魅せられて


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9 ・ 肉の稲妻


毛布を頭からかぶって、父親の胸に顔を埋め、紫織は猫のように甘えていた。

時折、コツコツと横っ腹の辺りに、勃起した陰茎の先端が当たる。紫織は、父が自分を抱くことで

男らしい肉体の兆候を示してくれることがたまらなく嬉しかった。

だからどうしてくれと言うのではないが、それだけで、ふだん健などからイカされるときより

数倍も気持ちよかったのである。

「まだ、大人になりきっておらんのう」

固い尻の感触を愛しむように、紫織の腰から尾てい骨の周りを撫で回していた伝次郎が言った。

「お前、こんなんでもう男を知っているのか?」

「うふふん・・・」

紫織は答えなかったが、両肢を擦り合わせるように身体を捩じらせて擦り寄っていった。

もう少し奥を、ちょっと股の間に手を入れてくれたら、先刻自分でも驚いたヌルヌルになった

女の肌がわかる筈なのである。

「父ちゃん、私、お母さんの代わりだって出来るんだよ」

垂れ下がるほど膨らんでいないが、半球形の乳房を父親に愛撫されると、魂が天に舞うような

気持ちになって、紫織は思わず口走った。

「ねぇ、父ちゃん、私なら好きになってくれるんでしょう?」

「ああ好きだ。産まれたばっかりのときにな、オムツを替えるときオシッコを飛ばしやがって・・・」

「へぇぇ、私が?」

「うん、父ちゃんの顔にかかって、ビショビショになった。可愛くて、おまんこまで舐めてやったよ」

「うわあぁ・・・」

赤ん坊の頃、おまんこまで舐めてくれた父・・・。

その情景がまざまざと脳裏に浮かぶと、紫織は突然、電気に触れたようなショックで絶頂に

達した。爪先が震え、粘膜の奥からジィーンと愛欲の汁が滲み出してくるのが判った。

「どうした、イッているのか?」

「アァァ、ウン・・・」

「馬鹿野郎、俺のちんぼでイッてしまうやつがあるか。イキたくなったら、もっと別の男を捜せ」

「イヤッ、お父さんだって、ホラこんなになってるジャン

紫織がパッと毛布を捲くった。

へそまで露出した下着のシャツと、ゴムが弛んでズリ落ちたパンツの間から、肉色の男根が

ヌッとばかりに突っ立って天井を向いている。

「これは仕様がねぇ。俺は男だからな、女と寝ればオッ立つのは当たり前だ」

「だッだから、お父ちゃん・・・」

「ん? 紫織、俺にハメてくれっていうのかい」

まるで他人事のように、伝次郎が言った。

「やっぱ、あいつの子だなぁ。女になっているとは思っていたが・・・」

「違うってば・・・ お父ちゃんが女にしてェ」

伝次郎が、無言で紫織のパジャマを捲くった。

まだ子供っぽい体型から抜けきっていないが、毎晩のように男を相手にしても肌の滑らかさを

失っていないのは若さの特権であろう。

絹枝に比べれば、半分くらいしかない細い脚、脂肪の蓄積が出来ていない平べったい腹、

その下にある黒々とした陰毛も、伝次郎が見れば生え際のハッキリした幼い娘の陰丘であった。

「どぅら、どのくらい出来上がっているか、試してやろう」

布団から半身起こして、伝次郎はパチッと天井の照明の紐を引いた。

パァッと明るくなった部屋の真ん中で、紫織は上を向いたままガタガタと震えていた。

期待と緊張と、とうとうお父ちゃんがヤルんだという感動で、小刻みな筋肉の痙攣が止まらないのだ。

眼の上に、再び勃起した男根が睾丸の袋をぶら下げて揺れていた。娘に性器を見せることを

何とも思わない伝次郎の神経も異常だが、父の動物的なものを見て感動する紫織は、

さらに変形した性欲を持って生まれているのかも知れない。

「どら毛が生えておるか。子供のときはツルツルの饅頭だったが」

独り言のように呟きながら、伝次郎は無造作に紫織のパジャマを下ろした。

パンティーを穿いていないので、それだけでモロに下腹部が露出する。

「わっはっは、よく生えているな」

こんな形でわが子の成長を見るのが嬉しいのか、伝次郎は上機嫌でパジャマの胸を開けた。

「うふふ、おっぱいは小さい。乳首はまだ生娘だな、もっとおおきくなるぞ」

眼をいっぱいに開いて、ガタガタ震えながら、紫織は父の視線の下に全身を曝していた。

「寒かろう。抱いてやるからこっちを向きな」

六本並んだ蛍光灯の照明をつけたまま、伝次郎はボリュームのある裸体を紫織の横に置いた。

腕を伸ばして引き寄せると、大きな胸の中にスッポリ、呼吸も止まるほどの力で抱きしめてきた。

下腹に、今度はハッキリとゴツゴツした先端に突かれるような感じがあって、自然に脚を広げる。

「お父ちゃんッ、スッ好きだよゥ」

「可哀想に、今日までホッポリ出されて生きてきたんだな」

言いながら、伝次郎は広げた脚の間に割り込んできた。左手で紫織の背中が浮きそうになるほど

抱き寄せて、右手で内股を掴んでグイと上にあげる。

「おうおう、たくさん出しているな。おっ母ァに似て、性力は強い方だろう」

これが父親の愛と言ってよいものかどうか判らないが、伝次郎は、カチカチに膨らみきった男根を

握って、紫織の肉ベラを掻き上げるように二・三度動かす。その度に、抱きついている紫織の腕に

力が入った。

「どうだ、入れてみるか?」

「ウゥ、ウン、ウン・・・」

何回も首を振りながら、父の背中にしがみつく。

周りが濡れそぼっているせいか、挿入はいとも簡単に出来た。

肉襞がググッと広がる感覚があったが、そのまま人一倍大きな伝次郎の男根が、ズブズブッと

一息に根元近くまで入ったのである。

奥に達した瞬間、子宮が突き上げられるのか、胃袋まで掻き回されるような鈍痛があった。

「父ちゃんッ、お父ちゃん・・・ッ」

脚を絡もうとして伝次郎の腰に回すのだが、足首が思うように動かなかった。赤黒い裸体に

圧し潰されて、もがくように爪先が宙に躍った。

「おぉ、こりゃあ良い。いいぞ紫織っ」

「うわァァん、えぇッ、うえェェ・・・」

理由もなく、紫織は嗚咽していた。

これまで飢えていた肉親への思慕がこんな形で爆発しようとは、思っても見なかった発作的な

衝動であった。だがそれは、長年の間に培われ、積み重ねられてきた体験と、心理的な要因の

結実であろう。同じ体験をすれば、誰でも紫織のようになるとは限らないが、持って生まれた

資質と、親から受け継いだ変態の血が、否応なしに紫織を異常性愛の道に導いていったことは

否定できない。

理性では計り知れない性欲は、父親の伝次郎にも明らかに存在していた。

娘の触感を楽しむように、ゆっくりと腰を上下に動かしながら、伝次郎には少しもためらいという

ものがなかった。小ぶりで未成熟な女陰から与えられる快楽は、八年ぶりに再会したわが子への

愛情と二重になって、伝次郎もまた、この上なく満たされた境地に到達しているのだった。

「おう、イクんじゃねぇぞ」

その夜限りの飲み屋の女に話しかけるように言うと、折り重なった身体を起こして若毛を

掻き分ける。

「ピッタリだ。俺の娘だけあって巧く入ってるなぁ」

我ながら感心したように呟くと、両足首を掴んで、高々と持ち上げるとグイと腰を入れた。

「ウェッ、ヒィッ・・・」

ひと突きされるたびに、子宮が胃袋まで押し上げられるような気がする。

今まで経験したことがない太いものが穴の中いっぱいに膨らんで、頬張っている感じだ。

気がイクというより全身が麻痺状態になって、どこを触っても快感が噴き出してくる。

性器の密着感を楽しむように、伝次郎が腰を揺すると、腹筋が痙攣して紫織は激しく跳ねた。

「ほらほらぁ、イクなと言ったろう」

「はぁッ、はぁッ、父ちゃんもっと・・・

「どれ、じゃあ今度は上に乗せてやろう」

肉棒を嵌めたまま、ゴロリと身体を返して紫織が上になった。

前に倒れて覆いかぶさろうとするのを、両手で脇腹を支えて直角に動かす。壊れたあやつり人形の

ように、首だけがグラグラと前後に揺れた。

意識して喰い絞めているわけではないが、それでも伝次郎の肉棒は、紫織の股間に深々と

突き刺さったまま抜けなかったのである。

男の射精と違って、こうなると女の肉体は快感の塊りとなってイクときの感覚が持続する。つまり

イキ続けになってしまうのである。

紫織がこの状態になって狂乱するのを嬉しそうに眺めながら、いっそうの快感を与えてやろうと

するのが、伝次郎の父親としての愛であったのかも知れない。

それからおよそ三十分、紫織は何回となく

失神しては男根に意識を呼び戻され、

イキ続けになってはまた失神を重ねた。

伝次郎がようやく動くのをやめて腹から

下ろしてくれたときには、朦朧として目にも

耳にも霞がかかったようになっていた。

「抜くのは惜しい。こうやって、ハメたまま

寝よう」

ボンヤリと、父の声が聞こえた。

抱かれたまま、紫織は吸い込まれるように

夢の世界に落ちていったようだ。

それからどのくらい経ったのか、あるいは

ほんの2・3分だったのか、1時間も経っていたのか

判らないが、遠くの方で、甲高く錐を刺すような

女の声が聞こえて、紫織はハッと我に返った。

「紫織ッ。まァ、あ、あなたは、紫織に何を・・・」

ギョッとして起き上がろうとしたが、父の性器がまだ股間に喰い込んでいるのが判ると、

紫織は氷のように全身が冷たく、固くなった。



10 ・ 母と娘の関係


男根はまだしっかりと固く、逞しく勃起していて、紫織の肉穴から外れていないところを見ると、

眠っていたのはごく僅かの時間だったのだろう。

絹枝は当然鍵を持っているから、勝手に部屋に入れることに不思議はないが、ドアが開いた音も、

境の襖を開ける物音にも気がつかなかった。ボンヤリと目をひらくと、頭のすぐ近くに立っている

絹枝の足が見えた。

それにしても、父親の腕を枕に、足が絡んで腰の上に乗せられているので、起き上がることが

出来ない。

「何だ、てめぇ、何しに帰ってきたんだ」

伝次郎が、結合した部分を隠すでもなく面倒くさそうに言った。

「し、紫織ではあなたのお世話が出来そうもないから、ご主人様にお願いして今夜だけ

帰して頂いたんです。そ、そうしたらこんな・・・」

「余計なお世話だ。俺が紫織に手を出すんじゃねぇかと心配になって戻ってきやがったんだろう」

「そんなこと、考えもつきませんでした。ま、まさか・・・」

それでも伝次郎は、紫織を放そうとしないのである。勃起が萎えるのを抑えるためか、

二・三度ゆっくりと腰を使いながら言った。

「そんな妙な顔をしていないで、いいからてめぇもこっちに来い。この子の母親だろうが」

腕力で二人を分けるわけにも行かず、絹枝は腰が抜けたように、ベタッとその場に

膝をついた。

「あなた、こ、この子をどうなさるおつもり・・・?」

「親父とおふくろが変態だからな。娘がどうなっても仕方あんめぇ」

そうよ、その通りだわ・・・、

紫織が心の中で呟く。

伝次郎が動揺を見せないので、紫織は完全に落ち着きを取り戻していた。

幼い頃、目の裏に焼きついている両親の痴態。

あの頃はさんざん見せつけておいて、今になってヤッてはいけないなんて言えるわけないでしよう・・・

「ウゥゥ、フゥン・・・」

自然に鼻を鳴らして、紫織は父の首筋に腕を巻いた。

「それ見い、こんなに悦んで、おまんこを絞めとら」

横抱きにして腹の上に乗せた太股をグイッと広げて、下から男根を突き上げる。

「どうだ、立派に咥えとるだろ。こうなったらもう子供だなんて言っちゃおれんぞ」

「あぁぁ、あなた・・・

メラメラと、絹枝の背中に火が燃えていた。それは怒りでも恨みでもなく、淫欲のあぶらに

嫉妬の火種が火をつけた、青白く一挙に燃え上がった炎である。

絹枝はものに憑かれたようにスリ寄って、上を向いた男の顔に唇をつけようとした。

「穢ねぇっ」

首を激しく振って拒絶すると、伝次郎は行き場所のなくなった女の頬に平手打ちをくれて言った。

「ひッ、あんたァッ」

「血迷うんじゃねぇっ、てめぇ犬なんだろうが」

「ハッ、ハッ、ハィ・・・」

「だったら、ちんぼを舐めろ」

「犬・・・、わたしは犬なんですよね」

「遠慮はいらねぇよ。判ったら紫織のぶんも一緒に舐めてやれ」

「犬なんだわ。わたしもう、犬になります。あぁッ、ご主人様・・・」

うわ言のようにいうと、何を思ったのか、絹枝は突然昼間着替えたばかりの洋服を脱ぎはじめた。

ブルブルと震える指先でボタンを外す。

万歳の形でガバッとブラウスを脱ぐと、紫織の小麦色に比べて豆腐のように白い素肌が

剥き出しになった。半開きになった唇から涎を垂らして、四ッん這いのまま紫織の側に近づいてくる。

父ちゃんを奪られたくない・・・

紫織はとっさに余った片方の足で、母の肩を蹴った。

一瞬ガクッとなったが、絹枝は倒れこむように父娘の股間に頭を入れる。

「ほらよ、これなら舐めやすいだろう」

伝次郎が腰を引いて、半分くらい男根を穴から抜いた。

「アフッ、グフグフ・・・」

絹枝が前後の見境もなく、湯気が立つほどに濡れた肉棒に喰らいつく。口を開けて咥えようと

するのだが、紫織の太腿が邪魔になって巧くいかない。舌をいっぱいに伸ばして、肉棒を

横から舐め上げるのが精一杯である。

舌の先が、嫌でもクリトリスや小さな肉ベラに触れると、異様な刺激が脳天まで突き抜けて、

紫織は思わず叫び声を上げた。

「うわァ、あァァ・・・ッ」

目の前で、絹枝の大きな乳房が揺れている。アフアフと息を吸い込むたびに、それはまるで

別の生き物のように蠢くのだった。

「お母ちゃんッ、おっぱい、おっぱいよゥ・・・」

何を思ったのか、紫織は身体をねじると母の乳房にむしゃぶりついていった。

ウグ、ウグ・・・、と赤ん坊のように乳首に吸いつくと、紫織にはない女の匂いがした。

紫織が弓なりになっているので、そのときようやく伝次郎の男根が穴から抜けた。

絹枝が飛びつくように、一挙に奥まで嚥み込んでグェッと咽喉を鳴らした。さすがに娘の性器を

舐めることは出来なかったが、男根にベッタリと粘りついたぬめりはすべて紫織の体液である。

犬になりきった母が、たまらなく愛しい。今まで心のどこかにあったギコチない気持ちが

不思議なほどあたたかく解けて、紫織は1才の幼児に戻ったように絹枝の乳房を吸った。

母ちゃんは犬だったんだ・・・

変態や異常性欲の知識はないが、それだけで紫織には納得できた。

父ちゃんも獣と同じ、好きなだけ女を作って、とうとう私にもちんちんを握らせてくれた・・・

淫獣のような両親から産まれて、その血を色濃く受け継いでいる自分が誇らしく思えるのだった。

「どぅだい、こいつがふつうの人間じゃねえってことか判ったか」

「う、うん」

「お前ももう大人だ。これからはおっ母ァなんて思わず、犬か豚だと思って扱ってやれ」

「はは、はい」

「よぅし、こいつがどれくらい助平なメス豚か見せてやる」

立ち上がると、伝次郎は紫織が吸い付いている反対側の乳房を、グシャッと音がするほどの力で

蹴った。

「ギャッ・・・」

仰向けにひっくり返って、縮めた四肢が小刻みに痙攣している。

「何だその格好は、バカみてぇじゃねぇか」

それは無防備と言うより、犯されることを哀願するメスだけが示すことの出来るポーズだった。

「父ちゃん、ここだよゥ。ほらッ、母ちゃんをやって・・・ェ」

脚に縋って、母の股の間に導こうとする。躊躇いもなく、紫織は父の亀頭を指先で摘まんだ。

「こっち、ねぇッ、入るとこ見せてェ」

「ほう、そうか。見たけりゃやってやるが、そんなに焦るんじゃねぇ」

伝次郎は、裏返した亀のようになっている絹枝の内股の間に腰を据えながら言った。

「このへんで良いだろう。さあ、あとは紫織の手でちんぼを穴に入れてみろ」

陰毛を剃り落とされた絹枝の陰裂が、目の前にあった。薄紅色の肉舌がパックリと口を開けて、

白い糊状の分泌物が付着している。母親の性器を、これほどはっきりと間近で見るのは初めて

である。

わたし、ここから産まれたんだわ・・・

紫織はマジマジと、あまりにも動物的な母の女の部分に眼を凝らした。

指先で摘まんだ父の亀頭から精液が噴出して、子宮で母の卵子と合体して私みたいな変態が

産まれる・・・

紫織にはその情景が、スローモーションの映画で眼に見えるように思えた。





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