淫女奈美江の出産







 

瀟洒な洋館の玄関が音を立てて開き、女中らしき初老の女性が私を迎え入れた。


“だんな様よりおおせつかっております。奈美江さま、でございますね。

八重と申します。まぁ、本当にそっくりで
どうぞ、お入りください。”


 内装も大正期の洋館そのままに、白を基調とした調度類が備え付けてある。

壁は白く塗られていた。黒大理石の大きなダイニングテーブルが置かれた部屋を横切り、

暖炉とソファがあるリビングに通される。そこから雨に濡れる中庭が臨めた。


“こちらが旦那様が一番お好きなお部屋なのですよ。こちらにこられる時はいつもこちらに”


“青木さんは、いらっしゃらないんですか?”


“今晩お見えになります。だんな様はお忙しいおかたですから。”


階段を上る。


“こちらが旦那様の書斎、続き部屋になっておりまして、そのお隣が旦那様の

寝室となっております。一番奥のお部屋が奈美江様のお部屋になります。”


“あの、ここは?”


“そちらは、さや子様のお部屋でございます”


“奥様?”


“いいえ、旦那様は独り身でございます。ご存知では。さや子様は旦那様のお姉さまでございます。”


“青木さんは家族はいないと
……


“さや子様は旦那様が16の時にお亡くなりなりました。”

 

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 青木は岡山で材木商を営んでいるというふれこみで、何度か座敷にやってきた。

奈美江は芸子と言えるほどの芸もなかったが、青木はいつも奈美江を指名した。

青木は奈美江と一晩を過ごすこともあったが、決して彼女を抱こうとはしなかった。

50過ぎ、まだまだ壮健な男であれば十分に女を抱ける年である。


“もう、ここにも飽きたのではないかね。いくつになる?”


“27。ここも何年か、もう覚えてない。”


“どうだろう。奈美江の一年を私に売ってくれないかね。”


“フフフ。変なことをおっしゃるのね。”


“本気だよ。君の一年を1000万で買おう。”


“あら、嬉しい。そんなにかっていただけるなんて。”


“では、いいね。次の生理はいつだね?”


いきなりのことで奈美江はたじろいだが、この話自体がそもそも人並みなことではないのだ。


“フフ、実は今日から始まりそうなの。”


“そうか、じゃぁ二週間後にここに私を訪ねておいで。来てくれたら、

約束のお金を君にあげよう。ただし、それが自由に使えるのは一年後だ。

奈美江の一年を買うのだからね。”


青木は軽井沢の住所を奈美江に手渡した。

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“奈美江様、お夕飯のお支度ができております。旦那様もお見えですよ。”

 

“よく来たね。忘れないうちに渡しておこう。前金だ。”


青木は500万の小切手を差だす。


八重が二人分の食事を運んで来た。


“さぁ、食べなさい。”


“あの、この一年は
…..。”


“心配しなくてもいい。一年たったら、君は自由だ。”


…….私は、あなたのお姉さまのかわりなのですか?”


“八重がまた、何か言ったかね。”


“いえ、ただ、私が誰かに似ていると
…..。だからもしかしたら”


“姉は私が16のときに亡くなった。年の離れた姉弟でね。姉はそのとき27。”


“ご病気で?”


“そういうことになるのかな。この話は夜にでもゆっくりとしてあげよう。

食事をして、お風呂で疲れを癒しなさい。”

 

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“これは…..。”


奈美江と生き写しの女性の肖像画を前にし、彼女は言葉を失った。


“姉だ。”


そして、その前には茶色に変色したシミだらけの天蓋付のベッド。


“姉はね、嫁ぎ先で間男をしてね。身篭った挙句、離婚され、ここに戻ってきた。

そして、ここで出産し、死んだ。”


…….。”


“難産でね。八重が取り上げようとしたんだが。姉は三日三晩苦しんだ挙句、

子供を娩出することなく亡くなったよ。”


“何故そんな話を”


“男だった私は、もちろんそんな姉の姿を見ることは禁止されたが、

陣痛が始まって二日もすると、気になってね。私は姉の部屋、

この部屋の扉を開けてしまったのだよ。悲鳴が漏れ聞こえていたから、

中の様子は大方想像できたが、それほどまでに壮絶なものとは
….


身篭った腹を抱え、苦痛の表情で喘ぎ、絶叫する姉はこの世のものとは

思えないほど美しかったよ。それ以来、私は分娩する女性にしか

欲情しなくなってしまったのだ。“


奈美江は背筋が凍る思いがした。


“それで、わ、私に何を
…..。”


“奈美江、私を助けておくれ。姉のように、私を欲情させておくれ。”


奈美江は何か口鼻に押し当てられたような気がした。

 

“!!”


手足を動かそうとするが、動かない。奈美江は全裸のまま、自室のベッドに縛り付けられていた。


覆面をした男たちが数人、奈美江を取り囲んでいる。股間がいきり立っていた。


“い、いやぁ〜”


男たちは上と下に別れ、乳房を揉みしだき、奈美江に馬乗りになった。


股間に硬直した男根が突き刺さる。


“や、やめて、い、いや。あああーーー”


男の律動運動が激しくなる。奈美江も言葉とは裏腹に愛液でベトベトになっている。


“い、いぃ、ああ、い、いっちゃう
….、あぁ、だめ、ダメ、中はダメーーー。”


男は短い呻きと共に、精液を勢いよく奈美江の膣内に放出する。


“イヤァーーーーー。できちゃうーーー”


排卵日の奈美江は朝まで男たちに陵辱され続けた。

 

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ほどなくして、岡山の青木に奈美江懐妊の知らせが届いた。


陵辱の一夜から、奈美江は青木家の別荘の地下室に監禁され、夜毎、男たちに犯され続けていた。


“あと三月もすれば、お腹も目立ってまいりましょう。”


“うん、そうしたら、地下室から出してやれ。”


“かしこまりました。その時はまたご連絡します。”


 

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 “奈美江、何故だね。そんな体でどこに行きようもなかろうに。”


七ヶ月目に地下室から地上に戻された奈美江は、じっとそのときを待ち、

脱出を試みたが、失敗に終わったのだった。


“きちんとした病院で産ませてください。”


“何を言うのだ。八重は助産婦だよ。姉の時も”


“お姉さまのときのように、私をお産で死なそうとしているのでしょう。”


“妊娠で気が高ぶっているようだね。でも、奈美江がしたことはいけないことだよ。罰を与えてあげよう。”


青木は、おもむろに奈美江の着物を剥ぎ取り、特大のバイブをその股間に押し込んだ


せりでた腹部にバイブのベルトを回し、スイッチを入れる。


“や、やめ
…..、ああーー、ダ、ダメー、アァ、ア、ア、ア”


奈美江は太鼓腹と青筋のたった乳房をあらわにして、よがり声をあげた。股間が鋭敏になっている。


“い、い、いっちゃううーーー、ア、ア、い、いかせてーーー、アアー”


奈美江はベッドに四つんばいになり、激しく腰を動かしている。腹部がベッドにこすれた。


“奈美江、美しい
…..。もっとよがるがいい。奈美江はずっと、このバイブをくえておいで”


青木はバイブのスイッチを最大にした。


“アアアアアアーーーー、ダメーーーー、ヒイーーーー、アーーーー”


奈落に落ちていく奈美江のよがり声が響き渡った。

 

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濃紫の着物を身に纏った奈美江は少しやつれた様にも見えたが、せり出した腹部と

膨らみ始めた乳房が妊婦であることを如実に物語っていた。奈美江の股間には

バイブが突き立っている。既に臨月を迎えようとしていた。


軽井沢に篭っている青木の指示により、奈美江は股間にバイブを突き刺したまま

日々をすごすことになったのだった。出産を間近に控え、更に敏感になった乳首が

着物に擦れ、股間をふさぐバイブの異物感を煽った。そんな時、見透かしたように

青木はバイブのスイッチを入れた。奈美江は狂ったように喘ぎ、腰を動かしたが、

産気づくことはなかった。


予定日を過ぎてから、青木は奈美江を容赦なく陵辱し始めた。

天井から垂れ下がる荒縄に奈美江の白い手首を縛りつけ、腹部にさらしを

巻いただけの体に荒縄をあてて行く。乳房が不恰好に縄目から搾り出される。

そのままの格好でバイブのスイッチを入れ、よがる奈美江を嘗め回した。


予定日を既に3週間は過ぎようとしていた。その晩、奈美江いつも以上に

異様な興奮を覚えていた。青木が奈美江を後ろから羽交い絞めにし、

襦袢の上から張り詰めた乳房を揉みしだいていた。バイブの電子音と

奈美江の喘ぎ声が部屋を満たしている。


 
“奈美江、美しい…..本当に”


いつになく、青木が息を荒くしていた。奈美江は臀部に硬い感触を覚え、ハッとした。


いきりったった青木は、奈美江を布団に四つんばいに押し倒し、

奈美江のまだ男を知らない後ろの穴をグサリと貫いた。

事前に何もせず、いきなり男根を突き刺され、奈美江はふしだらな絶叫をあげた。


“ぎゃぁっ”


構わず青木は激しい律動運動を開始した。奈美江も肛門からの激痛と陰部からの

快感にいつもとは違う興奮を覚え、何度も絶頂を迎えた。


 
“あぁ、お願い、もっとついてアアッイイッ….。”


臨月を過ぎ、いっそう敏感になった奈美江は、腰を動かしなら淫らに孕み腹をくねらせる。


濡れそぼった股間を淫らにさらけ出し、さらしを巻き巨大化した腹部を揺らしながら

奈美江をあられもない声をあげた。乳首と乳輪は既に黒く変色し、勃起している。

乳房も腹部同様肥大し、張り詰めていた。奈美江の華奢な体つきには不釣合いな

腹部と乳房である。白く美しい顔は妊娠が進むにつれ、淫蕩な香りを放つようになっていた。


“あぁっっ”


いつもとは違う悲鳴が奈美江の口から漏れた。


腹部を押さえている。


“あううぅっ”


続いて呻き声。青木は奈美江の腹部が硬く張り出したのを感じた。


“産気づいたか”

_______________ _ ______________ _ _____

 

八重が奈美江の肥大した腹部を診察する。そこは硬く張り詰め、今にも破裂しそうな勢いであった。


“はぁあああああーーーー、う、ううまれ……い、いた….
ううううーーーー”


“お産を遅らせる薬を毎日飲んでいただきましたからね。そうは簡単には産まれませんよ。”


奈美江はほぼ全裸のまま、青木に抱えられるようにして離れの産室に運び込まれた。


奈美江の壮絶な分娩の幕開けである。

 

 

 

 

 

10畳ほどの離れには、一枚の和布団が敷かれていた。


奈美江は両手を天井の絹布に縛られ、少し背伸びをするような形で吊り上げられた。


張り詰めた腹部がさらに引っ張られちぎれそうだ。


“やめて、お願い”


“美しい
….


青木の瞳は怪しい輝きを放っていた。手を回し、さらしを巻いた腹部をユラユラと

回しながら奈美江の乳房にむしゃぶりつく。青木が乳首を吸うたび、初乳が溢れた。

揺れる腰から鈍い痛みが沸き起こり、すぐに大きなうねりとなって奈美江を襲う。


“あああああ
ーーーーーー、ううう〜〜〜んんっ、んんんんーーーーー

ううううっ”


呻き声をあげる。腰を揺らされると、陣痛の痛みが促進されるようだ。


それに触発されるかのように青木の興奮の度合いが増していく。

青木が奈美江のバイブをはずし、後ろに回る。

グサリ。猛った肉棒を奈美江の股間に突き入れる。


“きゃああああああああーーーーーーっ、

いいいいいーーんぬうううううううーーーー。ああああーーーーー”


陣痛と共に串刺しにされ、奈美江は絶叫した。青木はお構いなしに、

肉棒を何度も何度も股間に突き入れた。


“イヤアアーーーーーーー、ヤーーーメーーテーーーー、アアアアアーーーー”


子宮の収縮と男根は苦痛を増幅させ、奈美江を蹂躙した。青木は一時間ほど

奈美江を刺し貫き続け、放悦の叫びと共に大量の精子を奈美江の股間に放出した。


奈美江は汗まみれで天井からぶら下がっている。股間からボタボタと鮮血が垂れ、

布団を紅く染めた。顔には苦悶の表情がはり付いたままである。

八重が奈美江の体を手ぬぐいで丹念に拭き、両手を解き、真新しい絹の襦袢を着せる。


“い、痛い……、う、産ませて……
ああっつ


再び、奈美江は両手を左右の柱に絹布で縛りけられ、両肢はしっかりと閉じられ、

足首、膝、太腿のところをやはり白い絹布で縛られ、更に足を伸ばしたまま

足首を固定されたので、上から見ると十字に磔にされたように見える。


奈美江は陣痛が襲うたび、左右の絹布を握り締め、呻き声を発した。

両足を必死で開こうとするが、襦袢の裾がはだけるだけで、足に食い込んだ絹布は

奈美江の両足を硬く閉ざし続けた。下腹部に赤黒い血がこびりついているのが見える。


“ううんんんーーーーううううーーー、ああああーーー、

ひいいいいいいいいーーーああああああ”


うなり声をあげながら、少しだけ自由になる腰から上をゆすり、首を左右に振り、

痛みを逃そうとする。額には脂汗がにじむ。


“おね…..が…..い…….たっ、たす……
ふううううんんっ、っつううううううううーーー”


奈美江は息も絶え絶えに青木に助けを求める。


“さぁ、もっともっと苦しみの表情を見せておくれ。”


青木は奈美江に馬乗りになると、胸をはだけ、妊婦の乳房を乱暴に揉みしだき、

乳首にむしゃぶりついた。そして、天井に突き出た腹を嘗め回し、激しい愛撫を始める。


“いアアあああああああーーーーーーーー、やーーーーーーめーーーーーーーー

あああああああーーーーー”


子宮の内部の収縮と外部からの愛撫により陣痛の激痛はいっそう激しく奈美江に

襲い掛かる。顔をのけぞらせ、体をゆすり、青木を振り落とそうとする。

青木はそんな奈美江を見下ろし、閉ざされた陰部へと手を伸ばした。

クリトリスをグリグリと刺激しながら、股間に指を二本、三本と滑り込ませる。

血と粘液でベトベトになった陰部は青木の指をヌルリと飲み込む。

指が生き物のように膣内をまさぐった。


“い、イイ…..あはあーー…..


だらしない喘ぎ声が奈美江の口から洩れる。感じているのだ。激痛に悶えながらも、

奈美江は今までに感じたことのない感覚を覚えていた。体の芯から沸き起こるような

不思議な悦楽とも呼ぶべき感覚であった。


“ふううっ、ううううんんんっ、
ううううううーっ、
あっ、ああっ、おあっっ、

ハァハァッ、アアッ、ううーーーーーーーんっ


だが、すぐに次の陣痛の波が奈美江を打ち砕いた。


血に染まった指を奈美江の股間から抜き取ると、青木は己の男根を奈美江の

閉ざされた陰部につきたてる。男根は白い太腿を割り、肉に食い込み、奈美江を

刺し貫く。青木の男根はゆっくりと陰部から抜かれ、また根元まで埋め込まれ、

硬く閉ざした子宮口を何度も突き刺す。すさまじい陣痛が奈美江を襲った。

すべての内臓が痙攣するかのような激痛に奈美江は体をのけぞらせ、絶叫した。


“ぎゃあああああああああーーーーーー、
ああああああーーっ、

あああああーーっ、ああ
あああーーーーっいいいいいーーーー

ああああああーーーーー、
あああっ、ああっあうううううううーーーーーー、

おおっ、
おおおおっ、ふうううううーーうっ、ううっ。おううううーーーーー”


同時に青木は放出し、血まみれの男根をぶら下げたまま、奈美江の苦しみ悶える様を

見下ろしている。奈美江はなすすべもなく、青木に犯され、陣痛に蹂躙されていた。


美しかった奈美江の顔はやつれ、目の下にはクマができていた。


雨戸の隙間から白い明かりが洩れ始めた。


二日目の朝である。


青木に犯され、半裸になって、奈美江は苦痛に悶えていた。


“ふうううううーーーーうううっ、ううううーーーー。

んんっ、うううううっ、た、た…..すっ、うううーーーー”


奈美江は陣痛に炎に焼き尽くされているようだ。


八重が奈美江の下腹部に手を当て、陰部に指を差し込み、子宮口の様子を伺った。

陣痛が激しくなるばかりで、子宮口はなかなか拡大しない。


“まだか?”


“かなり進行が遅れております。奈美江様に耐えていただくしかございません。”


うす曇の中庭に、奈美江の悲鳴が漏れ聞こえる。


“アアアアあっはあああああーーーーーーーーー、

イヤアアアアーーーーーーーー、ヒイイイイイイイイイイ

イイイダーーーーーーーあああああああーーー”


泣き叫ぶ声が産室に響き渡る。血と汗の匂いで咽かえるようだ。

変色し、勃起した乳首から母乳がしぶき上がり、奈美江や青木の顔にかかった。


青木が奈美江の両手を柱から解き放った。腹を抱え、布団の上を転げ回る。

だが、両足は閉じられ、床に固定されたままだ。後ろから力強く奈美江は

抱えあげられ、男の胡坐の中に押さえ込まれた。男根が突き刺さる。

子宮が激しく収縮する。奈美江は男の腕に必死でしがみつき、悶絶した。


“ぎゃあああああああーーーー、ああああーーーーー、ああああーーーーー、

ううううーーーーんんん”


収縮が収まると、半死半生で男の腕に沈み込んだ。息も絶え絶えである。


“お腹…..切って…..お願い…..ももう…、
あ、ああ、また

あふううううううううーーーーー、ヤアアアアアーーーーーー、

おおっーーーーー、ふうううううあああああああああああ


刺し貫かれたまま、奈美江は青木にしがみつき、泣き叫び帝王切開を哀願する。


青木は奈美江の腹を抱え上げ、上下に激しく動かした。

何度目かの上下運動の後、青木の硬くなった肉棒が奈美江の子宮口に突き刺さった。

グニャリ、羊膜を押し上げたようだ。


“ギャアアアアアアアアアアア

アアアーーーーー
ッッ、ああああああーーー、

あああああああああーーーッ、あああああああーーー、

ああああああーーーっ”


凄まじい絶叫と共に、奈美江はものすごい力で青木を振りほどこうともがくが、

青木の腕に押さえ込まれてどうにもならない。


“ひぎゃああああああああああああーーーーーー”


奈美江は意識を失い、青木の腕の中にぐったりと身を投げ出した。その顔は悶絶したままだ。


“死んだのか?”


“いえ、気を失われただけでございます。….さや子お嬢様の時を思い出します。”


八重が奈美江の口に水を注ぎこむ。


ブフッ


奈美江が気を取り戻した。


“もう、ダメ…..


弱々しく息をする奈美江の顔は、かつては美しかったのかもしれないと思わせるほどやつれ、

うつろな瞳が空を見つめていた。青木はさすがに奈美江の固定されていた足を解いてやった。


“ふううううおおおおおおおおーーーーううううううううーーーーーっ”


奈美江は呻きと絶叫を繰り返し、腹を抱えて悶え苦しんだ。二日目の夜も更けたころ、


“ひぎいいいいいーーーーーあああああ

あああーーーーーーっ、ああっ、あうううううーーーっ”


立てひざをつき、天井からぶら下がる産み綱にしがみついた奈美江の臍から下の

腹部がボコリと膨らんだ。八重が襦袢の裾を捲し上げる。奈美江は立てひざのまま、

両足を開いた。すぐさま凄まじい咆哮が響き渡る。


“んぎゃあああああああああああーーーーーーっ、

ひぎいいいいいいいあああああがあああああああ

あああーーーー、
あ゛あ゛あ゛あ゛—————

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛—————イギャーーーーーーーー”


股間からおびただしい量の羊水が噴出した。二日目の夜更けに漸く破水したのである。


この先は、胎児を産道から息みだすという苦しみが待ち受けている。


青木は奈美江を布団の上に座らせると、破水したばかりの股間を覗き込んだ。

胎児が見える様子はない。


“早く、だ、して….


産み綱にもたれるようにしがみつき、奈美江が哀願する。


“んんんうううううおおおおおーーーーー

ああああああああああっ、ああああああっ、

ああああああああっ、おああああああああーーーーーーー”


長い絶叫が室内に響く。イキもうとするが、激痛に耐え切れず、悲鳴をあげる。


“うお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛

お゛お゛お゛—————、ああああ

あああああああーーーー、うううう

ううんんんんんっっっ。

アギャアアアアアアーーーーーー”


“切って、早く…..も、もうダ
、メ、あああ、ううううあああ

ああああああああああああああ

あああーーーーーーー”


“ううぎゃあああああああああ

あああああーーー、
ジーーーー

ジーーーーーぬーーーーーーーーーーううう

ううううんんんんんんーーーぐぐうううっ、

おおおっ、
あああっ、ああああーーーーー、

ぎ、ぎってええええええーーーーーーーー”


哀願のまじる絶叫が絶えることなく産室に響き渡る。


八重は三日三晩苦しみぬいて死んでいった、さよ子そのものを見ているような錯覚を覚えた。


“奈美江様、下腹部に力を入れて、いきむのですよ。”


“ふううううううっ、あああっ、ギャアア

アアアアアアアアーーーーー”


“もっとしっかり。”


“んんんんんんんんぐうううううあああ

あああああーーーーー、
ぐぎゃああ

あああーー、うううううんんんんーーーーーー、

ああああっ”


脱糞した。異臭が漂う。八重は手早く奈美江の汚物を片付けると、アルコールで

奈美江の下腹部を消毒した。


“さぁ、もっといきんで”


“んんんんんんんーーーーーーー

ぐふううううううっ
ああああああああ

ああああーーーーー、


うぎゃあああああーーーーーー

じーーーーーーぬううううう

うううーーー、
あああああああ

あああーーーー”!


いつからか雨模様となり、奈美江の絶える事のなくなった絶叫が雨音にしみていった。

既に三日目の昼を過ぎている。奈美江の体力は限界だった。渾身の力でいきみ続けても

胎児は奈美江の子宮口に見えることはない。苦しみの絶頂である。


“ふううううううんんんんぐうううううーーーー、


あああああああーーっ、


だーーーーだーーじーーーーーーでええええ

ええええええええーーーっ、
あああああああ

ああぎゃあああああーーーーーーーー”


“ひ、ひっぱっ……て……”


奈美江は苦しい息の下から、青木に請うた。


青木は奈美江の両手を産み綱に縛り付け、膝を立たせた状態で両肢を大きく開脚させた。


陣痛。


“んんんんんんぬううぎゃああああああ

あああああーーーーーー、ひぎいいいい

いいいいいいいいいいーーーー、


ああああああーーーーっ、ああああああーーーーっ”


奈美江の絶叫。青木は奈美江の前に座り、片手で腹部を抱きかかえるように固定し、

右手を股間に突き入れた。硬いものが触れる。


“ぎゃああああああああああーーーーーー”


青木は狭い産道と胎児の間に無理矢理手をねじ込み、容赦なく胎児を引き釣り出そうとする。

凄まじい激痛。股間に棍棒を突き入れられ、掻き回され、子宮を引きちぎられそうな

凄惨な苦痛が奈美江を蹂躙する。下肢がブルブルと痙攣している。


“いぎゃあああああああああああああああーーーー、

おおおおおっ、おおおおおおおおっ、あぎゃあああ

あああああああーーっ、


やーーーーーやーーめーーーーーでええええ

えええええーーーー、

あああああううううううううううーーーーー

ああああああああーーーー”


絶叫は止むことはなかった。


だが、青木は構わず奈美江の股間に手を突き入れる。


“あぎゃああああああああああ

あああああああーーーっ”


凄まじい咆哮の直後、奈美江は力なく産み綱にぶら下がった。再び失神したのだ。

既に白い布団は真っ赤に染まりきっている。


“奈美江様”


“ううううううんん”


陣痛に奈美江は意識を呼び戻される。


“ううううううんんぐううううううーーーーーー

あああああああああ、

んんんんんぐううううううううううううううーーーーー、

おあああああああーーーー、うううううんんんんーーーー、

いいいいーーーーーだああああああいいいいいーーー

ううううううーーーんんん”


最後の力を振り絞り、奈美江は必死にいきんだ。青木が胎児を引っ張る。


“あぎゃああああああーーーーーーー

あああああああーーーーー、

おおおおおおあ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛”


ズルリ、少しづつ胎児が下がり始めた。


“ふうううううんんんんんーーーー”


股間に巨大な頭の一部が挟まった。


陰部が爆薬で破壊されそうな激痛が突き抜ける。


ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛”


“いきんで”


八重が叱咤する。


“んんぐぐぐぐううううううううーーーーーあああああっ、

ひぐううううううううううう
うううううーー

むぬううううううううううーーー

あああああああああああっ”


股間からボタボタと勢いよく鮮血がしたたり落ちた。会陰が裂けたのだ。


“ヒギャアアアアアアアアーーーーーーー、

ダメエエエエエエエエーーーーーーっ、

あああああああああああああーーーー”


戻ることも、娩出されることも拒むかのように股間に胎児の頭が挟まっている。

八重が奈美江の陰部を拡張する器具を取り付けた。恥骨がバキバキと折られるような

激痛が奈美江をいたぶる。


“ふんぎゃああああああーーーーーー

ウウウウウウウウウンンンンン、

やああああーーめええええーーー、

だーーー、だアアあーーすうううううううう

げえええええーーーーーあああああああ

ああああああーーーーっ、

ふんんんぐううううううううううううううううー
ーー、

ぎゃあああああああああ

ああああああ”


白目を剥いて絶叫する奈美江。とうとう股間から血飛沫があがり、巨大な胎児の頭部がぶら下がった。


“ひ、ひっぱってええええええーーーー”


八重が胎児を引きづりだそうとするが、巨大な体は産道にとどまり尚も奈美江をいたぶり続けいてる。


“いぎゃあああああああああーーーーー、

ふうううううううううんんんんぐうううううう

あああああああああああ”


更に血飛沫が上がった。


“ギアアアアアアアアーーーーーーあああああ

あああああああーーーーー、ひぎいいいいい

いいいいいうううううううんんんんんーーーっ、

あぎゃあああっっ、あああああああー


うあああああああああああ

ああああーーーーーーーー

おおおおおおおおおおーーああぁw)��

あああああああああ”


断末魔の絶叫と共に奈美江は巨大な胎児を産み落とした。そのまま失神し

産み綱にダラリとぶら下がった。

 

_______________ _ ______________ _ _____

 

次の朝、奈美江は下腹部に鈍い痛みを感じ、目を覚ました。奇跡的に一命を取り留めたのである。


青木が傍らに座っていた。


“また、孕ませて…..。もっともっと苦しんで産みたい…..。”


数ヵ月後、奈美江は再び誰とも知れない男の胤を孕んでいた。

 

 

 

 

 

 






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