「鏡を見ておいで。」
足立の声に、縛りが完成したことを知った。
後頭部にあてていた手のひらを下ろす。
腕を下げながら。。。躰に巻き付けられたロープを指先でなぞってみた。
躰を縛られている、それもぎっちりと。
それは、不思議な感覚だった。
空気を吸い込むたび、ロープの拘束を強く感じられる。
その拘束は高揚感に似て、甘く躰を締め付けている。
足立の視線に促されたわたしは鏡を見るために洗面所に向かった。
一歩足を進め・・・、躰の動きにロープが張りつめた。
ロープは容赦ない。
わたしを締め付け、刺激する。
「え・・・?!」
思わず足立を仰ぎ見ていた。
「どうした?」
ニヤニヤしている足立には、結び目がもたらす刺激を、解っているのだ。
顔が火照っていく。。。
擦れて感じてしまうなんて・・・恥ずかしくて言えない。
感じていることを悟られた事が、どうしようもなく恥ずかしい。
つま先立ちになって、わたしは洗面所に逃げ込んだ。
覗き込んだ鏡には、高潮したわたしが映っていた。
鏡の向こうからしげしげと見つめる、高潮した顔。
黒い下着に赤いロープをまとったわたし。
いやらしい姿。
いやらしい姿のわたし。
後ろ姿も鏡に映そうと躰を捻ると、ロープに締め付けられる。
ロープのきつい拘束に妨げられ、後姿をちらりと目の端に見とめるに留まった。
ロープで強調された胸は、いやらしく物欲しげに感じた。
なにが欲しいというのだろうか?
もちろんそんなことは分かりきっている。
「へ・ん・た・い。」
小声で呟いていた。
「自分のことが、わかっているようだね。」
すぐ近くから足立の声がした。
不意打ちに、弱いわたしは驚きで肩をすくめる。
「いやっ。」
オレンジの光源の中に足立が居た。
足立の存在は、鏡からも見て取れる位置だった。
いつから足立は、そこに居たのだろう。
薄ら笑いを浮かべた足立に捕らえた。
後ろから躰を抱きすくめられ、ブラの中に手が滑り込んできた。
両方の胸をやわやわと揉みしだかれ・・・敏感な乳首が固くしこってくる。
不意に与えられた快感を、受け止めてしまう。
「あぅぅ・・・ん。」
足立の肩に頭を預け首をそらすと、首筋に温かい息がかかった。
指先が乳首を捉え、摘み転がす。
「あぁ・・・ん いい・・・。」
眼を閉じ快感に浸ってしまう。
足立の指先は、乳首捻り柔らかく押し潰す。
「鏡を見てごらん。いやらしいマゾが、喘いでいるよ。」
うっすらと開いた瞳に映るもの。。。快楽に身悶えするマゾの姿。
「これからつかさを弄ぶのは、ご主人様だけだ。」
柔らかく胸を愛撫していた指先に、鋭い力がこめられた。
「うぐぅ・・・痛ぅ・・・。」
爪先でキリキリと胸が、握り潰されていく。
「返事は!」
ペンチのようにギリギリまで押し潰された胸に、捻りが加わった。
「イヤ・・・やめて・・・。」
鏡は痛みに歪んだわたしの顔と足立を、映している。
鏡の中からわたしを見据えている足立。
「返事は?」
耳元で冷たく囁く。
「は・・・はい。」
乳首に鋭い捻りを与えられ、足立の腕からわたしは開放されてた。
ブラジャーからはみ出した胸は、ジンワリと痛みの余韻を感じている。
わたしは足立にこうされる為に来たのだと思い出した。
自分の求めるものを見極める為に、此処に居るのだと。。。