魅せられて

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15 ・ 母娘鳩


それから夕方まで、ご主人様の責めは執拗を極めた。

やめて、助けてと叫べばいっそう激しくなるし、イキきって声も出なくなってしまうと、

それまで休ませておいた母の絹枝と交代させて際限もなく続く。

流石のご主人様も疲れてくると、絹枝と紫織を直接からませて自分は見物するほうに

まわる。

紫織の肉で快感を味わうときのほかはほとんど身体を動かさないので、負担の差は

歴然であった。

終わりのころにはベッドの下に並べられ、どちらが多くイクことができるかオナニー比べを

させられて、気息奄奄として紫織は頭の中が空っぽになってしまった。

どうしても絹枝にだけは負けたくないと思ったのだが、若い爆発力には勝る紫織も、熟して

崩れかけたような母の肉体に備わった性欲には及ばないのだ。

指も動かなくなるほどクタクタになって、うつろな目で天井を見つめていると、首輪の紐を

引き絞ったご主人様が、いつのまにか片手に鞭を持っていた。

「それ、まだイケる。イキつづけろ

「アアァ、もうッ、もうだめですゥ」

バシィ、ビシッ・・・

「ヒエェ、イキますッ、イキますから・・・」

ゼイゼイと咽喉を鳴らして、絹枝は全身の力をクリトリスに集中して身をよじる。

「クウッ、クックッ」

「感覚が何十回目かの爆発を起こした瞬間、ご主人様の鞭が絹枝の乳房に飛んだ。

「ギャアァァァ、イクッ、またイク・・・」

「それみろ、何回でも出来るじゃないか。怠けるとノルマを倍にするぞ」

言いながら、腑抜けのようになっている紫織を引き寄せて強引に横から入れる。

だがクリトリスの周りが痺れているだけで、快感はもうなかった。それでもご主人様は

これ以上の快楽はないと言わんばかりに、ズコズコと抜き差しを繰り返す。

「おい、そろそろイクぞ。お前もベッドにきて一緒にヤリなさい」

「アッはい、ちょっと待って・・・」

足元によじ登った絹枝に、ビシバシと遠慮会釈のない鞭をくれながら、ご主人様の

動きが速くなった。

「あぁご主人様ッ」

これじゃ、母ちゃんが止められないのも仕方ない・・・

夢遊状態になった紫織の頭に、そんな考えが波間の浮標のように点滅していた。

ご主人様がようやく射精したことがわかったのは、その直後である。

膣の中が急にいっぱいになったと思うと、ビュッビュッとポンプで水を撃ちだすような

感覚があった。本能的に紫織は全身を仰け反らせ、ご主人様の精液を受け止める

体勢をとった。生理の直後だから、体内に射精されても心配はない。そのことは

事前に絹枝からご主人様にも伝えられている筈であった。

「よぅし、紫織は14才か、これで女になった・・・」

射精したあとの男根が抜けないように腰をひきつけて、ご主人様は余韻を楽しんで

いる様子だった。やがて男根が萎えてしまったのか、紫織の

穴の入り口に張っていた異物感が消えた。

「お前の番だ。口で始末しろ」

「えッ、私が・・・?」

「娘のおまんこを舐めるのは嫌か」

「いえ、やらせていただきます・・・ッ」

ご主人様がゆっくりと身体をズラして、紫織の両脚の間に絹枝を入れた。

「いいか、全部吸い取るんだ。外にこぼすんじゃないぞ」

「はッ、はい」

ご主人様が静かに腰を引いた。男根が紫織の穴から離れた瞬間、ベタッと絹枝の唇が

そこに貼りつく。

ドッと溢れ出してきた精液を吸い取って二度ほど嚥み込んでから、絹枝は思い切り舌を

伸ばして奥を探った。残留した液があると、立ち上がったとき滲み出してきてパンティーを

濡らしてしまうのである。

だが、イキきってしまった紫織は、母親に自分の性器を舐められても、それほどの反応を

示すことはなかった。全身の力が抜けて一種の昏睡状態に陥っている。

結局、紫織が回復するのに一時間かかった。外はもう暗くなっている。

ご主人様が車で送ってくれると言うので、絹枝が助手席に乗って三人で駅まで行った。

歩けば距離があるが、車なら5分である。

絹枝は何か話をしたそうなそぶりだったが、ご主人様の手前、気安く紫織に声をかける

わけにも行かなかったのだろう。アッという間に車は駅前のロータリーに着いてしまった。

「それじゃね、気をつけて帰るんだよ」

「うん」

交わした会話はそれだけである。母親らしい言葉の一つもかけてやれなかったことが、

絹枝にはひどく心残りだったようだ。

だが紫織には、これから絹枝がマンションに戻って何をされるのか、凡その想像はついた。

お前はもう母親ではない、犬だ畜生だと、ご主人様独特のネチネチした理詰めの論法で

追求され、いためつけられるに決まっている。

絹枝は否応なしに自分が呪われた性欲の持ち主であることを認めて、ご主人様の家畜と

なることを誓うのだろうが、それがあの人の生甲斐なんだから・・・、と紫織は思った。

わたしもお母さんみたいな変態なのかな・・・

独りで電車に乗って戻ってきた団地の部屋はつめたく冷えて、残飯の匂いがこもっていた。

途中で買ってきたマクドナルドのハンバーグを頬張りながら、そんなことを考えていると、

何故か急にこみ上げてきて目頭が熱くなる。

紫織は無言で溢れそうになった涙を手の甲で拭いた。

べつに、変態なのが嫌なんじゃない。ご主人様は思っていたより立派な人で、

抱かれたことにも後悔はなかった。

あの人がご主人様なら、いま独身の母親が夢中になっても許すことが出来たし、

家畜だろうが奴隷だろうが、好きなようにされればよい。紫織は、自分にもそんな生命を

かけるような相手がいないことが淋しくて、哀しかったのだ。

いっそのこと、健ちゃんと一緒に住んでみようか・・・

でも暴走族の健は変態ではないし、勢いは良いが、とうてい紫織の性欲を満たすことが

出来るとは思えなかった。そう言えば姉のキネ子と健の関係は未だに謎だが、絹枝の

携帯の番号を教えておいたので、そのうちに連絡があるだろう。

そのことも打ち合わせしておきたかったのだが、ご主人様の前では何もはなすことが

出来ない。

お母さんのことだから、きっと上手くやってくれるだろうと考えながら、昼間の疲れもあって、

紫織はグッスリと眠り込んでしまった。

「おいっ起きろ。何だって布団も敷かねぇで寝ているんだ。風邪を引くぞ」

突然、頭の上で地響きのような声がして、紫織はワッと目を開いた。

父ちゃんだッ・・・

とっさに見回すと、目の前に太い脚が一本だけ見えた。

えッ、えぇッ・・・

慌てて半身起こしかけて、ようやくあたりの様子がわかった。伝次郎は、紫織の胸の上を

跨ぐような形で経ったまま上から見下ろしているのだった。

「うわァん、お父ちゃん・・・ッ」

精一杯の甘えた声を出して、紫織は父の片足にかじりついた。



16 ・ 女への道


「わはは、泥棒に入られたら一発だぞ。ドアは開いているし、娘が独りで眠り込んでいれば、

御馳走食べてって下さいと言ってるようなもんじゃねぇか」

伝次郎は、愛しそうに紫織を抱き寄せながら笑った。汗臭くて、ぶ厚い胸である。

「だってェ、誰もいないんだもん」

「そうか、すまねぇ。お前は子供のときから、独りで大きくなったようなものだからな」

伝次郎も、親としてのつとめを果たさなかった責任は感じているようであった。

だが紫織には、そんなことを責めるよりも、今の伝次郎に父親と言うより男を感じる

ことのほうが先であった。

「お父ちゃん、好きィ」

しなだれかかって、手が自然にズボンとシャツの間から毛むくじゃらの胸をまさぐる。

「よしよしほら、握らせてやるよ」

伝次郎が自分でズボンのベルトを緩めた。

「ウフン、お父ちゃん・・・」

先日のことがあってから、これは公然の成り行きである。父と娘は、誰にはばかることもなく

ひとつがいのオスとメスに変貌していた。畳にゴロ寝してズボンの前をはだけ、勃起した

男根を娘に弄ばせている。こうやっているときが、紫織にとっても孤独から解放されて

いちばん安らげるひと時であった。

とくに、今日は昼間からご主人様に気が遠くなるほどイカされているので、父の男根に

触れても激烈な発情の発作が起きることもなかった。

人一倍巨大な男根は、ご主人様のより一回り大きい。この太さと握ったときの量感は

紫織の誇りでもあった。

このおっきなちんちんから、わたしは産まれたんだ・・・

と思うと、性欲が他の人とは違うのも当たり前のような気がする。

伝次郎には、母親のようにセックスにのめりこんで自分を見失っているようなところは

ないが、その代わり、紫織が何をやっても笑っているだけで、絶対に叱ったりしないのが

変わっているといえば変わっているし、紫織にとってはありがたいことであった。

世間の親が、自分の娘のセックスに関しては異常なほど潔癖なことを思うと、

禁欲させることが幸福への道だとでも考えているのだろうか、そのくせ、自身が

やっていることはどんなに非道徳でも、他人にバレないかぎり独占して貪ろうとする。

だから浮気だの不倫だのが表沙汰になることを極端に恐れるのだ。

伝次郎の男根を嬲りながら、紫織はウットリと眼を閉じて、父の愛撫に全身を

任せていた。

無骨な指が、尻の穴をグリグリと揉み解すように動く。陰毛との境目が解らないほど

密生した下腹部の体毛の感触がたまらなかった。

ご主人様は、毛が生えていることを動物的だと恥じるように体毛が薄い。それはそれで

一種の清潔感というか、プラスチックのような冷酷な性格を感じるのだが、紫織が

憧れるのはやはり獰猛で野性的な伝次郎の筋骨である。

「どうする。今日は、ハメるか」

「ウン、やって・・・」

トロリンとした融けるような声で紫織が言った。

「お父さん、奥さんとヤッてきたんでしょ。大丈夫・・・?」

「ほう、よく判るな。ちんぼの立ち方が弱いか」

伝次郎が、ヒクヒクと男根に脈を打たせながら言った。

「うぅん、そんなことないよ。何となくそう思っただけ・・・」

べつに嫉妬めいた気持ちで言っているわけではない。いま女房をやっている女を

腰が抜けるほど可愛がって、その上で複数の女にも平然と手を出す余力を

持っている。紫織にはそんな伝次郎の女の一人であることが嬉しいのだった。

「だって、お父さんは他の男の人なんかより、ぜったいに上だもん」

「うはは、まだまだ、若いやつらにゃ負けられんからな」

これが親娘だとは思えないような会話なのだが、二人にとっては楽しい団欒である。

握っているだけで、跳ね返してくるような弾力を持った肉塊を片手でまさぐりながら、

濃い陰毛に指を絡めて裏のほうに下がってゆくと、柔らかい袋に達する。紫織は

そのボリューム感が大好きであった。

「おっきいネ、何だか怖いみたい・・・」

半日がかりでご主人様からいたぶられたクリトリスの充血がひくと、あとに

傷口のカサブタのようなムズがゆい感覚が残った。その中にお父さんのコレを

入れて貰ったら、張り裂けそうになって、さぞかし気持ちが良いだろうと思う。

それがまた、たまらない欲情を誘うのである。

「だってお父さんのは特別だから、良かった・・・」

自分から股を広げて、陰裂に指でつまんだ亀頭をこすり付けながら、紫織は言った。

「お父さんみたいな人って、めったにいないもんね」

「うふふ、お前もすっかり大人になったなぁ」

道具の大きさを誉められれば悪い気はしない。伝次郎は身体を横に向けて、紫織の

左脚を腰の上まで抱え上げながら言った。

「最初にヤッたときには青臭い子供だったが、近頃このへんに女らしい肉がついてきた」

「いやん、太りたくなんかないよ、アアッ・・・

伝次郎が横ざまに腰をひねると、男根がグスッと半分近くまで入った。

「お父ちゃんッ、スッ、凄い」

「邪魔だ、手を退かせ。それじゃ奥まで入らねぇだろう」

「うぇぇん、嬉しいよゥ」

乳房が上を向いて、挿入された下腹部がピッタリと密着している。伝次郎はゆっくりと

舟を漕ぐようなリズムで腰を使いながら言った。

「ふうむ、お前今日は男とヤッてきたな。相当イカされたろう」

「何故ェ、どうして判っちゃうのよゥ」

「そのくらい、ハメてみりゃあすぐにわかる。おまんこの奥までベットベトだぜ」

「ご、ごめんなさい・・・」

さすがに身を縮めて、紫織は両手で顔を覆った。

「ひるま、お母さんのご主人様と・・・」

「あの牝犬もいっしょにか」

「うん、ごめん・・・」

「あはは、謝ることはねぇ。色気違いに遊ばれて何回ぐらいイッた?」

「わ、わかんない」

「数え切れないくらいイカされたんだな。そうだろう」

「よく覚えていないんだけど、そうだったのかなァ」

聞かれるままに、母の絹枝と三人でやった淫事の詳細を話したのだが、

どんなに猥褻な情景にも感情を乱さず、ときには誉め言葉を入れながら、

伝次郎は面白そうに紫織の話を聞いた。

その間にも、ゆっくりとしたリズムで陰肉を巻き込むように

出没する男根の感触に、紫織は次第に酔っていった。

父の巨大な肉塊を受け入れた局部の張りと、ひるまの

ご主人様との感覚が重なって快感が二倍になった

ような気がする。

「お父ちゃんッ、もう駄目だわたし・・・」

「イキたくなったのか」

「う、う、うん」

「よぅし、それじゃそこから先はオナニーして見せろ」

「おッお父ちゃん・・・ッ」

「いいからいいから、紫織がどんなイキ方をするか見ていてやるよ」

「う、うん、それじゃイクから、お父ちゃん見てェ」

ズルッと、惜しげもなく伝次郎が男根を抜いた。紫織がウワッと声をあげて、

反射的にクリトリスを抑える。

後は何を考える余裕もなく、小刻みに指を震わせて淫楽の坂を駆け上がってゆく。

最初のイキ方は小魚が跳ねるように繊細で衝動的な発作だった。

続いてほとんど間隔をあけずに、二度目の爆発が起きた。

「ん、ん、んんッ」

その度に呼吸が止まる。扁平な乳房が波を打つ様子を、伝次郎は愛しげに

見守っていた。





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