愛 奴 み あ




第7章  繋がり


みあは、新幹線の座席に座りながら、人知れずおまんこを熱く濡らしていた。

車窓の外を見ている目は、開いてはいるけれど何も見えてはいなかった。

みあの頭の中には、工事人に激しく突き上げられ、腰を振りながら悶え狂っている自分がいた。

二人の情景を思い浮かべるだけで、おまんこは熱く疼き、勝手にギュウっと締まってくる。

椅子にじっと座っているのが苦痛に感じるほどの欲情が込み上げてくる。

いっそトイレに行って、自分で思いっきりオマンコの奥を掻き混ぜたい。

そんな想いが小さな喘ぎ声となって口から洩れ出た。「ああぁ・・・」



隣には初老の紳士が座っていた。

男は、みあの隣に座った時から、みあの表情が気になっていた。

うつろな瞳、色気を感じさせる紅潮した頬、ミニスカートから伸びた組んだ生足。

どれもが、胸をドキドキさせる。

その時、微かに、でも、はっきりと聞こえたみあの喘ぎ声・・・

確かな確信を得た男は「大丈夫?」と言いながら自分のコートをみあの膝にかけた。

みあは、何も答えずボーと外を見ていた。

コートの下で、男の手が動いた。

みあの腿に、温かい手が触れた。みあが拒まなかった。

男の手は、そのまましばらくみあの腿を優しく撫でていたが、そのうちスーッと

スカートの中に入ってきた。

「ほほお〜、なるほど。」

うれしそうに小さな声で唸った。

男の手には、ダイレクトにみあの茂みが触れた。下着をつけていないのだ。

みあはいつのまにか目を閉じていた。じっと男の手の動きを感じているように。

男の手が動くたびに、みあの身体には電気が流れた。切なくて甘い電気が。

男が茂みをかきわけ、みあの、充血してはじけそうに膨らんだクリトリス、を探し出

すのには時間はかからなかった。

男の指の腹が、そっとクリトリスに触れた。擦るわけでもなく、ただピタッと触れて

いるだけだった。

なのに、みあの身体は、次第に小刻みに震えはじめた。指から伝わる熱だけで、みあ

は深い快感を感じていたのだ。

「くる・・・くる・・・」

みあのオマンコが熱くヒクつきを始めた。湧き上がる刹那

の波がおそってくる。

目を閉じ、唇を噛み、小刻みに震えていたみあが、突然、「うっ」と小声を発するなり、

大きく目を見開き、身体を仰け反らせた。

視線は宙を浮き、全身が硬直して震えていた。周りに人がいる狭い座席で、目の前が

真っ白になり・・・みあは、イッた。

男は、そんなみあの様子に驚きもせず、何かを確信したように見つめた。

クリトリスに触れていた指を離すと、

「大丈夫かい。戻っておいで」

と優しくみあの耳もとでささやいた。

ぼんやりした意識の中で、みあは何か懐かしいものを感じていた。

温かくて、切なくて、いとおしくて・・・。フッと浮かんだのは、亡き夫の顔だった。

「あなた・・」

「いい子だ。君はマゾだね。・・・きっとそうだ」

男はみあの髪を撫でながら自信ありげに、小声で言った。

みあは、黙ってうつむいた。

「パートナーはいるの?」

返事に困った。

みあのご主人様は、昔も今も亡き夫だけである。これからも。

でも、・・・この世にいない人なのである。黙っているみあに男は言った。

「まあ、いい。・・・もしもこれから先、君を調教する人間が必要になったら、僕に

連絡して欲しい。危ない人間じゃないから大丈夫。・・・といっても信じてはもらえないかな。」

優しく笑いながら、みあに携帯番号とEメールアドレスを書いたメモを渡した。みあは、

やっと男の顔をしっかりと見た。

白髪の優しくきれいな目をした紳士だった。

どうみても、今みあにした行為と言葉が、紳士のふいん気に合わなかった。

しかし、その紳士がSM愛好家で、Sであることは確かだった。

みあのご主人様である亡き夫も、「仏の西さん」と呼ばれた公務員だったのだから

まあ、ありえることなのだろう。



新幹線が駅の構内に入った。みあが降りる駅だった。

慌てて立ち上がったそのとき、太ももを愛液がつたった。「アッ!」思わず、椅子に

座り込んだ。

拭かないと周りの人に見えてしまう。ハンカチを探していると、紳士がサッと愛液を

手でぬぐい、それをペロっと舐めた。

みあは、胸がドキっとした。言葉にならない衝撃だった。

「急ぎなさい。止まるよ。」

そう紳士に言われて、みあは慌ててデッキにでた。

新幹線から降りて、窓の外から紳士をもう一度見た。紳士はさっきの愛液のついた手を

舐めるフリをして笑った。

みあは、会釈をした。不思議な出会いだったが、何故か親しみを感じた。

新幹線が動き出した。紳士が遠ざかっていく。みあはしばらくボーと見送った。










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