畜 生 妊 婦



小説・<女囚出産>




<女囚出産>



灰色の囚人服を着た女たちが行き交う。一見普通の収容所だが、誰もが腹部を

大きく膨らませている。女たちは自分の子宮と引き換えに、減刑を許される。

1人を産んで3年の刑期短縮になる。女たちの産んだ胎児は臓器移植に

使われたり、売春婦として売りに出される。搬送された女たちは遺伝子検査を

施され、美貌の血統が判明すると、その女の産んだ子供は売春組織に売りに

出される。

そうでないものはバラバラにされ、臓器が売りに出されるのだ。試験管内で

受精された受精卵が女囚たちの体内に移され、着床を待つ。

一体を娩出するごとに3年の減刑とあって、一度に沢山の胎児を妊娠する

多胎妊娠が多く行われるのも特徴だ。当然出産時の危険も高まるが、

女囚たちの出産は各自の独房で介助なしに単独で行われる。所詮女囚の

命など、虫けら同然に扱われる。売春用として娩出された胎児が死産で

あっても、臓器移植用として使われる。娩出中に産婦が死亡してもその後、

開腹され、胎児が取り出されるというわけだ。

分娩台と天井から娩出時に捕まるためのロープが吊り下げられている以外は

なんの医療設備も整っていない独房で、あるものは刑期終了まで産みつづけ、

あるものは絶命する。

女囚番号203と呼ばれる女がここにきたのは、ちょうど10ヶ月前であった。

出産の経験などない30前後のこの女は刑期短縮のため、多胎妊娠を希望し、

3胎をその体内に宿している。臨月の腹は、これ以上は張り出せないという

ほどに膨らみ、乳房は3倍にもなっている。203号室の前の独房の女が昨日、

出産を迎えた。経産婦のその女は、陣痛が始まると、苦しそうなうめき声を

漏らした。

分娩台に横たわり、両足を大きく開いて必死にイキむ女の紅潮した顔が

脳裏をよぎる。

“あんた、お産は何度目なんだい?”

陣痛の合間に自分に話し掛けてきた女

“初めてよ。3胎産むわ”

“そうかい、初産で…….うんんんっ。ひぃ、ひぃ、ふあああああぁぁぁぁぁぁぁ”

女の言葉は途中で陣痛のうめきに変わった。

その後、半日、女のうめき声が途絶えることはなかった。

分娩台の女がおもむろに起き上がり、天井からぶら下がるロープに

かじりついた。

“むぎゃぁぁぁぁぁぁっ。むおぉ。ぐぁあああっ”

うめきが絶叫に変わる。股間から胎児の頭が見え隠れした。

“ハァハァハァハァ。”

汗が女の顔から流れ落ちる。母乳が滲む。股間から胎児の頭が見えるたび、

粘液がボトボトとしたたり落ちていた。

女は覚悟を決めたように、肩で大きく息をし、最後のイキみを下半身に

くわえる。

“むぎゅああああああああ。ぐううううううううううううううううううう。

うぎゃああああああああ。“

ヌルリと胎児が股間から娩出される。産声をあげない。死産だ。

長時間の苦悶に疲れきった様子で、ロープにぶら下がる。

“はぁ、はぁ。あ、あんた、お産は、は、初めてだったね。赤ん坊が

産まれても、しばらくはこのままでが、我慢するんだ。ハァハァ”

肩で息をしながら、震える手で、胎児と自分を繋ぐヘソのををつかんだ。

“むぅうっ。くぅっ…..!”

ズルリ。

女は胎盤を引っ張り出し、そのまま仰向けに倒れこんだ。

両足を開脚したまま、股間には羊水と血にまみれた肉塊が転がっている。

ハァハァと女の息遣いが聞こえた。しばらくし、看守が娩出された胎児を

回収しに現れた。

“202号、男子1胎、死産。”

抑揚のない声でそれだけ言うと、血まみれの胎児を抱え、去って行った。

女は1ヶ月の休息期間の後、また次の妊娠に挑むと言った。

次は自分の番だ。重たい腹部を抱えた生活にもうんざりした。妊娠は

減刑のため。子供などもともと好きでもない203号は、密かに激しい運動を

して、出産を促していた。

だが、初産のためか胎児は腹にとどまってなかなか出産の日がやってこない。

“早く産みたいんだろ。”

必要のない母乳を搾りながら、前の女が話し掛ける。

“早く産みたきゃ、自分で腹を思いっきりたたくんだよ。下腹部のあたりをね。”

“………”

消灯時間が過ぎたあと、203号はほの暗い独房で、下腹部を拳で殴る。

自然と力が弱くなるのがわかる。何度かやってみたあと、覚悟を決め、

目をつぶり、渾身の力で下腹部を殴りつけた。

ボコッ。

“ぐふっ。う、うう”

下腹部に激痛が走った。陣痛が始まったのだ。

壁によりかかり、巨大に膨れ上がり、自分の体の一部というより、巨大な

異物としか思えなくなった腹部をさすりながら肩で息をする。自然と両足が

開いている。陣痛の波が押しては引きを繰り返す。

“うううっ。むうううう。”

うめき、肩で息をする。

骨盤をものすごい力で締め上げられるような痛みが女を襲う。

10分間隔の陣痛が5分間隔に、痛みを増して、迫り来る。堪らず、悲鳴を

あげる。

“ああああああああぁぁぁぁぁぁぁ。おあぁぁぁぁぁぁっ。い、痛い。あぁぁ、

痛い。”

巨大な腹部を抱え、独房を転げまわる女。

“あはぁぁ、ハァハァハァ。い、痛い。は、腹が。あぁぁぁ。あぁぁぁっ”

鉄格子にしがみつき、痛みを振り払うかのように悲鳴をあげ、しっかりと

鉄格子を握り締める。

“ふぅぅぅぅぅ。た、助けて。はぁはぁはぁ。はああああああっーーーーー。”

未知の激痛が体中を席捲する。

“ほおおおおおおおおおっ”

腹を抱え再び、床を転げまわる。だが、痛みは激しさを増すばかりであった。

知らぬ間に日が昇り、午後を回ろうとしていた。

陣痛の間隔はもはやなくなり、痛みは極限に達していた。

“ぎゃあああああああああああああっっ。

ぎゅおおおおおおおおおおっっ“

“だずげーてー。おあああああーーーーーーっ”

女の口をついて出るのは、獣の咆哮だった。

“むあああああああっ、あぁあぁ、あぁぎゃゃあああああーーーーー”

バシャバシャバシャ。パンティから大量の羊水が噴出し、廊下の床にまで広がった。

羊水と汗で女の髪はびっしょりと濡れ、額にべっとりと絡み付いている。

“あぁ、痛い。あぁぁぁぁ、腹が。あーーーーーーーーー”

四つん這いになり、鉄格子にしがみつく。

“203号、陣痛開始から24時間後破水。”

看守が記録を取る

“ひぃ、はぁ、ひぃぃぃぃーーーふぎゃあぁーーー”

激痛の塊と化した巨大な異物を抱え、床に転げ、えびぞりにのけぞる。

腹部にグニョリと奇妙な突起が現れは消える。激しく胎児が動くたび、

激しいイキみの衝動に駆られる。

無意識にパンティを剥ぎ取り、囚人服を脱ぎ捨て、全裸のまま、広げた

両足を両手で抱え上げる。

“むぉおおおおおおっ、ああぁぁっ、あああああーーー。

くぉーーーーーー。うん、うううううう、むぐううーーおおおーーーっ“

ブチュっ。苦悶の絶叫とともに、大きく開かれた局部から、血飛沫とともに

胎児の頭が見え隠れする。

“頭が見えたよ。頑張るんだ。”

前の独房の女が励ます。日はとっくに暮れ、闇に閉ざされた独房に必死の

うめき声が響き渡る。

いきむたび、見え隠れしていた胎児の頭部が局部に留まった。

“ぎゃぁぁぁぁぁーーーーー。おぅ、おおおおお、いいーーー、だーーーいい!!

ひぃいいいいやぁぁあああーー”

局部に胎児の頭を覗かせてたまま、脳天に突き抜けるような激痛に絶叫する。

腹部に何か拷問器具を取り付けられ、内臓を殴られ、かき回されるような

激痛に白目を剥き、咆哮を上げる。局部が醜く盛り上がり、頭部が外部に

にじり出る。

ブチっ。

鈍い音とともに局部から血飛沫が上がる。会陰が切れたのだ。

“ごああああああああああっ。うぉおおおおおおおおおおっーーーーーーー”

両足を抱え、必死に胎児を娩出しようとイキみ、絶叫する。乳房からは

初乳が飛び散り、女の顔といわず腹といわず容赦なく濡らしていく。

“むぐうぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーっっ”

ボトリ。血と羊水と母乳で汚れた床に胎児が零れ落ちた。

“あああ、あぁぁぁ。う、産まれた”

やっとの思いで第一子を娩出した。産声はない。

だが、まだ腹部は巨大な塊のまま、女の胴体にへばりついている。

“むううううんんっ”

なおも襲う陣痛。一度拡大した子宮口は第一子娩出とともに、また

収縮してしまう。

“い、痛い。た、たずけ、あああああおおおおーーーーー”

天井からぶら下がったロープをつかみ、激痛に身をよじる。

“203号、陣痛開始36時間後第一子娩出、女子、死産。

尚、陣痛第二子娩出中。

鉄格子が開き、尚陣痛に苦悶する女を尻目に、娩出された胎児を

持ち去る。

女は、腹部を押さえつけ、胎内の胎児を押し出そうとする。激痛にのけぞり、

仰向けに倒れこんだ。股間から血飛沫が上がる。

“ぐぉおおおおおおおおおっつ。だ、だーーーずげーおああああああ

あーーーーーーー

両手で近くにあった分娩台の足をつかみ、のけぞり、うめき、絶叫する。

ジュバッ

羊水の残りが股間から飛び散る。

“ぐふっーー、おおおおおおお”

胎児が下腹部に降りてくるとともに、激しいいきみの衝動が襲う。

分娩台の脚から手を離し、痛みに耐えながら、必死でロープにぶら下がり、

娩出の体勢を整える。

“むうううーーーん。うぐうううふーーーー。いいい、だーーーぎゃあああ”

第二子の頭部が局部につかえている。

“むごぉおおおおおおおおっーーーー、ぎゃぁああああああああおあああ

ああああああ”

悶絶し、イキむ。咆哮があがる。何時間か経過し、

“ぐぉおおおおおーーーーーーつ。ぎゃーーーーーーーーあああーーー”

“おぎゃぁ、おぎゃぁ”

胎児の産声が響き渡った。ロープから手を離し、仰向けに倒れこむ。

“あぁ、はぁはぁはぁ”

あ、あと一人……。産声を聞きながら、まだ胎内に宿る最後の胎児を

思い浮かべた。


ガチャリ。鉄格子が開き、看守が入ってきた。

“陣痛開始42時間後、第二子娩出。女子、生存。尚、第三子分娩が継続中”

仰向けのままわずかに萎んだ腹部をさすり、弱々しいうめき声を上げる女。

母乳が垂れ流されている。両足を開脚し、ひざを立て、必死に娩出しようと

イキむ。

だが、既にその体には、胎児を娩出するだけの力は残されていなかった。

局部からは、ちぎれた会陰が垂れ下がり、血に染まった羊水が時折

流れ出していた。

“く、苦しい…….あぁ、い、痛い……。ひぃいいいいいあああああっ”

弱りきった女を胎児が責めつける。

と、壮絶な激痛が下腹部を貫いた。腹部にデコボコした突起が現れては

消える。

“ぐおあーーーーーーーーー、ぎぃやああああーーーああああああっつ”

腹を天井に突き出し、えびぞりにのけぞる女。両足を抱えている。局部から

血飛沫が上がった。最後に残された胎児が産道へと降りてきたが、途中で

つかえている様子だ。

股間からは血飛沫と粘液が滴りおちるだけで、何も見えてこない。

断末魔の叫びとともに、女はガクリと気を失った。

冷たい沈黙が支配した。看守の足音だけが廊下に響いた。

ガチャリ。扉を開け、中に入ってくる。

“おい、死んだのか”

“いや、気絶したらしい。でも、このままでも死ぬな”

“203号は3胎妊娠していたな。最後の一人か。開腹して取り出すのも

面倒だな。

引っ張り出せ”

看守の一人がゴツゴツした手を弛緩し醜く膨れ上がった局部に差し入れた。

“むぐっ”

するどい激痛に意識を取り戻し、両手、両足を動かし、必死で抵抗する女。

もう一人の看守が後ろから女を抱え上げる。パンパンに張り切った乳房から、

母乳が一筋の放物線を描いて飛び出した。

“ぎゃあああああああああああああ。じ、じぬーーーぎょえおおおおおおお

おおおおおおっぐああああああああああーーーーーーー”

地獄の激痛に悶絶し、身をよじり、咆哮を上げる。

両足をばたつかせ、股間に挿入された看守の拳を引き抜こうとする。

“足をつかんだ”

“ひっぱれ”

内臓を引きちぎられるような激痛が体中を突き抜けた。

“ぎゃおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!ぐあああああああ

あーーーーーーー”

のけぞる女の乳房から再び母乳が放物線を描いて分泌される。

ブシュっ、局部から大量の血飛沫が上がり、引っ張りだそうとしている看守の

顔にかかる。

断末魔。

女は悶絶し咆哮とともに息絶え、ガクリと床に崩れ落ちる。胎内の胎児を

娩出することなく女の人生は幕を閉じた。目は見開かれ、口からは一筋の

血が流れ落ちて、首筋を赤く染めていた。股間から両足は大量出血のため、

真っ赤にそまり、不自然に膨らんだ腹部にも血飛沫が飛び散っていた。

“203号 第三子娩出中に死亡、胎児は後、開腹され摘出”

ストレッチャーが運ばれ、無残な姿のまま、女は手術室へと運ばれていった。


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