

「そうでしょうか、普段は、ストレスが多くてなかなか笑い声もでずにいるので」

「子供をしかったり、主人の言動が気にいらなかったりで・・・」

 

「本当は、快活な性格なんだろ、Y子は」

「学生の頃は、テニスとかサークル活動も活発だったのですけれど、結婚してからは、

めっきり」

 

「そうか・・・、いろいろあるからな人生は」

 

などと、突然にセンチな気分に浸っていると、ふと気がつけばもう20分ほど会話しているのであった。

会社に行く時間がどんどん、せまってきていたのも忘れていたのであった。

 

「お前と、もっと話していたいのだが、そろそろ着替えて会社に行かないといけないので・・・」

 

「あっ、すみません。そんな時間になってしまいまして・・・」

「気にしなくていい、又、電話しなさい。夜にでも、Y子」

「はっ、はい。ならば、今夜してもよろしいでしょうか?」

「もちろん、楽しみにしているさ、時間は?」

「10時過ぎにでも、子供を寝かせますので」

「子供を寝かせた後は大人の時間というわけだな?、Y子」

「大人の女性はあそこを濡らして、電話するんだろ?えっ、Y子」

「そんな・・・」

「そんな・・・じゃない、そうだろ!Y子」

数秒の沈黙の後、観念したのか

「はい、そうです」

私は矢継ぎ早に、

「私、Y子は大人の時間の時はいつもお○○こを濡らして電話しています、そう言ってみろ!Y子」

 

「そんな、言えません、いや!」

「なら、電話をしてこなくていいぞ」

「そんな・・・」

「言えないのか?」

しばらく沈黙がつづいたあとに、小声が帰ってきた。

「わかりました、言います」

「わ、私、Y子は大人の時間のときはいつでも、お、お、お○○んこを濡らして電話しています・・・、恥ずかしい」

 

「そうか、わかった、淫乱なメスだなお前は・・・」

「そんな、淫乱じゃありません、命令で言えといわれたからです」

むきになるとなお更苛めてやりたくなった。

 

「私のせいか?Y子」

「そんな・・・」

「私が悪いのか?」

「いえ、私がいいたくて言ったのです」

すっかり小声になっていた、Y子にこの瞬間私は初めて上下関係が築かれたと思ったのであった。

 

「そうか、そうだな!」

「はい」

「夜の電話を待っている、いいなY子」

「はい、わかりました」

 

朝からの日差しは、ますます夏を我が物顔に街を照りつくし、焼けたコンクリート、

車からの排気ガス、エアコンの室外機、すべてがいらいらする対象物であった。

 

客先で、気が利かない受付などは汗だくに真っ赤な顔をしているにもかかわらず、

暑いお茶などだしたりするといつもこう思っていた。

 

「この野郎!お前は俺に我慢くらべでもさせるつもりか、どブスが!」

「このお茶をお前の、たいせつなところに注ぎ込んでやれたら、俺はさぞすっきりするさ!」

 

そう思いつつも、口ではこう言うのが大人である、そう大人。

 

「ありがとうございます。おかまいしないで下さい」

 

仕事も、手につくかつかないかの中で、今夜のことを考えていた。

「今夜は電話がくるだろうか、いや、来るはずだ」

 

「今夜は、どんな方法で苛めてやろうか・・・」

などと、獲らぬ狸の皮算用などまでしているのであるが、しかし、自分の股間は嘘はつけない。

 

「この人妻をものにしてみたい・・・」

「どんな、身体をしているのか?どんな声で鳴いてくれるのか・・・」

 

理性と本能が殆ど逆転してしまっていたのであった。

 

街行く子連れの親子を見たりすると自然に目が、追ってしまっている。

 

「この奥さんも、心の中ではどんな妄想をもっているのかな」

 

綺麗に着飾っていればいるほど、そういういやらしい目で追ってしまっている自分がいたのであった。

 

ようやく、夏の日差しが少し落ち着き始め、日が西に傾き始めた頃、自分の太陽は

まさに、夜明けのような気分であった。

 

「今夜、そして明日は絶対に邪魔されたくない、Y子との時間だけのために」

「どんな、仕事や約束も入れたくないし、入れて欲しくない」

 

そう思うだけで、むずむずに拍車がかかってしまい、電車に乗っていても股間を気にする自分に

ふと気づいてしまうのであった。

 

「この電車に乗っている中で、今、見ず知らずの女性に縄をかけようとしている男がどれほど、

いるだろうか?いや、私しかいない」

 

そう思っては、一人ほくそえんでいた。

 

夕飯を外食ですませ、アパートに着いて暑い部屋の窓を開けると夏の虫が一斉に耳に入ってくる、

遠くで流れる車の音。そして、夏の夜を一層なお暑くするネオン。

今夜も寝苦しい夜を演出してくれていた。

 

テレビを見ながら、昼間の疲れと暑さの疲れからか、自分の世界にふと浸っているときに電話は鳴った。

 

「はい、もしもし」

「もしもし・・・Y子です」

「かけてくれたね」

「約束ですから・・・」

「約束ではない、命令だろ」

「あっ、はい」

「もう、Y子には約束などという言葉はない、かわりに命令という言葉が

あるんだ、いいな」

「はい・・・、わかりました」

「今日の下着は?」

「はっ、あ、はい。ベージュのブラとショーツです」

「ベージュは私の好きな色ではないと言ったろ」

「すみません、でもあまり派手な下着はないですし、夏ですので目だってしまいます。

周りから、変な視線で見られてしまいます」

 

「そうか・・・」私は、一応納得をした振りをして、実はものにしたら私の色に染めてやろうと

自分に言い聞かせていた。

「子供はもう寝たのか?」

「はい、寝かせつけました」

「ご主人は、いつまで出張だ?」

「明日までです」

「帰ったら、サービスをしてやるんだろ?」

「いえ、そんなことは全然ありません。主人とは性格が合わないんです」

「なるほど・・・、まぁ、いい。お前の家庭のことにとやかく口出す筋でもないからな」

「ところで、今日は一日何をしていたんだ?Y子は」

「あっ、はい、普通に主婦を・・・」

「洗濯したり、掃除したり、近所に姑も住んでますので、姑の面倒もして・・・子供を送りだした後は」

「そうか・・・、仕事はしていないんだな?」

「はい、パートでもしようと思っているのですが、もう少し子供が大きくなってからと思ってまして・・・」

 

「なるほど、それがいいな」

「ところで、こういう世界に興味を持ったきっかけは?差しさわりのない範囲でいいから、教えてくれるか?Y子」

 

「前にも話しましたが、結婚前の彼がそのようなことに興味があったみたいで・・・」

「その頃は、こういう世界のことなど全然分からなかったので、変なことをする人と思い、怖くなって別れてしまいました」

「縄とか、ローソクとか何に使うのだろう・・・などと、考えたりして」

「それで別れて、今のご主人と知り合ったんだな?」

「はい、会社のサークルを通じて・・・」

「それが、なぜ今興味をもってきたんだ?本まで読んで?」

「その後になって、そういう世界のことを知ってから・・・、あの頃のことが急に蘇って・・・、

なんか縄で縛られてみたいと思ってしまって。日ごろのストレスもあるのかもしれませんが」

「でも、縛られたことはないんだろ?Y子は」

「手首を軽く、拘束された程度です」

「そうか・・・、なら、全身を縄で縛られてしまったら、どうなると思う?Y子」

「わかりませんが、かなり・・・」

「かなり?」

「身体がきゅんとしてしまいそうです、力が抜けて」

「さぞ、濡れるんだろうな」

「え?、そ、うぅううん、たぶん・・・」

「たぶんじゃないだろ!、絶対だろ!」

「あっ、はい!恥ずかしいです」

「乳首も立って、クリも尖ってしまうんだろうな、Y子は」

「いや・・・」

 

「ところで・・・趣味は?Y子の?」

「あまりないです、昔は、テニスなどしてましたが。あとは読書くらいで」

「映画とか、テレビは?」

「見ません、見る時間もあまりないので・・・」

「ソドムの市という映画を知らないな、ならば」

「知りません、どんな映画ですか?」

「イタリアの巨匠、ピエロ・パオロ・パゾリーニという監督の作品で、人間の本能を曝け出させた映画さ」

「一箇所に、集められた村の若い男女に対して、好き勝手放題に権力者達が、

弄ぶという映画さ」

「どんな風なことを?」

「首輪をされて、鎖につながれ、排泄管理や、食糞までされるんだ」

「すごい・・・、私にはとても、でも見てみたいです」

「そうだろうな」

「私が、この世界に興味をもったきっかけになった映画だ、まだ、17歳の時だった」

「今みたいに、レンタルビデオもパソコンでのダウンロードもない時代だったから、成人映画を見るとなると、映画館しかなかったんだからな」

「ソドムの市は、成人映画ではなかったがな」

「30年も経ってみると随分、性が身近に手に入るようになったもんさ、こうしてマゾ女性と話ができるんだからな」

「はい、そうですね」

「話が、私のことになってしまって、わるかったな」

「いえ、そんな・・・」

「明日はどんな格好でくるつもりだ?、Y子は」

「たぶん、スカートにブラウスで伺うと思います」

「下着は?」

「白、かベージュで・・・、許してください」

「そうか、恥ずかしい下着をしてくるのも、ノーブラ、ノーパンで来るのも

嫌だろうからな」

「そんな、下着を着けずになど、恥ずかしくて歩けません」

「だったら、二者択一で恥ずかしい下着を着けるのと、下着を着けずに来るのと、どちらかを選べと言ったら、

どっちにするんだ?お前は」

 

「そんな・・・、そんなことは両方できません、胸が揺れてみんなから露出狂の変態扱いされてしまいます」

「かなり胸は大きかったんだったな、Y子は」

「テニスの合宿のときなどは、コートの横に知らない車が何台か止まったりしてて・・・、

知らないでテニスしていて、終わるといつの間にか車もなくなったりしてたので」

「ほう、お前を見ていたのかな?大きな胸が揺れるのを・・・」

「わかりませんが、友達に聞いたら、私を見ていたって言ってましたので・・・」

「翌日からは、さらしを巻いてしたりしてました・・・」

「Y子に魅力があるから、みんなも注目していたんだな、りっぱな胸に感謝したらどうだ?」

「そんな、嫌です。恥ずかしい・・・」

「素敵な青春の思い出だな、Y子」

「皆、胸を見るんです・・・、普通に会話してても、だからあまり胸の目立つ服を着るのは嫌なんです」

 

この直後に、心の中で私の悪い心が芽を出していた

「そうか、こいつをものにしたら胸を強調する恥ずかしい服を着せてやろう」

それが、サディストとしての本望でもあるからな。

 

気がつけば、夜は11時を過ぎ夜も静けさを取り戻しつつあった。

 

「Y子、今日もオナニーをしたいんだろ?」

私は唐突に、意地悪く質問してやった。

 

「えぇ?はっ・・・、は、はい、実は」

 

私は、まだ二回目の会話でこの人妻の本性を見抜いていた。

苦痛でいくタイプというより、羞恥や快感でいくタイプと踏んでいた。

旦那との夜の行為もないまま、中年の人妻にとって快感を得られないのは、これ以上の辛いことはないはずと読んでいた。

 

性に満たされていないから、私のところに電話してきたのであるから、

その満たされない部分を私が、補ってやろうと。しかし、普通に満たすのであれば、テレクラでも行って、

癒してもらえばいいのだが、私に満たして欲しいという意味は

もう一歩踏み込んで考えてやらないと、一時の、付き合いになってしまうだろうと思った。

 

「そうか、オナニーをしたいんだな、Y子は」

「あっ、はいお願いします」

「どこをどうしたいか言ってみろ、Y子」

「は、はい。クリをつまんで感じたいです」

「クリがあるところは、今どうなっているんだ?」

「はい、びじょびしょになっています」

「いつから、そんなに濡れていたんだ?お前は」

「はい、電話でお声を聞いたときからです」

「淫乱なメスだな、お前は」

「そんな・・・」

「乳首はどうなっている?今」

「とっても、立ってしまって痛いです」

「そんなに立つ身体なのか?」

「わからないですけど、乳首がすごく敏感なんです」

「胸の大きな女性は、乳首が鈍感と聞いていたけど、お前は例外だな」

「わからないです、感じてしまいます、乳首も触ってよろしいでしょうか?」

「触ってよろしいでしょうか?ご主人様だろ!」

 

私はここで始めて、「ご主人様」という言葉を、この人妻Y子から勝ち取ろうと嗾けたのであった。

 

「あっ、はい、すみません。ご主人様。触ってもよろしいでしょうか?」

「お前にとって、必要な言葉は、三つあればいい、「はい」と「申し訳ございません」とそして

「ありがとうございました」だけだ、いいなメス!」

 

「はっ、はい、わかりました、すみませんご主人様、だから触らせてください!もう、立ってられないです」

「すみませんじゃない!だろ!」

「申し訳ございませんだろ!」

「はっ、はい、申し訳ございません、ご主人様」

「随分気が早いメスだな、Y子は」

「すぐ、いってしまうんです」

「子供がまた目を覚ますぞ・・・そんないい声だしていると」

「いや、起きません、お願いです、ご主人様いきたいです」

「そうか、Y子、なら下着の上から触ることを許してやる」

 

私はわざと、直接、触らせないように苛めてやった。

 

「あ、ありがとうございます。触っています。あ、凄いクリも感じてます」

「あっ、だめ、声がでてしまいます、あっああ、気持ちいいぃぃ」

「私の言うとおり言え、Y子」

「はい、あっあああ、気持ちいいぃいいい」

「私、淫乱メスマゾY子は、今日、今穿いている下着で明日、ご主人様にお会いしにいきます。

ご主人様にお目にかかってメスの品定めをしていただくため、めいっぱいの化粧をしてご覧いただきます、

どうかよろしくお願い申し上げます」

「そんな、下着を替えさせてください!、いや、しみもついてにおいがきついですぅ」

「あぁぁぁぁ、凄いぃぃぃ、あっいきたい!」

「だったら、もう手を動かすことはゆるさないぞ、Y子」

「あっああああ、わゎわわかりました、オナニーさせてください!」

「言ってみろ、明日の夜を、メス」

「はぃ、淫乱メスマゾY子は、今夜オナニーの下着で明日、ご主人様にお目にかかりに伺います。

その時は、化粧をちゃんとしてぇ・・・、ご主人様にぃぃ、品定めしていただきますのでぇ、

よ、よろしくぅお願い申し上げますぅ・・・・ううううう、いきたい!」

 

「メスのお○○この悪臭にも、お気を害さずにいてください、そう言ってみろ、Y子」

「そんなぁ・・・・、ひどい」

「言え!メス」

「はっ、はい言います、言いますから・・・」

「メスのお○○この臭いも、お気をわるくしないでいて下さい、お願いいたします」

「そうだな、Y子」

「はい、あっあああ、気持ちいいです、いきたい!、はやくいかせてください」

「そうか、ならこないだみたいに、十から数えていけ!」

「はっはい、ありがとございます!あぁぁぁ、十、九、八」

「早いだろ数えるのが!メス」

「はっはい、申し訳ございません」

「九からもう一度だ!」

「はっはい、きゅうーう、うっ、はーちぃ・・・あぁぁぁいい、気持ちいいぃぃ、

なぁーな」

 

「気持ちいいだろ、メス!」

「はい、ありがとうございます、ご主人様!」

「お前だけ気持ちよくなって、いい気なもんだな」

「申し訳ございません、あぁあああ、気もちいい!ろーく、ごぉーお」

「オナニーをやめろ!、Y子」

「そんなぁあああ、だめ、止めれません!」

「駄目だ!今日はここまでだ!」

「そんなぁ、ひどいです、ひどい、いや!、止まらないです!」

「お願いします、お願いします、オナニーさせてください!」

 

私は敢えてここで、このマゾの人妻にここで止めさせて私との上下関係をはっきりさせてやろうと、

決めたのであった。そして、この後も、罰と褒美ということに徹底的にこだわっていくのであった。

 

「明日、ちゃんと私のお目にかかることができたら、続きをゆるしてやる!
いいな、Y子」

「そんな、ちゃんと伺いますから、いかせてください!、いきたい!」

「だめだ!」

「うっうううう、お願いですぅうううう」

「今夜はこれまでだ、明日を楽しみにしている、Y子」

「いや、いや・・・いかせてくださいぃいいい」

 

私は半ば強引に受話器を切ってしまったのであった。後悔はとてつもないものではあったが、

彼女との関係を維持していくためにも、自分なりの哲学でもって。

 

すっかり、夜は更け風もない部屋には只今まであった肉林の時間がうそのように変わった静寂に

脳裏に残る彼女の声が、夏の暑さも忘れるほど残ってしまっていた。

そして、彼女と会う当日がやってくるのであった。

 

 

つ づ く




も ど る