読者投稿小説
by・Slave master






 淫畜市場 Lot #101・友美−(1)




 「え〜…本日最初の出品です。ロットナンバー101。本多友美。年齢23歳。売

主、鬼貴様。…」



 3ヶ月ごとの淫畜市場の開幕である。

 大勢の脂ぎったバイヤー達がざわめき、紫煙と酒、そして、牝供を折檻するための

怪しげな薬品の匂いが充満している。会場正面にはスポットライトのあたった「競り

台」。その両脇には競りに出される淫畜供とその売主や調教師が並び、バイヤー達は

事前に好みの淫畜を探すべく、湿った視線と生臭い息を牝供に浴びせかけている。

 

 「… ボディーサイズ。157−56−88−60−90。陰部脱毛済。血統、純

日本。なお、現在、妊娠6ヶ月であります。」



 大きな木枠に大の字の格好で拘束された牝供は、こうしてアナウンスを受けると、

売主や市場の男達に担がれながら「競り台」に上らされる。「競り台」には、鋼鉄製

の巨大な吊り具があり、そこに木枠ごと固定され、スポットライトを浴び、商品とし

て肉体をディスプレイされる。



 「アグッッガァァ…」すでに肉体を吊るし上げられ、何の反抗もできぬ淫畜・友美

が、自殺防止のために噛まされた猿轡の奥で、実に恨めしげな呻き声を上げながら、

会場の一人の男に憎しみとも哀れみを乞うともいえぬ視線を送っていた。

 その男の名は、木村。社員五百余名の会社社長にして、その地元の名士、そして、

かつての友美の上司である。でっぷりと突き出した腹に頭頂まで達した禿げ。脂ぎっ

たこの六十男は友美の潤んだ視線に自らの視線を絡ませながら新たな快楽に心を奪わ

れていた。



 「あのアホな女子大生がここまで俺を楽しませてくれるとはな…。」



 そんなことをつぶやきながら、木村は友美のポッテリとした下腹部に目をやった。

吊るし上げられた体躯を苦しげにもがく友美の白い肌はほのかに赤く染まり、しっと

りと汗が滲んでいる。木村がしげしげと眺めるその下腹部には、この醜い男の遺伝子

を受け継いだ哀れな胎児が淫畜の羊水の中で眠っている。



 普通、他人の子を孕んだ女に、男は興味を示さぬものである。この淫畜市場でも基

本的には同様であるが、ここではバイヤーが競り落とした後に、この市場内に「堕胎

室」という簡易手術室があり、自称「獣医師」という男により20分くらいで堕胎す

ることが出来るので、大抵はそこで堕胎してしまう。また、中国系のバイヤーは、淫

畜の胎児を滋養強壮の漢方薬として利用するため、子宮に胎児を収めたまま、引き取

り、自宅の中で秘薬を用いて堕胎するそうである。噂ではその秘薬を子宮に注入する

際に母体、すなわち淫畜はすさまじい激痛を受けるそうで、大抵の牝は狂ったように

絶叫した後に気絶するらしい。中にはそのまま絶命するものもあるという。

 そんな理由で胎児持ちでも売りに出されるわけである。



 「さあ、23歳の元OL、友美の艶やかな声をお聞き下さいませ。」



 そういうと売主・鬼貴は、友美の猿轡を取り外し、ヌメヌメとした媚薬を湛えたア

ナルバイブを友美の眼前に突き出し、耳打ちをした。



 「友美…。余計な真似をしたら、この前の「お仕置き」だからな。いいか、いい声

で鳴くんだぞ。」

 「ハァ…ハァ… は、はい。どうかお許しを…。」



 この鬼貴とは、牝奴隷の調教師である。子供を孕んだ友美の始末に困った木村が、

地元のヤクザから紹介を受け、友美を鬼貴に譲り渡したのである。譲り渡すといって

も、淫畜になる前の友美は、木村の妾であると同時に一人のOLとして社内に存在し

ている以上、いろいろと偽装工作を施す必要があった。マレーシア国籍の男と偽装結

婚させ、友美の日本国籍を剥奪し、その上でマレーシア人夫婦として出国。マレーシ

アのエージェントの手で大型の工作機械の中に仕込まれて船便で日本に送られて戻る

という手の込みようである。表向きは在日マレーシア人と駆け落ちし、マレーシアで

行方不明ということになっているが、日本の外務省や大使館は、もはや外国籍人と

なった人間を保護捜索する必要はなしということで事実上、死んだも同然である。



 「この牝は殊にアナルが大好きでして、生まれつきの淫乱なんでしょうなぁ。…ほ

れ、いくぞ。」



 すでに拡張されているとはいえ、大勢の男の眼前で後穴を乱暴されるのは友美に

とって初めてである。



 「あっ、待って…、ハッ、グッ。」



 友美は眉間に苦悶のしわを浮かべながら、深く息をつき、心身供に直腸への蹂躙を

迎える準備をした。



 「アッ、アアアァァァ…」



 肛門から直腸に激痛を感じ、そのまま進入する道具を差し止める術を持たぬ牝は、

はらわたを掻き回される錯覚に陥りながら、便意と混乱した快感に市場の男達の視線

すら忘れてしまいそうになった。



 「皆さん、この表情と悶え声はたまらんでしょう。…ほれ、もっと泣け、わめけ、

この淫売が!」

 「アアアア… い、いやぁぁ… ア、アウウウゥゥ…」



 友美の悶絶する姿には、淫らさに加えて、どことなく清純さも湛えている。木村の

手に陥ちる以前は人前で男と手をつなぐこともためらうような、性については奥手な

娘だった。そんな生来の気質を虐待の合間に滲ませることで、かろうじて友美自身の

精神バランスを保とうとした自己防衛本能なのかもしれない。



 「い、いやっ、グッ、だめ、出ちゃうー…」



 友美は腹腔の激痛と共に突如、便意をもよおし、軟らかな排泄物が鬼の玩具をすり

抜けて、肛門寸前に押し寄せてきた。



 「お客さんの前ではしたない真似すんじゃねーぞ。このバカ女!」



 鬼貴の叱咤に、朦朧とした意識を覚醒させ、必死に肛門を締め上げる友美。しか

し、肛門を締め上げれば、鬼の玩具による激痛が増す。「人前でウンコなんか出来な

い…」そんなささやかな女のプライドを支えに、括約筋を微妙に調節する牝。



 「いいなぁ、友美。えー、皆さんに見てもらって気持ち良くなれるんだからなぁ。

いいお客さんに買ってもらいたいよなぁー。それ、もっと気持ち良くしてやるぞ。ほ

れ。」



 鬼の毛深く図太い指が友美の丸々と張った乳房を覆い、淡い桃色のぷっくりとした

乳頭を玩びはじめた。



 「アアアァ… そんな…イイイイイィィィ。」



 下半身の激痛と乳首のほのかな快感に、意識が分断され、一瞬、押し寄せる性感に

気を許した瞬間…。



 「ウウ… い、嫌やあぁ… ハァー…フウッ…ウッ、グッ。」

 「おっ!、て、テメエェ…。」



 括約筋の隙をついて、黄土色の軟便が噴出した。飛び散る汚物が鬼の手とその玩具

を汚した。



 「本当にどうしようもねえバカな牝だなぁ。テメエは!」

 「ご、ごめんなさい。…で、でも…」



 「結局、体で教えてやらなきゃ分からねーんだな? 友美。」



 鬼貴は、足元に置かれた道具箱から無骨な責め具を取り出した。スタンガン。高圧

電流を数センチの電極間で放電させ、人体を局部的に感電させる護身具である。

 市場に出品間近の牝淫畜には、この責め具がよく使われる。牝に加えられる容赦な

い激痛の割には、体表への影響は少ない。ミミズ腫れ程度の傷はできるが、出血はな

く、競りの価格に影響を及ぼさないのである。また、それゆえ、牝達にとっては理不

尽で被虐心理に陥りやすい責め具である。他の者には理解できぬ苦痛。そして、恐

怖。



 「すみません。ごめんなさい。それはやめてくださいぃぃ…。」

 「何だ? 俺に命令するのか? 随分偉くなったもんだなぁ〜 友美様よお。お

〜?」

 「い、いえ。命令なんてそんな…。」

 「おめえをなぁ、生かすも殺すも、俺の勝手なんだよ!…なめんなよ! この畜生

が!」

 「は、はぁぁぁ…。」

 「…友美。」

 自分の運命がこの無骨な男に支配されていることに観念し、白痴の如き表情を浮か

べる友美が虚ろな視線を鬼貴に向け、軋むような呼吸を漏らしている。

 「…ハァ、ハァ…」

 「…でも、これ、やっぱ、痛いもんなぁ。嫌だよな〜。やめてやろうか?人前でか

わいそうだもんね。どうだ?」

 「は、はい。どうかお許し下さい。もう二度としませんから。」



 友美は、鬼貴が自分を手放すにあたって、「最期の憐れみ」を施してくれるものと

微かな期待を持った。

 じっと手に握ったスタンガンに視線を落とす鬼貴が、次の瞬間、乾いた微笑を友美

に向け、スタンガンをゆっくりと下ろしていった。


 (助かったぁ…)

 友美が眼を閉じ、一つの苦痛から解放された喜びを噛み締めていた、その瞬間…。



 「いやだよぉ〜だ!」


 鬼が突如、悪戯小僧のような妙に無邪気な笑みを浮かべたと同時、冷たく固い暴力

装置が素早く友美の股間に押し当てられ、力一杯、トリガーを押し込んだ。



 「ギャャァァァー!」



 友美の肉体は機械的な動きで硬直した。眼は眼球が飛び出さんばかりに見開き、絶

叫の口元には混乱した粘膜が狂ったように分泌した唾液がダラダラと垂れ流され、不

様に顔面の筋肉が痙攣を繰り返す。

 陰唇に密着された電極に、友美には制止することが出来ない淫らな分泌物が情け無

くまとわりつき、その淫液が陰部表面の電気抵抗を急激に低下させ、結果、友美の苦

痛が加速度的に上昇していく。



 「所詮、テメエは淫畜なんだよぉー。死んぢまえぇー!」

 「グギャャャャー ハッ。アガガガァァァー!」



 もはや、人間としての思考を停止させた牝肉は、電撃に麻痺した意識を遮断させる

瞬間を迎えた。



 「…イギッ!ウッ!」



 友美の意識は、電撃で散々甚振られ、神経系統を麻痺された肉体から遊離し、この

欲望に塗れた生き地獄に堕ちる以前の慎ましやかな幸せを享受していた「あの頃」の

記憶を辿って昇っていった…。






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