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13 ・ ご主人様の城 | |
絹枝に連れられて、紫織がご主人様のマンションに行くことが決まったのは、 一週置いた次の日曜日、紫織の生理が終わった直後だった。 マンションは、電車で二駅ほど街から離れた郊外にある。 東京の都心と違って、このあたりでは、それだけでもう森や畑が目に付くように なるのだった。 ご主人様のご希望だというので、似合わない学校の制服を着せられて 駅から15分くらい歩いてゆくと、畑の真ん中にポツンと建っている四階建て、 それが目的のマンションであった。 これではお母さんが夜帰ってこないのも無理はない、と紫織は思った。 深夜、15分の道のりを女が一人、畑の中を歩いて変えるには相当な 勇気が必要である。マゾだからといって、誰に襲われてもよいという ものではないのだ。 ご主人様と絹枝の部屋は、このマンションの4階にあるのだという。 エレベーターのない階段を登って、絹枝は少し息を切らしながら突き当たりの 扉の鍵をカチャカチャと鳴らしながら言った。 「お入りなさい。遠慮しなくて良いから・・・」 黙って中に入ると、公営の団地よりずっと明るい。周囲にさえぎるものがないので、 午前10時の太陽の光が燦々とさし込んでいた。 部屋の中は、コンビニの弁当殻が山になっている紫織の団地と比べたら見違えるほど 片付いて、家具は少ないがキチンと整頓されていた。 ふた間続きの2LDKで、手前が茶の間、奥が寝室である。 紫織がびっくりしたのは、寝室にひとつだけ置いてあるセミダブルのベッドの上に飾ってある 絹枝の写真だった。 一枚はどこかに旅行に行ったときにでも撮ったのか、見たことのない橋の上で、 絹枝が自分でコートの前を広げている立ち姿であった。その下には何もつけていない代わりに首から 乳房、ウェストから股間にかけて、ギッチリと菱形に縄をかけられていた。よく見ると、股縄の間には 紫織も二・三度使われたことがある 大人のオモチャが埋め込まれて もう一枚は明らかにこの部屋の中で、後ろ手に 縛られ犬用の首輪を嵌められた絹枝が、畳に 這いつくばった格好で男の足の指を舐めている 写真だった。 撮影したのは、おそらくご主人様であろう。カメラを 持ったまま足を伸ばして、舐めにきた絹枝を 斜め上から撮ったアングルである。前後の情景が 思いやられて、突然クリトリスがピクピクと動く。 それは紫織も予期していないことであった。 「コーヒーでも飲む?」 写真を見られたことを恥じる様子もなく、絹枝が 背中を向けたまま言った。 「いらない」 答えにかまわず、絹枝はヤカンにお湯を沸かしながら続けた。 「お菓子を買ってくれば良かったわね。お母さん買ってくるから、お留守番していてくれる?」 二人でいるところを、ご主人様に見られたくないのだ。紫織より絹枝のほうが、ソワソワと 落ち着かない様子だった。 「お昼はご馳走してくれるって、ご主人様が言ったんでしょ」 「それはそうだけど、何にもなくちゃ悪いから・・・」 だがそのとき、ガチャガチャと無遠慮に玄関の鍵が鳴った。絹枝が慌てて迎えに出なくても すぐにご主人様だと察して、紫織は故意に壁の写真を見ているポーズをとった。 「やぁ、少し早かったかな」 襖を開けて入ってきたのは、父の伝次郎よりも小柄で年上の中年男である。 「うむ、この子か・・・? よく来たよく来た」 男は上機嫌で、部屋にひとつだけ置いてあるご主人様専用らしいソファにどかりと腰をおろす。 これが、写真に写っていない椅子なんだな・・・、と紫織は思った。 「コーヒーなんか後で良い。まずは紹介しなさい」 「あッはい・・・」 絹枝が、男の足元にベタリと膝をついた。 「む、娘でございます。紫織と申します」 振り向いた母の眼が縋るように、”ご挨拶して・・・”と訴えている。 「こんにちわ・・・」 紫織は、ちょっとはにかんだように笑った。 「ほう、紫織ちゃんか、なかなか良い名前だ」 男は鷹揚に言ったが、第一印象は決して悪いほうではなかった。 父の伝次郎と違って公務員風で、インテリのにおいがプンプンしている。逞しさでは 父のほうが上だが、援交のダサい親父なんかよりよっぽどマシだと紫織は思った。 たとえ田舎でも家庭のほかにマンションを持ち、マゾの女を抱えてご主人様と 呼ばせているのだから、それなりの地位も収入もあるのだろう。もしかしたら 県庁か市役所あたりのえらい人なのかも知れない。 「年は幾つだね。中二というのは本当か?」 そんなことは、絹枝からとっくに聞き出しているくせに、ご主人様は勿体をつけるように 聞いた。 「うん、あんまり学校には行ってないけど・・・」 「それはいかん、義務教育だからな。中学だけは出なさい」 「はい」 「初めて、セックスしたのはいつだ」 「えぇと、半年くらい前・・・」 「ふぅん、気持ち良かったのかい?」 「いいえ、そんなに快いとは思わなかったです」 「はっはっ、それにしても親の血を引いて、淫乱だな」 突然、うつむいている絹枝に向かって、罵声を浴びせるように言った。 「何をやってる。いつまでグズグズしているんだっ」 「はッ、はい」 「娘を生け贄に差し出すような女は人間じゃない。お前は犬にも劣る畜生だな」 「はい・・・」 「それが解っていたら、さっさと脱いでしまえ。畜生の身体を紫織にも良く見せてやれ」 「ご、ご主人様・・・」 「早くせんかっ」 俯いている頭を蹴り上げると、絹枝はのけ反っていまにも泣き出しそうな顔になった。 「娘に裸を見られるのがそんなに辛いか。やっぱり母親は母親だな」 「いえ脱ぎますッ、ただいま・・・」 ほとんど反射的に、絹枝は上着のボタンに手をかけた。ブルブルと指先を震わせながら ブラウスを取ると、白くて肉のたるみが見える二の腕が剥き出しになる。 ブラジャーを着けていないので、肌着の奥で乳房が揺れるのが見えた。女臭い乳の匂いが 紫織のところまで漂ってくるような気がした。 畳に膝をついて、しゃがみこんだままスカートを取ろうとする母のポーズを、紫織は瞬きもせず 見つめている。 絹枝がよろけながら、ようやくのことでスカートを足首から抜いたとき、待ち構えていたように ご主人様の声が飛んだ。 「下着も脱いで、いつもの首輪をもってこい!」 「ハッ、ハイッ」 衣服は脱いだが、パンストがズリ落ちて尻の割れ目が半分露出している。パンティーを 穿いていないので、普通なら黒く透けて見える筈の三角地帯が、ノッペリと下腹部と同じ 色をしていた。 それを紫織に見られないように、蟹歩きで箪笥の前まで行くと、小引き出しからズルズルと 紐のようなものを取り出す。先端についている黒革の輪っかは、ひと眼で犬用の首輪と判る。 絹枝が無言で差し出すのを受け取って、馴れた手つきでカチッと首に嵌めた。 「こいつは小父さんの犬だ。今日は母ちゃんだなんて思わんでも良いぞ」 「う、うん・・・」 「犬ってやつは、親娘でも兄妹でも平気でツルんで仔を産むんだ。面白いな」 「・・・・・・・・・」 紫織は、クスンと鼻を鳴らした。父ちゃんに抱かれた夜のことを思い出して、クリトリスが 痺れがいっそうひどくなっている。 「ははは、そう言えば紫織は犬の仔だな。可愛い子犬だ」 「えへへ・・・」 紫織は照れたように曖昧な笑いを見せた。 ご主人様の狙いは、絹枝を羞恥のドン底に追い込んで、おもむろに母娘ドンブリの快味を 楽しもうというところにあるのだが、紫織の性欲は早くも十分な反応を示しはじめている。 14 ・ 檻の中 「どうだ、小父さんとヤッてみたいとは思わないかね。スリルがあるぞ」 「だってェ」 「あぁこいつか、気にしなくても良い。ただの犬だ」 ご主人様が、持った縄尻をグイと引きながら言った。 「こら、お前は紫織の何だ。母親か?」 「い、いえ・・・」 「ハッキリ言ってみろ!」 「犬ですッ。ご主人様の、い、犬・・・」 「ふふふ、聞いたか? 犬の前なら何やっても恥ずかしくないだろ」 「はい」 「うむ、いい子だ。それじゃ制服を脱いでごらん」 「はぁい・・・」 紫織は人形のような手つきで、巻いていたスカーフを取る。スカーフを足元に置くと、 ためらいもなくパッパッと制服の上下を脱いで、ポンと絹代の前にほうった。 「ふうむ、いい度胸だ」 そろそろ遊んでいる段階ではないと思ったのだろう。ご主人様も真顔になった。 「おい、ズボン・・・」 背広の上着を脱ぎながら絹枝に催促する。ハッと立て膝になって、絹枝がズボンのベルトを 弛めにかかった。 「お前はどう思う。自分の娘を俺に抱かせるのは、嬉しいか?」 「は、はい、ご主人様・・・」 「何故だい。普通の母親なら命を張っても止めさせる筈だぞ」 「わ、私は変態、いえ犬ですから・・・」 「嘘じゃないんだな、その気持ちは、親としての権威も情も捨てたって言うのか」 「あうぅ、はい、ご主人様」 絹枝は、ご主人様の足元からズボンを抜くと、胸に抱きしめて頬擦りするように言った。 「紫織を差し上げます。どうかお楽しみください」 お母さん、しっかりしてよ・・・ 聞いているうちに、紫織はまた笑いがこみ上げてきた。 二人とも興奮しちゃって、お芝居してるだけじゃん・・・ 深刻な顔はしているが、お互いに、暗黙のうちに認め合った性欲である。 お母さんだって、わたしがご主人様とヤルのを見たくってたまらないくせに・・・ 激しさから言えば、ご主人様のような中年より、セックスに餓えた暴走族の仲間たちに マワされるほうが、よほど迫力があった。だがこれはこれで、淫靡に爛れたような大人の 情念の世界が紫織を虜にしていた。 「さぁ、そろそろベッドにおいで・・・」 絹枝に服の始末をさせると、ご主人様は有無を言わせぬ調子で言った。 「可愛がってやろう。母子どんぶりはどんな味がするかな」 まだ下着を着たままの肩に手をかけて、ベッドに誘う。紫織が、ストンとベッドに腰を落とした ときであった。 「こらっ、貴様、どこに行く・・・!」 「あッあの、わたくしはお隣の部屋で・・・」 「馬鹿者っ、今になって逃げるやつがいるかっ」 ご主人様が、放していた首輪の紐を掴むと力まかせに引いた。 「アァアッ、お許し・・・」 たたらを踏んでよろめきながら、絹枝が引き戻される。揺れる乳房の横っ面を、ご主人様が 思い切り張った。 「グエェッ」 「紫織にセックスのやり方を教えてやるのが母親の勤めだ。忘れるんじゃないっ」 「もッ、申し訳けございません」 「まだパンティーを穿いているじゃないか、お前が脱がしてやれ」 「はは、はい・・・」 震える手で、絹枝は少女のパンティーに手をかけた。 「紫織、全部脱ぐのよ。判っているでしょう」 黙って紫織が腰を浮かせると、パンティーが膝から踵まで一息に滑り落ちる。 「シャツも取って、お願いだから、お母さんの言うとおりにして・・・」 「いいよ、そんなこと自分でやるから」 「ね、ね、いいわね? ご主人様の仰言るとおりに可愛がっていただくのよ」 「うん」 引き締まって、まだ少女の体型をした裸の肉体が、ベッドに仰向けになった。 「ほう、毛はもう一人前だな」 ご主人様が、指で紫織の陰裂を広げながら言った。 「うはは、中味はやっぱり親より新鮮だ。お前も覗いてみい」 絹枝の髪の毛を掴んで匂いを嗅がせるように顔を近づける。 「は、はい、キレイです」 「そうだろう。さすが、お前の娘だ。二・三年したら、いい女になるぞ」 「ありがとう御座います。嬉しいです」 「それじゃいただくか、お前はそこで見ておれ」 男根は完全に勃起している。ご主人様がゆっくりと紫織の上に乗った。 コツコツと丸いものが、股の間を何度か往き来したと思うと、すぐに狙いが決まって グスリと勢いよく紫織に侵入した。 「アァ、フッ・・・」 ようやく、待ちかねていた刺激を得て、紫織は思わず止めていた息を吐いた。 「おお、快いか、快いんだな」 「ごッ、ご主人様ァ」 今まで呼べなかった言葉が、自然に口から出た。 「うむ、腰を動かしてみなさい」 「ハッハッ、ハァァ・・・ッ」 こうなると、後は押し寄せてくる波を待つばかりである。紫織は我を忘れて下から腰を 揺すった。その様子を絹枝がベッドに縋るようにして見上げる。眼はやはり母親の視線 ではなかった。 「よう絞まる。ふぁっはっは、こいつは上等だ」 恥を忘れた性欲をさらけ出して御満悦なのはご主人様だけで、紫織も絹枝も満たされない 欲情が全身を駆け回っていた。父の伝次郎とつながったときとは、そのへんが違うのである。 ご主人様には奇妙に冷静なところがあって、母と娘が畜生になって狂う姿を観察してやろう という魂胆が見えた。 「アッアッ、ご主人様ァ、もっと強くしてぇッ」 若い筋肉が躍動して、紫織が叫び声をあげる。 「いやァ、イキたいッ。イカしてぇェ」 「なに? 紫織、いま何と言った」 男根を差し込んだまま、ご主人様が動きを止めた。 「イキたいだと? お前、イクことを知っているのか」 「うぅんッ、はッ早くゥ、もっと強くやって・・・」 「紫織、わがまま言うんじゃないの。ご主人様が良いと言ってくださるまで我慢すねのよ」 絹枝がベッドの横から、大きく曲げた膝を揺すりながら言った。 「しっかりしなさい。そうすればもっと気持ちよくなれるんだから・・・」 「いや、若さには敵わんな。これではこっちのほうがもたん」 このまま動きを早くすれば射精してしまうと思ったのか、ご主人様は無情に男根を抜いた。 「アアン、もっと・・・」 「引き出しからアレを持って来い。電池を入れ替えて来いよ」 「わかりました」 そそくさと立ち上がって絹枝が持ってきたのは、枕もとの写真で入れたまま歩かされた 大人のオモチャである。 受け取って、ヴィィィン・・・、と振動することを確かめると、ご主人様はベッドに上半身を 寄りかかって、紫織の身体の位置を変えた。 「お前も手伝え、そっち側で脚を開かせるんだ」 「はい」 もういちいち拒んでみせる演技の必要もなかった。唯々諾々として、絹枝はご主人様に 言われたとおり、ベッドの下に回って紫織の脚を広げた。 乳房とウエストはご主人様に抱きかかえられて身動きができない。存分に脚を開かされた ところに、母の絹枝がグリグリと捩じるような感じで中程までオモチャを入れた。 「うわァァ」 思わず声を上げた拍子に、ギュッと穴の入り口が絞まって、異物を押し戻そうとする。 そのとたん、ご主人様がリモコンの電源を入れた。 「ギャッ、ギャン・・・!」 刺激にたまりかねて激しく腰をはねると、玩具が飛び出さないように、絹枝が身を乗り出して 抑えようとする。 「そッ、そんなことしたら、イッちゃうようッ」 「わはは、イキたかったんだろ。イッてみろ、紫織がイキ狂うところを見せてくれ」 ご主人様が、さも心地よさそうに笑いながら言った。 |