石と水の巫女
巨大な石造りの円柱形の広間。一部には自然の岩肌がむき出しに
なっており、清らかな清水が伝い流れて泉となって室内を潤していた。
大人の膝くらいまであろうかと思われる水晶が泉の中央に神体として置かれていた。
篝火が泉に揺れる。中央に、表面が平たくなった円形の巨石が置かれている。
水と石を崇めるイルハシアの民のここは寺院である。
紀元後のヨーロッパ大陸は、様々な民族が点在する広大な荒野だった。
周囲を山々に囲われた窪地に集落を構えるイルハシア族もそのうちの一つである。
彼らは同性愛を容認するなど独特な風習を持つ、背丈が皆高く、顔立ちも整った民族だった。
泉と反対側の壁には人一人が座れるくぼみが5つ、くりぬかれており、
5人の女たちが座っている。薄紫色のローブを身に纏った女たちの顔はしかし、
一様に苦悶の表情を浮かべた仮面をつけている。5種の苦痛の表情を浮かべた女たち。
重い扉が開かれる。
腹部を肥大させた女その後ろに3人の茶色のガウンを纏った男たちが続く。
女は神事を執り行う神官であり、男たちは従者、女たちは侍女として神官に仕える。
侍女達の前で、女は立ち止まり、その後ろに男たちが控えた。紫色のローブに
女の白い肌と栗色の髪が映える。仮面をつけた女がうやうやしく差し出した石盃を、
女は飲み干した。ゆっくりと石段を登る。高さにして約1メートル。
泉の方を向き、男たちにローブを脱がされると真っ白な巨大な腹部と、肥大し、
先端が黒くなった乳房を露になる。女の裸体を泉の水で清め、一人の男が後ろから
女の乳房と腹部をゆっくりと愛撫し始めた。両の乳房を乳首まで揉みあげ、
肥大した腹部を周囲からゆっくりと円をかくようになでつける。
女が身じろぎする。尚も男は愛撫を続ける。腹部が硬く張り始める。
最初に飲んだ薬と男の愛撫によって陣痛が引き起こされつつある。
神官は世襲。次代の神官を産み落とすのも神官の重要な神事の一つである。
神官は泉に置かれた神体と交わり、孕むとされている。故に神官は
“石と水の巫女”とされているのだ。18で、神官としての職務を受け継ぎ、
25歳になると、胤つけの儀式と呼ばれる儀式が執り行われる。
ご神体とされる石柱で処女膜を破られた後、侍女により選ばれた男たちが一週間、
代わる代わる孕みの部屋を訪れ、交わるのである。女は目隠しをされ、
交配者が誰かはわからない。
神官に仕えることのできる従者、侍女たちはみな同性愛者である。
彼らは生殖と性愛とは全く別のものとして考えてきた。
同性愛者であっても生殖を望めば、異性との交渉も可能である。
だが、従者、侍女となる者たちにだけは生殖行為は許されなかった。
もし、望むのであれば、職を退くしかない。彼らは神官不在時の代行者としての
責務も担う。そうなった時、余計な跡目を狙う権力争いを回避しようとした
先人の知恵ともいえる。
石壇では愛撫が続いていた。時折、妊婦が眉間を曇らせ苦しげな表情を浮かべる。
“ううぅぅぅっ”
腹部の張りが強くなる。男が愛撫の力を強める。定期的な張りが訪れるようになってきた。
“ふうううううううああああっ”
思わず妊婦が男の腕にしがみついた。股間から鮮血が足を伝う。
乳房からの初乳が噴出している。
男は愛撫の手をとめ、ゆっくりと女の腰を下ろすと、その足の付け根を
巨石にくくりつけた革ベルトで縛りつけた。
一人残された女は足を固定されたまま、腹部を抱え、苦しみに呻く。
“うあああああああーー、あああああっ、ああっ”
脂汗がにじんだ顔には苦悶の表情が浮かぶ。弱かった陣痛は、激しい収縮に激変していた。
“おああああーーー、ああっ、んっううっ”
“ううううーーーんん、あああっあああああーーーーー”
美しい顔を苦痛に歪ませ、円形の石の上に横たわり、のたうちまわる。
“ウッッ、うううーー、んううっおっ、おおおおおおーーーー”
しがみつくものを求め、宙をさまよう手を男がしっかりとつかむ。
歯を食いしばり、激痛に耐える。腹部は既に石のように硬い。
男が、股間の鮮血を拭き取る。
女は男の手を握ったまま、顔をのけぞらせ苦しみもがく。
“んんんーーーーーーっ、ウウッ、っアアアアアアーーーー”
うめき声が神殿内に響き渡る。汗にまみれ、のた打ち回る女の裸体を
篝火が美しく照らし出す。時折、一人の男が苦しむ女の股間をまさぐる。
“あああああああーーーっっ、おおっ、おうううううううっ、あああっ、あああああああーーー”
激痛に呻き、苦悶しながら長い時間が過ぎた。足の付け根のベルトがはずされ、
苦しむ女を男が両脇から抱え、無理矢理に直立させる。腰が押しつぶされそうな
痛みが女を襲う。
一人の男が巨石の中央部分の窪みにご神体の石柱をはめ込んだ。
“あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛—————————。おおううっあ゛あ゛あ゛あ゛っっ。
アアアアアアアアアアーーーーーーーーーー”
両脇からしっかりと抱えられたまま女は陣痛に絶叫する。男は苦しむ女をかがませ、その股間に石柱を食い込ませる。女は中腰のまま、苦しみから逃れようともがき続ける。
“オア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛—————ッアアアッ、アアアッ、アアアッ、アアアッ、おおおーーーーーーー”
凄まじい絶叫が響く。石柱が深く突き刺さるように女の腰周りを押し付ける。
“ギャアアアアアアアアーーーーーーっ、ああっ、ああっ、んんうおおおおおーーああああああああああああああああーーーーーっっ”
女は体を震わせ、男たちに腕を絡ませ、しがみつきながらうなり声をあげた。
尚もグッと石柱を股間に突き刺そうとする。
“あ゛あ゛あ゛っ、あ゛あ゛あ゛っ、あ゛あ゛っっ”
泣き叫ぶ女。乳房を揺らし、汗まみれの裸体。太鼓腹が醜く突き出している。
“あぎゃああああああああああああああーーーーーーーーっ
アアアアーーーーー、おおああああああああーーーーーー、
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ”
石柱が突き刺さった股間から血の混じった羊水が流れ落ち、石柱に吸い込まれていく。
絶叫する女を男たちはゆっくりと石柱から抜き差し、直立させる。
“お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛—————”
立ち上がる途中、バシャバシャと羊水が石柱に飛沫をあげて降り注ぐ。
目を剥き、両脇の男の腕にしがみつく。
汗と初乳にベタベタになった体を横たえ、膝を立てたまま、両足を大きく開脚し、
足首を皮ベルトで、更に乳房の下と上をも石壇に縛り付けた。
“んおおおおおおおおおおおーーーー、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛————う゛う゛う゛う゛う゛う゛
う゛う゛う゛———————”
頭越しに、男が控え、妊婦の腕をしっかりつかむ。泣き叫び、うなり声を上げる女。
“んんんっぎいいいいいーーーーー、あぎゃああああああーーーーーー、
んんんんんんんーー、うぐうううーーーうううっっっ、んんぐううううーーーーーー。
天井に突き出た腹を揺らし、顎を突き出し泣き叫ぶ。呻り声が続く。
“ううううっ、ぐふっう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛——————、
ぎいえええええええええああああああああああーーーーーー”
股間が赤黒い血液で汚れている。
“いぎいいいいいいいーーーーー、んんんんんーーーーーっ、
んおおおおおおおーーーーー、ああああっ、ああっ、ぎやああああああああーー”
壁にかけられている松明の炎が揺れる。瞳が見開かれ、物凄い形相で悶絶する女。
“ぬおおおおおーーー、ううううーーん、ううっんんっ
う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛———、うんんっ、ううっああああーー、
ひぎいいいいいーーーーー、あ゛あ゛あ゛あ゛——————”
初乳が噴出し、女の顔、そして座っている5人の女たちにかかる。
男が女の股間にひざまずき、鏝を子宮口に突き刺し、押し開こうとする。
“いぎゃあああああーーーーーーー、やあああーーーー
めーーーーーーーやーーーぎゃあああああああああああああ”
“んんんぐうううううーーーーー、ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛
ん゛ん゛——————、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ”
何度も何度も呻きと絶叫を繰り返し、漸く胎児の足が見え隠れ始めた。
“ううううーーーんんんんんんんっ、ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛
ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛————、んンンンンンンンギャアアアア
アアーーーーーーーーーーーー、ひぎいいいいいいいいいーーーーー”
凄まじい絶叫。尚も妊婦は呻り、胎児を娩出しようとする。腹部が変形する。
男の腕を必死に握り締め、体を震わせて苦しみ続ける。
臀部を石壇にこすりつけ、顎をのけぞらせ地獄の激痛から逃れようとする。
“うううんんぎゃあああああああああーーーーーーー。
おおああああああああああーーーーーーーうぐんんんんんんん、
うううっ、んんっ、ああああっ、ぐおおおおおおおおお”
股間から血飛沫があがり、会陰が根元まで四方に裂けた。
“ああああーーっ、ああああああーーっ、あああああああーーーーーーーー、
ぎゃああああああああーーーー、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛”
男が股間から胎児を引っ張り出そうとする。
“やーーーーーめーーーーーあぎゃああああああああああ
ああああああああああーーーーーーうううぎいいいいいいいい
えええええええええええええええええええええ、ぎゃああああ
ああああああああああああああああああああ”
長い絶叫が響く。男が股間に指をねじ込み、左右に引き裂こうとする。
もう一人が胎児を引っ張る。恥骨が砕かれそうな激痛に妊婦は呻り、泣き叫びながら
腹を抱え、仰け反る。
ゆっくりと頭がねじり出てくる。メリメリと股間がつぶされるような激痛が
体中を蹂躙する。目を剥いて、絶叫する。
“あぎゃああああああああああああああーーーーーーー、
アアアアアアーーッ、アアアアーーーッツ、アアアーーーーッ、
うおおおおおおおーーーーーーー。ひぎゃあああああああーーーー
ああああああああ”
“ううううーーん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ー、ん゛ん゛ん゛ぐぐっぐ
ううううううう。アアアアーーー、アアアアーーー、あぎゃあああ
あああああーーーーーーー”
“あああああああああああああーーーーーーーー
ぎゃああああああああああああああああーーーーーーーーー
うがあああああああああああああああーーーーーっ”
壮絶な絶叫と共に胎児が娩出された。胎児は泉の水で洗い清められ、
女の手に委ねられ、その後は彼女たちによって育てられる。
女は朦朧とし意識の中、汗だくで力なく体を横たえ、うつろな表情で腹部をさする。
ぐにゃりと変形した腹部。股間から胎盤が引き出される。
血まみれの下半身を泉の水で清めていく。男たちが両乳から溢れる初乳を搾り、
泉に流す。見る間に泉は乳白色に変色する。
後処理が終わると、男たちの手により、寝室へと運ばれていった。