1930年代、上海。
そこには世界中のありとあらゆる欲望が渦巻き、深い闇となって蠢いていた。人々は知らず知らず闇の深淵に飲み込まれ、混沌の街の住人となっていた。
フェイレイとその館の常連たちもそのほんの一部にすぎない。
そして今夜もフェイレイの館には倒錯の闇が広がっていた。
フェイレイ。全てが謎の倒錯の館の女主人は、生まれながらにして妖艶な色香を漂わせ、全ての男を虜にし、
その心の奥底を覗き込み本人さえ知らない欲望を嗅ぎ分けた。
国籍も年齢も不明の謎の女フェイレイ。唯一つ確かなのはその大きく膨れ上がった妊婦腹から彼女が女だということだけだった。
腹の子の父親は知れない。館の常連は、彼女は生まれながらの倒錯者だという。エロスの権化という男もいる。
彼女は毎夜ステージに立ち、時には女王として、時に奴隷として倒錯した性を貪った。
巷にあるような安っぽいショーではなく、彼女本人が観衆の面前で心底倒錯した性と悦楽を愉しんでいた。
彼女は毎夜男たちの欲望を食い物にし、その美貌に磨きをかけているようにさえ見えた。
フェイレイは孕んでからもステージに立ち、男たちを倒錯の暗闇に引きずりこんだ。妊娠について彼女は何も言わなかったが、
日ごとに大きくせり出す腹部から男たちは彼女が孕んだことに気付いた。
不思議なことに、男たちはその事実を受け入れ、そういった趣味がない者でも彼女の店から足が遠のくものはいなかった。
そして皆、彼女が彼らの前でその日を迎えるのだろうということに異を唱えるものはいなかった。
彼女の出産の日は誰にもわからなかったが、臨月を迎えるとその日を待ち望むように毎夜男たちは館に立ち寄り、
フェイレイの館は連日男たちの欲望に埋め尽くされていた。
だがフェイレイはそんな男たちの期待をよそに、毎夜鞭打たれ、ありとあらゆる拷問に身を捩り、
性の陵辱を心の底から愉しんでいた。そして時に彼女はせり出した腹を抱え、幾人もの女達を辱め、その性を吸い尽くしていった。
真紅に塗られた壁に、ダウンライトのほの暗い照明が照らし出すステージにフェイレイの裸体が浮かび上がる。
黒皮のボンテージは、乳房と腹部、股間に穴があき、彼女の白い肌が露になっている。
ピンヒールの黒いブーツが艶かしさを更に際立たせていた。
両手両足を鎖につながれ、左右に大きく広げたその股間には巨大なバイブが突き刺さり、太鼓腹にベルトでしっかりと固定されていた。
突如として電動バイブの機械的な音が響いた。フェイレイの口から悦楽の喘ぎが漏れる。
“おぉ〜、はぁ〜、ああは〜”
腰の動きと共に巨大な妊婦腹が艶かしく照らし出される。尚も腰の動きが激しさを増す。
“バシッ”
どこからともなく仮面をつけ、やはりボンテージに身を包んだ女達がフェイレイの背中に容赦なくムチを振り下ろした。白い肌に赤い蚯蚓腫れが何本も浮かぶ。
“あぁっ”
ムチを振るわれるたび、フェイレイの口からは悲鳴が漏れる。だが、腰の動きはやむことがない。
ムチ打たれながらもフェイレイは絶頂を迎えようとしていた。
“あぁっ、ひぃあああっ、い、いくっ、あ、あ、い、いかせて、はあああ〜”
激しく腰を打ち振るい、背を仰け反らせる。
と、突然バイブの音が止み、フェイレイの両足が開かれたまま宙に浮いた。
そのままバイブの突き刺さった股間を公衆の面前にさらした格好で宙吊りになる。白く膨れた太鼓腹が天井に向かって突き出した。
“あぁ、だめ、だめぇ〜、もっと、もっとしてぇ。早く、突いてぇー。もっとついてぇ”
尚も腰を動かすフェイレイの腹部に激しく一本のムチが振り下ろされた。更にもう一本。妊婦腹に赤い蚯蚓腫れが浮き出す。
彼女の口から悲鳴がこぼれた。同時にバイブのスイッチが入れられ、フェイレイの中で激しく動き、淫靡な刺激が股間から中枢神経へと直撃する。
“はっ、ふっ、うっ”
突然、恍惚の喘ぎが呻き声に変わった。腹部が激しく引きつるような感覚が広がる。
そのまま、内臓が痙攣するような激痛がフェイレイを襲った。
“うぉっ、おおおおおーーーーーっ、ああっ、ふううううううう〜〜〜、あ、はぁあー。”
突如として襲った異様な痛みにどうすることも出来ず、フェイレイはただ呻き声を揚げるだけであった。
激しく動いていた腰の動きがとまり、本能的に体を丸めようとする。だが、両手両足に枷をはめられ、
鎖でつながれた四肢は思うように動かない。鎖のきしむ音だけが響く。
会場に男たちのざわめきの波が立ち始めた。
ステージにはいつのまにか、黒いボンテージに身を包み、仮面をかぶった妊婦が2人控えている。
一人はフェイレイの脇に、もう一人は後ろに立っていた。
フェイレイの最初の呻きが止むと、脇に立っていた一人が彼女の腹部を探る。
バイブは相変わらず、フェイレイの秘部を攻め立てていた。
“は、ああ〜〜”
陣痛に襲われながらも、ヴァギナから受ける快感に身悶えするフェイレイは、
エロスの権化と呼ばれるに相応しい色香をかもし出していた。
後ろに控えた妊婦がフェイレイの乳房を愛撫する。黒く変色した乳首を刺激し、
ゆっくりと青く静脈の浮き出た白い豊満な乳房をもみしだく。少し膨張し、やはり黒くなった乳輪をもみ押すと、
乳白色の液体が滲むのがわかる。フェイレイは敏感になった乳首からの背徳の刺激に、身悶えし、喘ぎ声をあげた。
乳房からの刺激が激しくなるにつれ、腰の動きも激しくなった。フェイレイの口から恍惚の叫びが聞かれる。
バイブの音が更に激しくなった。
再び、腹部に激痛が走る。フェイレイの悦楽の動きが止まり、恍惚の喘ぎは悲鳴ともとれる呻きに変わる。
“あはああーーーーーーー、ほっ、ううう、うくううーーーーーーーー、ああああ〜〜〜。”
陣痛と共に横にたっていた妊婦がフェイレイの腹部を力任せに揉み始めた。本来の陣痛の痛みに加え、鋭い痛みが体中を駆け巡った。
“ひああああああ〜〜〜、ああああああああああああっーーーー”
“はぁっ、あっ、はぁ、はぁ、はぁ”
陣痛と陣痛の合間には、重く短い息遣いが聞こえる。
バイブの振動音と共に、フェイレイの陰部かグチュグチュと淫らな音が聞こえていた。
出産による出血と愛液が混じり、フェイレイの秘部はベトベトだった。
それまで、鎖でつながれ、大股開きで宙に浮いたままの格好が、そのまま後ろ向きにされ、
今度は前かがみに吊り下げられた。白い臀部が男たちの前に突き出される。
開かれた上肢の間から、突き出た孕み腹が垣間見える。
フェイレイは暫くそのままの格好で襲いくる陣痛に翻弄されなければならなかった。
陣痛に苦しみながら、2人の妊婦に臀部をムチ打たれ、二重の痛みに唯一自由になる頭部を激しく振り上げ、絶叫した。
その間に、ステージ上には、座る部分だけが黒い皮が張られ、所々から皮ひもが垂れ下がる古めかしい銅製の奇妙なイスが用意された。
陣痛の後も、体に残る鈍痛に、低いうめきを漏らしながら、フェイレイがそのイスに座らされる。
脇の下と腹部を皮ベルトでしっかりとイスに固定され、両腕も、アームレストにしっかりと固定された。
手の部分にはそれぞれ短い握り棒が作りつけられていた。両足は、左右に取り付けられた足置きともよべるような部分にやはりベルトで
しっかりと固定された。両足を大きく開かれ、バイブをはめたままの陰部が剥き出しとなった。
更に彼女の両の乳房には電動の搾乳機が取り付けられ、乳白色の液体を搾り出していた。
後にこれは男たちに振舞われることになる。
壮絶な出産ショーの始まりである。
“はひ〜〜、うああああああああーーー。あぁあぁあぁあああああーー。うううううーーっ”
陣痛の波が襲う度、フェイレイの口から絶叫が聞こえる。
額には油汗が浮かび、長い黒髪が顔に張り付いている。陣痛の痛みは勢いを増していった。
産気付いてから5,6時間が経過したところで、搾乳機とバイブが取り外され、
フェイレイの口に猿轡がかまされ、そのままイスの後ろに縛り付け、目の部分には黒鳥の羽があしらわれたアイマスクが被せられた。
そして、男たちが初めてステージ上に上ることが許されたのである。
あるものは、フェイレイの乳首を吸い、揉みしだき、あるものは陰部をなめまわし、愛撫を加えた。
頭部から足まで、イスに縛り付けられ、完全に自由を奪われたまま、フェイレイは男たちと苦痛に身をさらさなければならなかった。
構わず襲いくる陣痛に、フェイレイは声を揚げることもできず、体を痙攣させた。猿轡をかまされた声にならない
激しいうめきと涎が垂れ流された。銅製のイスがカタカタとゆれる。
それでも男たちはフェイレイの白い肌に吸い付き、汗と愛液と血の匂いの入り混じった生臭い香りにむせた。
“んっぐううぅっ、ぐうーーーー、ぐふっ、ごぅっ、ぐっ、ふぐーー”
鈍いうめき声と共に、フェイレイは大きく痙攣し、そのままぐったりなった。
2人の妊婦が男たちを掻き分け、フェイレイの脈をみる。猿轡がはずされた。男たちはステージから降ろされた。
特性の極太のバイブレーターが新たに股間に挿入され、それまで体を固定していた皮ベルトがすべて取り外され、
ぐったりとした肢体がステージ上に放り出された。頭上にはわっかになった皮ひもが二本吊り下げられている。
“あぎゃあああああああーーーーー。くおおおおおおおーーーー。あああああああああああああーーー”
弱々しい息遣いが絶叫にかわる。フェイレイは巨大な腹を抱えてステージ上をのたうちまわった。
“た、だ、すぅっ、うぅ、ああああああああああああああ
あああああああーーーっ”
助けを求める呻きが絶叫にかき消される。股間のバイブの間から赤い粘液が滲み、既に膝までべっとりと血にそまっている。
フェイレイはステージ上を転げまわり、皮ひもにしがみつき、激痛にのたうちまわった。
極太のバイブがゴロンと音をたてて転がる。
一人の妊婦がフェイレイの汗でベトベトになった体を後ろから羽交い絞めにし、もう一人が力任せにせりでた腹を押し付けた。
“あぎゃああああああああーーーー。だああーーーーーめえええーーーーっ。”
羽交い絞めにされたまま、フェイレイは必死に皮ひもにしがみついた。黒鳥の仮面をつけた顔が左右に激しく振られる。腹部の圧迫は続く。
“あぎゃあああああああああああああああああーーーーーーーーーーーー”
地獄の絶叫が続く。腹部の圧迫が更に強くなった。
“いやあああああああああああーーーーーー。ぎゃああああああああああああ
ああああああっ”
バシャバシャと股間から羊水が迸った。
尚も絶叫が増す。
“いだいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
ああああああああああああああああああ。
ダメエエエエエエエーーーーーーー”
フェイレイの仮面がはずされ、再び銅製のイスに座らされる。両足を大きく開脚し、広がった陰部が露になる。
黒々とした陰毛が股間に張り付いていた。
フェイレイは、両の握り棒を必死に握り、激痛の荒波に翻弄される。
“んんぎいいいいいいいいいいーーーーーーーーー。
ぎゃあああああああああああああああああ”
乳房が、巨大な腹がゆれる。そこだけ時間がとまったような空間にフェイレイの絶叫が響き渡る。
妊婦の一人は相変わらず彼女の腹部を押さえつけ、もう一人は彼女の足元を覗き込む。
極限状態にまで押し開かれた骨盤と産道から猛烈な激痛がフェイレイをいたぶりつづけた。
足元を覗き込んでいた妊婦の手がフェイレイの局部にゆっくりと挿入された。
“んぎゃあああああああああああああーーーーー。
ヤーーーーーーーメーーーーアアアアアアアーーーデーーーーー
ギャアアアアアアアアアアアーーーーッ!!”
物凄い絶叫があたりにこだまする。必死に握り棒を握り締める両手が震え、痛みに耐えかねた涙が両方をつたった。
妊婦がフェイレイの股間から赤黒い肉片をつかみだした。肉片はそのままフェイレイの股間にぶら下がり、ベチャリと床に音を立てた。
2人の妊婦は今度は2人がかりでフェイレイの腹を押し付けた。
“ぎやあああああああああーーーーー、っぐうううううううううううう
あああああああああああああああああああああああーーーーーーーー”
もはや出産そのものが壮絶な拷問であった。握り棒から手をはなし、フェイレイは後ろから腹を押さえつけている
四本の手を振り解こうと必死にもがき、絶叫した。その声は絶叫というよりは唸り声というに等しいものである。
そして、もうこれで最後だという具合に、2人が腹を押し付けた。
“でぃいいいいいいいいいーーーーーーーーーー、
ぎぎあああああああああああああああああああああああああ”
耳を塞ぎたくなるような絶叫とともに急に静まり返った。
恐らくフェイレイのものであろう荒く、弱々しい息遣いだけがハァハァと聞こえる。
ステージは暗闇に落とされた。遠くで胎児の鳴き声が聞こえる。
再び明るくなったステージ上には、銅製のイスに両足を開いたままの格好でダラリと四肢をたらしているフェイレイの姿があった。
下腹部から足の先まで鮮血にそまったまま置き
去りにされた彼女は、まるで地獄の拷問にやつれ果てたかのようなうつろな瞳を宙にむけていた。
股間から鮮血ポタポタと垂れ流したまま男たちの前にさらされる彼女の姿は凄惨さを極めた。
男たちは祝杯をあげ、一息ついたのち、それぞれ現実世界へと帰っていった。