愛 奴 み あ
第八章 回 想
新幹線の駅を出るとみあは、工事人・健に電話をした。
今日は、彼とデートをするために遠くから新幹線でここにきたのだった。
「もしもし、みあです。今駅に降りました。」
「よかった、ありがとう。でも、ごめん。昨日の雨で急に仕事が入ってしまったんだ。
夜まで待っていてもらえないかなぁ。お願いだ。お願いしますっ!」
切羽詰まった声がみあはうれしかった。
「大丈夫!夜まで待っているから、安心してお仕事してきて。安全第一よ。」
明るく答えた。健は、ほっとして電話を切った。
「必ず逢える人を待つ時間って、けっこう幸せな時間だなぁ」と、みあは思った。
泣いてもわめいても二度と逢えない哀しみを経験してきたみあだから、
よけいそう思えたのだろう。
思わぬ空き時間を、みあは缶コーヒーと菓子を買ってきて
駅前の公園のベンチに腰をおろし、マンウォッチングをして過ごすことにした。
流れる人波をぼんやりと眺めているのが、みあは好きだった。
楽しそうな親子連れ、幸せそうなカップル、厳しい顔つきであるくサラリーマン。
みんな一生懸命生きているんだなぁ、と思うと、生きる元気がわいてくるのだった。
「君はマゾだね」・・・新幹線の中で出会った紳士の言葉が頭をよぎった。
「マゾ」 ひさしぶりに聞いた言葉。
そっと口に出して言ってみた。「わたしは マ・ゾ」
自分の言った言葉に、身体中がゾクっとした。
自分の中の性癖は、「マゾ」とか「SM]なんていう言葉もしらないころから
他の人とは違っている、と子供心に感じていたみあだった。
心地よい日差しの下で、みあはぼんやりと子供のころを思い出していた。
仮面ライダーと鉄棒
私が幼稚園の年長の時、大好きな男の子との遊びは「仮面ライダー」ごっごだった。
帰りのバスを待つ園庭で、男の子3人といっしょにいつも決まって遊んでた。
好きな男の子は仮面ライダー、あとの二人はショッカー、
そしてわたしは捕らわれの身のライダーの仲間の女の子。
毎回、必ず縄跳びで手を後ろで縛られて、ハンカチで猿轡をされて
かぼちゃ型のブランコのなかでもがいたものだった。
わたしは、この役がひそかに好きだった。
妙にゾクゾクする、変なしあわせ感みたいなものを感じてた。
捕らわれの身のわたしに、ショッカーの男の子たちの縄跳びが飛ぶ。
「パシーンッ!」けっして強くはないけれど、制服の上から感じる縄の感覚。
叩かれている自分の姿に酔っていたような気がする。
最後は必ず、仮面ライダーが助けてくる。
毎日やっていても飽きない遊びだったなぁ。
わたしは、その頃には、もうオナニーを覚えていた。
幼児自慰というものがあるが、まだ物心もつかない頃に
おしっこを我慢するために、かわいい陰部を、窓の手すりの縁にあてて
全身に力を入れて身体をつっぱるようにグイグイと押し付けるものだった。
そうすると、下腹部から陰部にかけて不思議な痺れた感じがして尿意が消える。
なんともいえない気持ちよさなのだ。
その甘い感覚は、幼い女の子を虜にした。
母の目を盗んでは、手すりに身体を突っぱねて陰部をこすりつけていた。
なぜ目を盗んでか。本能的に「いけないこと」と感じていたのだと思う。
それでも、子供のすることだから、じきに母の目に留まってしまった。
「どうしてそんなことするの?」と聞かれて、とっさに「おしっこが我慢できるから」
と答えた。
子供心に
「気持ちいいから」
とは言ってはいけないように思えたから。
母は、ちょっと安心したように
「おしっこを我慢するのはいけないことだよ。病気になるからね」
と優しく諭した。まだ4歳くらいだったと思う。
幼稚園の園庭でも、よく鉄棒を使って快感を求めていた。
周りから見れば鉄棒をしているにしか見えない。でも、わたしは青空の下でオナニー
をしていたのである。
今思うと、ストレートに欲求を満たそうとする幼い自分に感心してしまう。
誰に教えられるわけでもないのに、性の快感を覚え、それを追い求めていく。
生まれながらにして授かった能力だろうか。
でも、わたしはそれが他の人より少しだけ違っていたようだけど。
ごっこ遊び
わたしは、少し離れたところに住んでいる幼馴染のさっちゃんが泊まりにくる日が
楽しみだった。。
さっちゃんは同じ年だったけど、おっとりしたお嬢様タイプの女の子。
泊まりにくると、必ず私たちはいっしょの布団に寝た。
他の兄弟達が寝静まったころ、私は,そっと耳打ちする。
「さっちゃん、大人ごっこしよ!」
彼女は、小さく「いいよ」と答えた。
「じゃあ、わたしが男ね」
そういうと、私は彼女のパジャマのボタンをはずした。
10歳の女の子の胸は、まだ真っ平らの状態。
でも、私はその平たい胸にキスをし、そしてペロペロッと舌を這わせた。
幸子はじっと身を硬くして黙っていた。
「さっちゃん、好きだよ。」
そう言いながら、私は彼女の首筋に唇を移し
小さな手で胸のまわりを優しく撫でました。「み〜ちゃん・・・」
彼女が小さく消えそうな声でつぶやいた。
「さっちゃん、気持ちいい?」
耳たぶを舐めながら、わざと男の声をまねして聞きいた。
「う〜ん。怖いよ〜」
泣きそうな声。
「どうして?気持ちでしょ。ホラ、ここはどう?」
私の手が、パンツの上で大きく円を描くように動く。
幼い丘は、パンツの上から触ると、柔らかいおもちのような感触である。
彼女は、小さなうめき声を出して身をよじる。
幼い身体が、幼い愛撫に感じて反応したようだった。
私は手を激しく擦るように動かしました。「気持ちいい?気持ちいい?」
「怖いよ〜」さっちゃんはそう言いながらも、私のされるままになって身をよじっていた。
そんな様子を見るのが、わたしは好きだった。ゾクゾクするのだ。
「今度はさっちゃんが男だよ」
そう言って、私は手を止めた。
幸子は少しボーとしていたが、私に「はやくぅ〜」とせかされて身体を起こした。
「み〜ちゃん、好きよ」
そう小さな声でいうと、私の頬にキス。
そして、私に求められるまま、手を直接、幼い割れ目に持っていった。
割れ目に指をあてて、ゆっくりと前後にこすると、私はは大人のような喘ぎ声を出し
て見せた。
感じているわけではないけど、テレビでよく見るこういうシーンでは女の人は、
「あ〜ん」という声を出しているから。
私は、その声を聞く度に、幼い陰部を熱くしていた。あそこを触られたら,気持ちい
いんだ、きっと。
そんなふうに思っていた。
「さっちゃん、キスして」そう求めると、幸子は黙って、私の唇に自分の唇を重ねた。
それだけで、とても淫らな気持ちになれる。
「もっとこすって」
と幸子に指示する私。下半身がどんどん熱くなってきた。
「気持ちいい〜」
10歳のわたし、人の手で快感を得ることを覚えた。
さっちゃんとは、その頃を境に会わなくなってしまった。避けられてしまったのかな。
無理もないけれど。ふつうの10歳の女の子にとっては、あまりにおぞましい遊びだっ
たのかもしれない。
わたしにとっては、心の躍る遊びだったけれど。