2.「堪忍してくださいっ…」



3回目はホテルに2時間くらい行きました。私が初めて縄を見たのは、

ご主人さまがベッドに投げ出した白い縄でした。

初めて見たのに心のどこかには憧れのようなものがあって、

あまり怖さは感じませんでした。ただ縛られるという事がどんな事なのか、

分かっていなかったので、その縄がどうなるのか予想もつきませんでした。


両手を背中に回されました。その手首に縄が巻かれました。その時から、

今までに感じた事のない熱いような感覚が身体に溢れてきました。

巻かれた縄が引き絞られた時、快感で身体が震えはじめました。

でもその快感が何であるのか理解出来ずに戸惑っていました。


「手を後ろに回して・・・もっと両手を重ねて・・・」

初めての事なので、言われるままに背中に手を回して、出来るだけ

両手を重ねると、その2本の腕を、ご主人さまが縛っていきます。

腕が縛られると、その縄は胸の上下に通されました。白い綿の縄が

胸元を縛ると、心の中も縛られているかのように締め付けられました。

「気持ち良い?」

耳元で囁かれました。縛られて気持ちが良いわけない・・・

私は首を横に振っていました。

「そう・・・」

ぎゅっと強く縄が絞られて手首が締まり、腕が引き上げられた時、

「あぁ・・・いぃ・・・」

私の口から思わず声が漏れてしまいました。自分の声にはっと我にかえって、

今言った事が信じられずに動揺して、固く目を閉じて首を横に何度も振りました。

振りすぎてめまいがしてきた程です。


股にも縄を通され、部屋を歩くように言われました。歩くたびに、

足の間に擦れてしまうので、すぐ立ち止まってしまいました。

そんな時に、腕に、胸に食い込む縄を、いっそうに感じました。

縄で絞り出された胸は張り裂けそうです。少しして股の縄ははずしてもらい、

アソコとお尻にしてもらいました。胸の縄を捉んだまま、激しく動かれて、

相当感じてしまいました。


でも、私は、それまで1度も性交渉で絶頂に達した事はありません。

感じないわけではないのですが、経験がないと、絶頂を得られないことも

不満には思わないので、イクことに執着していませんでした。

その時も、絶頂に達する事はありませんでした。


ご主人さまが、お尻で終わってから、縄を解かれました。

少し手が冷たくなっていました。

その後、少しだけ浣腸をすると言われました。とんでもない事です。

「それだけは出来ません」

何度も拒否しました。ご主人さまは

 「ほんの少しだから」

 と丁寧に説得しました。ご主人さまが持っていたのはエネマシリンジという

ゴムボールを押して液を入れるような管でした。

「これを軽く3回だけ」 

「3回?」

 実際に目の前で空気で実演してくれました。私は少しなら

影響がないだろうと軽く考えて、うかつにも承諾しました。

お風呂場に連れて行かれて、上半身は浴槽の縁に預けて、

膝をつきお尻を突き出す格好にされました。初めて管が、お尻に入った時は、

それだけで浣腸をされたと思い込みました。少し身を浮かせたのですが、

その後入ってきた冷たい液体の感覚に思わず悲鳴を上げていました。

「だめですっ、だめ、堪忍して下さい」

でも、懇願している間に3回は終わっていました。

部屋に戻り、しばらくベッドの上にいましたが、少しすると

お腹がおかしくなってきました。

「おかしい?」 

「はい」 

「する?」 

「はい」 

「どこで?」 

「は!?」

私は、ご主人さまに言い聞かせるように強い口調で 

「お手洗いで、です」

 と力説しました。 

「じゃ、いっしょに行ってあげる」 

「いえ、いいです!」 

「そう言わずに」

 お手洗いの扉の前でしばらく押し問答しましたが、ご主人さまは

少しして笑いながら、私だけをお手洗いに入れてくれました。

しばらくしてお手洗いから出てくると、ご主人さまは、

部屋で寝転がっていました。

「どうだった?」 

「どうだった、って言われても・・・」

ご主人さまは、下からいきなり私のあそこに手を入れてきて

「でも濡れてるよ」

終わった後、濡れている事を指摘されて、自分で確かめると、

そんなに濡れたのは初めてかもしれないとびっくりするほど濡れていました。

どうしてこんなになっているのか、分からないまま、問い掛けるように

ご主人さまを見ても楽しそうに私を見ているだけでした。






その次に逢った時は、私の用事に付き合ってもらって、電車に乗って出かけました。

付き合う条件として、裸にコート一枚になる約束をしていましたが、

その日は寒くてブラウスを着ていたら脱ぐように言われました。

近くのお手洗いで全てを脱いでコート一枚で電車に乗りました。

それほど薄いコートではないので、他人には裸と分からないと思いながらも、

気になってご主人さまの腕にすがって歩いていました。

電車は、それほど混んでいなくて、人がまばらに立っている程度でした。

ドアの脇に立った私のコートのボタンの間からご主人さまの手が入ってきます。

「なんでノーブラなの?」

乳房をつかみながら意地悪く聞かれました。

(だって、取って来いって言ったじゃないですか・・・)

そう思いながらも答えられないでいると

「いやらしーんだから」

と耳元で囁かれて、身体がこわばるほどの恥ずかしさで身を焼かれるようでした。

口も利けなくなった私の肌を、ご主人さまの手が滑り降りていきます。

足の間に指が・・・と思った瞬間には、いきなりあそこに指を差し込まれていました。

人もいる電車の中なのに、遠慮のない抉りかたで、思わずつま先立ちになってしまいました。

ご主人さまの指が動くたびに、こらえられないで小さな声が漏れてしまいました。

「そんな顔していると、バレバレだよ」

そう注意されて、一生懸命に気を引き締めます。ご主人さまは、こらえている私が

涙ぐむまでかき回した指を抜くと

「なんで濡れてんの?」

と、私の目の前に突きつけました。思わず恥ずかしさより、ご主人さまの指を

汚してしまった申し訳なさが先にたって、いきなり口に含んできれいにしてしまいました。

よく考えると、その方がどんなにアヤシイ事だったか・・・。

その後、電車が空いて座席に座りました。

「足、開いて」 

「・・・え?」 

「大丈夫、コートで見えないから」

確かにコートは膝下まであるので、前の席の人からは見えないと思うのですが、

それでも電車の中で下着の穿いてない足を広げるのは躊躇してしまいました。

「足、開いて」 

ご主人さまが繰り返しました。頭の中では出来ないと思っているのに、

口から出た返事は 「はい」 でした。

おずおずと足を広げたのですが 「もっと」と、ご主人さまに言われます。

前の席の人は私の方など見ていません。だから、ご主人さまに言われるように

足を開きました。あそこに冷たい空気が当たります。誰も気がついていない、

と思いながらも、早く降りる駅が来ないか待っていました・・・。


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