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17 ・ ジグザグ行進曲 | |
紫織にとって、伝次郎の前でイクところを見せるという行為は、新しく覚えた歌を 歌って聴かせるといった程度の軽い緊張と快感があった。 お父さんが見ていてくれないのなら、オナニーなんかしたってつまらない。男根を 抜かれたとたんに性欲が褪めて、イクことも諦めてそのまま寝てしまったことであろう。 中指と薬指を使って続けざまに三回ほどイッたあと、紫織は父の顔を斜めに見上げて ニコッと笑った。 「おぅ、もう良いのか」 「うん・・・」 昼間からセックスのやりっぱなし、さすがの若い肉体も堪能していた。 「それじゃ、お父さん帰るからな。おまんこをちゃんとしまって寝ろ」 「はぁい」 伝次郎がズボンを穿いて出て行ったのは微かにわかっていたが、あとはもう 前後不覚で、紫織は泥のように眠り込んでしまった。 翌朝、学校に間に合う時間に眼が覚めたのが不思議なくらいである。 飛び起きると、大急ぎで服装を整えて、紫織は三日ぶりで学校に行った。 これ以上休むと担任に家庭訪問される。部屋が散らかっていて、母親が いないことがバレるのは嫌であった。学校に行けば、勉強は中の上くらいには できたし、指導教師から非行のレッテルも貼られていない。ごく普通の、 平均的な女の子なのである。もうすぐ三年生、15才であった。 勉強も、それほど嫌いではない。熱心に授業を受けて、放課後、いつものように 暴走族の健から携帯にメールが入った。 "新しい女をナンパしたので、リード手伝ってくれ" へぇぇ、どんな子なんだろ・・・ 近頃では、暴走族の車に乗りたいなんていう女の子は滅多にいない。 紫織のときもそうだったが、乗ればさんざん引き回した挙句、みんなで廻して 兄弟になってしまうのが彼らの常套手段である。 馴れない女の子を上手く言いくるめて、マワシのムードに誘い込んでくれと いうのが手伝ってくれの意味なのだが、失敗すれば事件にもなりかねない。 わたしなんかに頼んで良いのかな・・・ 紫織にとっては初めての経験だが、今どきの女の子は、いざとなったら簡単に マワシぐらいとらせるものだと思っているから、自信がないと断る必要もなかった。 それよりも、どんな女の子かというほうに興味があった。 セックスが大好きで、友達になれるといいな・・・ 学校から戻ると、紫織はすぐにスカートからGパンに着替えて、変身の準備を はじめた。約束の時間と場所はいつもの橋の下・・・。 定刻より少し早めに川の土手までタクシーを飛ばすと、健は二・三人の仲間たちと 一緒にもう来ていた。 「新しいメンバーになった子って、どこ?」 「俺がひっかけた訳じゃねぇ。秋男の女なんだけどよ」 上手くつれてくるかどうか判らない、と健は頼りない返事をした。 「あらそう、どんな人なの?」 「俺もまだ会ってねぇんだ。走った後、みんなでヤッちゃおうという相談なんだけどよ」 隣にいた健の子分が、エヘヘ、と卑猥に笑った。この連中は助平なくせに慢性的に 女に飢えていて、モテない男の典型である。健の話を聞いて、狼が獲物を 待ち受けるように集まってきたのだった。 「おぉっ、来た来たっ」 もう一匹の狼が、オクターブ高い声で叫んだ。 「ほんとだ、女を乗せているぜ」 スピードを上げた単車がみるみる近くなって目の前に現れるまで、およそ30秒とは かからなかった。 「お待ちィ・・・! 」 今日の主役を気取って、秋男が慣れたハンドル捌きで急停車すると頓狂な声を上げた。 「よぅし、出発だ。急げっ」 紫織が健の車の助手席に飛び込むと同時にエンジンがかかる。 連れてきた女を単車から降ろさないのは、つべこべと能書きを言わせない作戦であろう。 轟音をあとに引いて、一団となった暴走部隊が拠点からいつものコースに向かって 驀進していった。 「高校生らしいね」 「そうだな、お前よりは年上だろう」 「前を走っている秋男の単車に目を凝らすと、女は髪の毛が肩を超えるほど長くて、 ときどき風に煽られてワッと後ろに靡くのが見えた。両腕を男の胴体に巻いて しがみ付いているのだが、これでは30分も走れば身体の芯まで冷え切って しまう筈だ。その上、Gパンではなくスカートである。アッというまに女の子の 太ももまで、剥き出しになった。 暴走族といっても、スピードではほとんど違反しない。むしろ低速で、周囲に轟音を 撒き散らしながら走るのが彼らのテクの第一歩である。 単車はスキーの回転競技のように、右に左に車体を倒して道路いっぱいに クネクネと走る。後ろに誰か乗せているときにはやらないのだが、秋男は これ見よがしに車体を揺らした。一緒に乗っている女は生きた心地も しなかったであろう。 「寒そうだわねェ」 助手席でヌクヌクと温まっている紫織が同情したように言った。 「たいしたことはねぇべ。マワシてやればすぐに暖ったかくならぁ」 ブレーキを踏んで、エンジンを空ぶかししながら、健がこともなげに言った。 「あのくらい脅かしておかなければ、女も素直に言うことを聞くように ならねぇんだ。ションベン洩らしてるかも知んねぇけど」 それもそうだネ、と紫織も相槌を打った。内心では、自分より年上の女がメロメロに なって、男たちの言うなりにおまんこを広げる有様を見たいのである。 街道筋を一時間近く、往復暴走を繰り返して、車の集団は市街地を抜け、 港に近い岸壁のようなところに出た。千葉県には、東京湾に面してこういった 無防備な岸壁がいたるところにある。 朝になると漁船でもつくのかも知れないが、この時間には、僅かな終夜灯が さざ波の立つ海面を照らし、コンクリートの岸壁にはくろぐろとした建物が 人の気配もなく並んでいるだけであった。 道路からできるだけ離れた突端の近くまで行くと、単車のヘッドライトが 妙に明るい。 「さてっと、少し早いが、ここいらで御馳走になるとすっか・・・」 プカ、プッ、プゥゥ・・・、とサインのホーンを鳴らして、健は車のライトを消した。 その周りに半円形になって単車が並ぶ。真ん中が秋男の250CCである。 左に傾いた単車の補助席から、抱えられるように降ろされる女の子の影が 見えた。地面に足がついても、まともに立っていられない様子で、女は秋男に 支えられてフラフラしている。 こんなんじゃ、あの人を興奮させるなんて無理だわよ・・・ と、紫織は思った。 車から外に出ると、海辺の夜風は意外に冷たい。女の子は秋男に抱かれて、 口も利けずにガタガタと震えているようであった。途中何回も停めて降ろしてと 叫んだのだろうが、暴走族は集団行動だから、途中で列を離れることは 不可能なのである。 「おぉい秋男、待っててやるからよ、そこの倉庫の中でヤッて来い」 健が車のウインドゥを下ろして叫んだ。 その声が聞こえたのかどうか、秋男はよろめく女の腕を引っ張って倉庫の中に 入れようとするのだが、女は必死になって抵抗している。 「ちぇっ、あん畜生、言うこときかねぇじゃねぇか」 健がいまいましそうに呟く。 ![]() だが紫織は、こういた切羽詰った情況の 中で、無駄と判っている抵抗を続けて ボロボロになって行く女を見ていると、 自分が当事者になったように胸が躍った。 外にいる若者たちも待ちきれなくなった のだろう。二人ほど単車を降りて、 秋男の助勢に向かった。 その影が建物の奥に消えると、 ウワアァッ、ギャアァッ・・・ 女の絶叫が聞こえるような気がして、 紫織はたまりかねて、健の頬にキスをしながら言った。 「ねえねえ、わたしも見に行っちゃ駄目?」 「行きたきゃ行ってこい。あんなもん、俺ぁ見たくもねぇ」 無言で車を降りると、紫織は小走りに暗い穴倉のような建物の影に入っていった。 18 ・ 魚 箱 そこは水揚げした魚を箱に分けたり、セリにかけたりする場所なのであろう。 倉庫といっても壁があるわけではなく、屋根がついているだけの粗末な建物であった。 岸壁に向かって素通しで、昼間ならもちろん奥まで丸見えなのだが、月もなく、 屋根一枚で内部は薄暗く人影も朧に見えた。 真ん中から少し入ったところに木箱が積んであって、その横で秋男と加勢に来た 二人の仲間が女を押さえつけようとしていた。 「やッ、やめてよゥ。何すんのよッ」 「決まってるじゃねぇか、あんたの好きなことだよ。気持ちよくさせてあげるからさァ」 「嫌だってば、私そんなつもりで来たわけじゃないもん・・・」 「良いじゃんか、パンツだけ脱げば」 「だってぇぇ、こんなところで脱いだら洋服が濡れちゃう」 女の抗弁に気がついてみると、水を流した跡なのか、一晩中コンクリートの 地面が乾かずにベッタリと黒く濡れている。 「よし判った。ベッドを作ってやるからよ、おとなしくしてろ」 三人がかりで横に積んである木箱を並べて即席のベッド。 女は逃げても無駄なことは承知しているのか、肩まである長い髪の毛を 振り乱したまま、その場に立ち竦んだように男たちのやることを見ていた。 ベッドと言ったって魚を入れる木箱である。隙間だらけ穴だらけ、 下手をすると出ている釘で怪我をしかねない。この上で犯されるのかと思うと、 女は再び恐怖がこみ上げてきたようだ。 「ウワアァァ、止めてェ、助けて・・・ェ」 立ったまま、口元が引きつったような泣き声をあげる。 「うるせぇ泣くなっ。大きい声出すとみんなが来るぞ」 「うぇぇッ、い、嫌だよゥ。そんなこと出来ないィ・・・」 秋男が長い髪の毛をひっぱって、ねじ伏せるように女を魚箱の上に据えた。 「おいっ、脚持っててくれ。パンツ脱がせるから」 「ようしっ、早くしろ」 わけのわからない叫び声をあげて脚をバタバタさせるのを、男二人で片方ずつ 抑え込んだ。 「脱げたっ、そっちから取れ」 パンティーを剥がされてしまうと、女は覚悟を決めた、というより急速に抵抗する 気力を失ってしまったようだ。グッタリと関節から力が抜けて、魚箱の上に 仰向きになる。 「へへ、悪いけどよ。あんたらちょっと向こうに行っててくんねぇか。5分で終わるから」 秋男が、ズボンから出した男根を手で隠しながら言った。 心得て、応援隊の二人が外に出る。秋男は、紫織が入ってきたのには全然 気がついていない様子で、片手でちんぼをしごきながら女の子の傍に寄った。 「ごめんな、チャッピー。こんなつもりじゃなかったんだけどよ」 残った片手でらくらくとスカートを捲くる。 「ヒッ、ひどいじゃん。初めから犯るつもりだったんでしょ」 「違うよ、つい成り行きで、こうなっちまっただけだ」 「やだァァ、秋男だけかと思った」 「そりゃチャッピーは俺の女だけどよ。みんな仲間だから勘弁してくれ」 「アウンッ、そッ、そんなにひどくしないで・・・ェ」 どうやら秋男は目的を達したらしい。紫織はGパンの上からクリトリスを揉み こすりながら、二人の息遣いに神経を集中していた。あれほど嫌がっていた 女子高生が、二人だけになると意外におとなしいものだ。それは紫織の新しい 発見であった。 アァ、ウゥという稚拙なヨガリ声のような呻きが絶え間なく聞こえる。実際には 秋男が乱暴に腰を使うので痛くて声を上げているのだが、紫織には快感を 訴える悦楽の悶えに聞こえた。 「おぉい、まだかよぅ。早くしろや」 建物の影で順番を待っているらしい男の催促が始まる。 「うんっ、いく、いくぞ・・・っ」 秋男が一挙に頂点に駆け上がったように弾んだ声で言った。 「アァァン、痛いッ、痛いよゥッ」 「それっ、それそれっ」 最高潮に達した瞬間、秋男が性器を引き抜いて半身起こすと、自分の手を 使って激しくしごく。紫織には見えなかったが、腰を前後に振るたびに 精液が飛んで女の服を汚した。 「ごめん、後で拭いてくれ」 次の男が近寄ってくる気配を感じて焦ったのか、秋男は魚箱から飛び降りると 逃げるようにその場から消えた。 「ウギャアァッ」 起き上がる暇もなく襲いかかって来た次の男に押し倒されて、少女は 異様な悲鳴を上げた。 「やめて下さいッ、助けてェェ」 「うるせえっ、少しは静かにしろ。ヤラせるのは初めから判ってたんだろ」 「知らないよゥ。わッ私はそんな・・・」 「だったら騒ぐな。まだあとに5人もいるんだからよ」 「いやあァァ」 「騒ぐんじゃねぇっ、声だすと絞めるさぞ」 「ウグッ、グググ・・・」 秋男を待っている間に、男はズボンを脱いでいた。それでも魚箱の上では 無理だと思ったのだろう。口を塞がれて抵抗力を失った少女を抱き起こすと、 魚箱にうつ伏せにした形でスカートを腰の上までまくった。 薄暗い倉庫の中で、ほの白く浮かび上がった少女の尻がこんなに エロチックなものだとは、それを見た瞬間、Gパンの上からオナニーしていた 紫織は耐え切れずに、ドッと気がイッてしまった。膝の関節がガクガク するのを支えようとして、慌てて積んである魚箱に手をつく。 ガタガタッとかなり大きな音がして、魚箱の山が揺れた。 「なっ、何だよう。しぃちゃん、こんなところにいたのか」 男がすぐに気がついて、少女の尻を抱えながら表に向かって叫んだ。 「おぅい、もう一人いるぞ。ヤリたい奴は早く来いっ」 別に逃げるつもりはないので、そのまま立っていると、たちまち若者が 二人駆け込んできた。どちらも顔見知りの高校生である。 「ご免な、気がつかなくて。しぃちやんは健の車の中かと思った」 「ヤッても良いの? 悪いねぇ」 彼らには、中年の男にはない率直さと迫力がある。こうして蛇に睨まれた 蛙のような状態になると、紫織は何故か自分でも不思議なほど発情するのだった。 処女ではないが、輪姦はおそらく初体験の女子高生と違って、紫織は無言で 男が二人がかりでGパンを脱がしてくれる感触を、ウットリするような淫欲の 陶酔の中で味わっていた。 |